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ロバート・フランク展 ー もう一度、写真の話をしないか。

Robert Frank ― Why Don’t We Talk About Photography Once Again?

会期:2019年6月29日(土) ~ 9月23日(月・祝)

世界で最も重要な写真家のひとりであり、世代を超えて熱烈に支持されているロバート・フランク。

当館収蔵作品より、未発表の作品を含む106点を展示。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《映画のプレミア、ロサンゼルス》1955年
Movie Premiere, Los Angeles, 1955
© Robert Frank

《リバー・ルージュの自動車工場 — デトロイト》1955年
River Rouge Plant, Detroit, 1955
© Robert Frank

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真家ロバート・フランクは、世界で最も重要な写真家の一人として、多くの同世代および後進の写真家に影響を与え、 そして現在も、世代を問わず熱烈に支持されている写真家です。

1947年、フランクは、23歳でスイスからアメリカ・ニューヨークへ移住し、写真家としてのキャリアをスタートさせます。その後、約15年間集中的に写真を撮影しました。生地スイスからニューヨークへ渡り、南米やヨーロッパへの撮影旅行を重ねた後、自分の写真集を世に出す決意とともに再びアメリカへ戻ります。そして、1958年に写真集『アメリカ人』を発表。自身は、発表直後に映画製作へと身を転じますが、『アメリカ人』は、かつてない大きな衝撃をもたらし、20世紀の写真を大きく変貌させるきっかけとなりました。

『アメリカ人』は、スイスから移住したばかりの若者がアメリカに強く感じた疎外感、不安、そして孤独。写真に表現されたざらざらとした質感と憂鬱な空気は、戦後アメリカ社会の様相を鋭くあぶり出した写真として世界に衝撃を与えました。1950年代のアメリカは、戦後の繁栄と自信にあふれ、一方で黒人差別に反対する公民権運動が勃発。人種問題や戦後の世代・文化が錯綜する、大きな変貌の渦中にありました。アメリカの社会的弱者、恥部的な実態を露にし、しかも写真のシャープさや美しい階調を求めない写真による『アメリカ人』は、米国内で、まさに“炎上”の様相を呈し、酷評されたのです。

しかし、即興詩をつぶやくように直観的なイメージ群と、それらを写真集の中で構成する手法は、全く新たな表現世界を提示していました。ドキュメンタリーでも、メッセージでも、決定的な瞬間でもなく、写真家自身が「何かを感じたら撮る」。あくまでも主観的な写真は、それまでの写真のスタイル、枠組みに捉われない自由さに溢れていました。しかも、大胆さだけでなく、細部までの繊細さや緊張感を併せ持つフランクの写真は、同世代の若者やアーティストを中心に、驚きと共感を得るまでに時間はかかりませんでした。やがて『アメリカ人』は、広く世界に受け入れられ、現在では最も版を重ねた写真集となりました。フランクによる主観的な表現の登場は、現代写真につながる劇的な変化をもたらしたのです。

『アメリカ人』の序文を書き、フランクと同時代の作家ジャック・ケルアックは「ロバート・フランクにおれからのメッセージ:あんた、目があるよ。」(『アメリカンズ』山形浩正訳、宝島社、1993年)とその魅力を表し、また、当館館長であり写真家の細江英公は「見ている人間が見られていると感じる。怖い写真家だ」と、瞬時に本質に迫るフランク作品の特徴を表しています。

フランクは現在94歳ですが、写真・言葉・グラフィックワークを自在に操った写真集が次々と発刊されています。しかし、展覧会の開催は比較的少なく、日本国内での大規模な展覧会は本展が23年ぶりとなります。

本展では、当館の収蔵作品より、これまで写真集に掲載したことのない未発表の作品を含めた106点を展示いたします。作品はすべて撮影当時に近いヴィンテージ・プリントで、当館がまとまった形で展示をするのは、本展が初めてとなります。

これらの作品によって、若き写真家が、模索と挑戦を重ねた初期の歩みと眼差しを辿ります。

本展が、フランク作品の歴史的価値と今日的意義を明確にする貴重な機会となると確信し、また、あらためて写真との深い対話を交わす機会となれば幸いです。

 

《聖フランシス、ガソリンスタンド、市役所 – ロサンゼルス》1955年
St. Francis, gas station, and City Hall – Los Angeles, 1955
© Robert Frank from The Americans

《テネシー州チャタヌーガ》1955年
Chattanooga, Tennessee, 1955
© Robert Frank from The America

 

 

《聖ジェナーロ祭、ニューヨーク》1948年
San Gennaro, NYC, 1948
© Robert Frank

《11丁目》1951年
11th Street, 1951
© Robert Frank

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《パリ》1950年
Paris, 1950
© Robert Frank

《チューリッヒ》1952年
Zurich, 1952
© Robert Frank

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

展示作品

『アメリカ人』掲載作品・・・・・   9点

アメリカ・・・・・・・・・・・・ 70点

ペルー・・・・・・・・・・・・・   3点

パリ・・・・・・・・・・・・・・   6点

イギリス・・・・・・・・・・・・   7点

スペイン・・・・・・・・・・・・   7点

イタリア・・・・・・・・・・・・   3点

スイス・・・・・・・・・・・・・ 1点

全106点

ロバート・フランク略歴

1924年、スイス・チューリッヒ生まれ。1947年、23歳の時にアメリカ・ニューヨークに移住。雑誌「ハーパース・バザー」でファッション写真に従事する一方、南米やヨーロッパ各地への撮影旅行を重ねる。1953年にファッション誌の仕事を辞め、フリーランス写真家として「ライフ」「フォーチュン」などの雑誌に寄稿。1955年・56年にグッゲンハイム財団の奨励金を受給し、9ヶ月間アメリカ国内の30州を撮影しながら車で旅し、1958年にフランスで写真集『Les Americains』を、翌年アメリカ版『The Americans』を出版。移民者の目から見たアメリカの姿をありのままに写した一連の写真は反アメリカ的であると酷評されたが、フランクによって示された個人の視点に基づく主観的な写真表現は、リー・フリードランダー、ダイアン・アーバス、ゲイリー・ウィノグランドら後進の写真家に大きな影響を与えた。現在94歳。ニューヨークとカナダのノバ・スコシア州にて、美術家のジューン・リーフとともに暮らしている。

 ■会期中の無料デー

  • 7月7日(日)・・・開館記念日
  • 7月28日(日)・・・親子の日

★親子の日とは・・・7月の第4日曜日

年に1度、親と子がともに向かい合う日があったっていい。その日を通じて、すべての親子の絆が強められたらすばらしい。そんな願いを込めて、2003年に、米国人写真家ブルース・オズボーン氏の呼びかけで始まったのが「親子の日」です。 http://www.oyako.org

  • 8月11日(日・祝)・・・山の日

会期中のイベント&ワークショップ

ピンホールカメラ・ワークショップ

身近にある材料で、レンズが無くても写るピンホールカメラを作ってみませんか?暗室でのモノクロ現像も同時に行います。親子での参加もOK! 夏休みの宿題にもどうぞ。

日時8月4日(日)10:00~15:00 

講師:当館学芸員

参加費:1,000円(入館料を含む)/ 友の会・会員は無料

定員10名/ 要予約

 

レンズとなる針穴を開けます

ピンホールカメラの前に被写体を置いて、撮影します

初めての暗室作業

2018年夏に参加された小学生の作品です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

K・MoPAチャリティ・ライブ2019

ピーター・バラカン Live DJ

「ロバート・フランクの写真・アメリカ・それから」

日時:9月21日(土) 14:00~16:00(途中休憩あり)   

会場:清里フォトアートミュージアム・音楽堂

出演:ピーター・バラカン(ブロードキャスター)

ピーター・バラカン

独自の視点と音楽観で世界の多様な音楽を紹介しているピーター・バラカンさん。バラカンさんが、ロバート・フランクの名前を初めて知ったのは、ローリング・ストーンズが1972年にリリースしたアルバム「メインストリートのならず者 (Exile On Main Street)」のジャケット写真でした。その後、フランクの写真集『アメリカ人』を見て、「アメリカを、アウトサイダーの目で、とても詩的な感性で観察した写真」に、さらに印象を深めたとか。

「レコードというものは、時間の流れの一瞬や、ある時点のスナップ・ショットのようなもの」と言う バラカンさん。写真もレコードも、アーティストが生み出す“ワンシーン”であり、繰り返し楽しむことができ、見る・聴く度に新しいイメージを描き出してくれるものではないでしょうか。

本展展示の作品には、店のウィンドウに飾られたレコードなど、当時の音楽の気配も写し込まれています。実際にどのような音楽が愛されていたのか、また、バラカンさんが、ロバート・フランクの写真からインスピレーションを得た曲をセレクトし、写真、音楽、時代が様々に交差する世界をナヴィゲートしていただきます。

本チャリティの収益は、世界で活躍する写真家・井津建郎が創設し、当館が支援する「ラオ・フレンズ小児病院」(ラオス)と、東日本大震災の被災者支援団体「むすびば」(山梨)に寄付します。

 

参加費:  一般 2,000円(入館料を含む) 小中学生は無料   友の会・会員は無料

要予約:  定員 100名 / 全席自由

お申し込み8月1日(木)より受付開始  info@kmopa.com まで

お申し込みはメールのみにて承ります。

お申し込みは、お一人様2枚までとさせていただきます。

申し込み先着順で、定員になり次第締め切らせていただきます。

予約メールには、下記の必要事項をご記入くださいますようお願いいたします。

件名:チャリティ・ライブ予約

予約人数(2名まで):

代表者の御名前:

緊急時のご連絡先(携帯など):

当館からの返信先メール・アドレス(予約メールとアドレスが違う場合):

ピーター・バラカン プロフィール

1951年ロンドン生まれ。ロンドン大学日本語学科を卒業後、1974年来日。音楽出版社の著作権業務に就く。1986年よりフリーのブロードキャスターとして活動し、現在「ウィークエンドサンシャイン」(NHK-FM)、「Barakan Beat」(InterFM)、「ライフスタイル・ミュージアム」(Tokyo FM)、「ジャパノロジー・プラス」(NHK BS1)をはじめ多くのテレビ、ラジオ番組に出演している。 2014年からは、自身が監修する都市型の音楽フェスティバル「Live Magic」も開催。主な著書に『ロックの英詩を読むー世界を変える歌』(集英社インターナショナル)、『魂(ソウル)のゆくえ』(アルテスパブリッシング)『ぼくが愛するロック名盤240』(講談社+α文庫)などがある。http://peterbarakan.net/

次回展示 

山本昌男「手中一滴」(仮題)

Yamamoto Masao: Microcosms Macrocosms

会期:2019年10月5日(土)~12月8日(日)

2018年度ヤング・ポートフォリオ展

Young Portfolio Acquisitions 2018

 
会期:2019年3月21日(木・祝) ~ 6月16日(日)

選考委員:川田喜久治、上田義彦、細江英公(館長)

東欧からアジア、日本まで、2018年度収蔵作品など全171点を一堂に展示

 

ヤング・ポートフォリオ (YP) とは、世界の若手写真家を支援するために、彼らの「原点」となる貴重な初期作品を購入・収蔵し、後世に残す活動です。毎年一度、同名の公募を行っています。

ヤング・ポートフォリオ(YP)とは、当館の理念の一つであり、「写真を通して世界の若者を支援する」ことを目的とする文化貢献活動です。毎年、世界の35歳までの若手写真家の作品を公募し、第一線の写真家による厳正な選考を経て、 若手写真家の「原点」となる貴重な初期作品を購入・収蔵し、後世に残す活動です。 選考された作品を、美術館が永久保存するという、コンテストと異なる性格を持つ本活動は、世界でも他に類をみないものです。(2004年、公益社団法人・日本写真協会より文化振興賞を受賞)

YPは、当館開館の1995年度より継続して行っており、2018年度は第24回となります。これまで世界74カ国から10,356人、133,340点の作品が応募され、そのなかから、45カ国の785人による6,105点の作品を購入いたしました。

なぜ35歳なのか ー 芸術における青年期の意義を問う

芸術家は、青年期に強い意志と情熱をもって試行錯誤を重ねることにより、才能・資質が高められ、作品のクオリティが磨かれます。研鑽を積んだ作家の多くは、おのずと30代には自己のスタイルを確立し、代表作となる作品を生みだしています。青年の原点とも言うべき作品が、表現の領域を開拓し、歴史を築いてきました。そこには永遠の輝きがあります。

YPとコンテストの違いは?

作家の世界観や芸術性を表現するポートフォリオ(作品集)となるように、 1枚だけでなく、複数の作品を収蔵することが特徴です。また、通常コンテストの入賞は1度限りですが、YPは、35歳まで何度でも応募することができます。20代から35歳まで何度も収蔵することができれば、作品の展開や作家の成長を見守り、応援することが可能となるからです。

写真家の成長とともに世界へ伸展するYP?

これまで作品を収蔵してきた写真家のなかには、めざましい成長をとげ、土門拳賞や林忠彦賞、木村伊兵衛賞など内外の様々な賞を受賞する写真家が誕生し、また東京造形大学、大阪芸術大学、九州産業大学などにて、後進の育成にあたるなど、多くの優秀な写真家が誕生しています。

2014年には、東京都写真美術館にて清里フォトアートミュージアム開館20周年記念展「原点を、永遠に。」展を開催。世界34カ国の197人(YPのみ)による約500点を展示し、世界を俯瞰しながら、写真表現の多様さを展望する展覧会を行いました。さらに、芸術における青年期の意義を問うという理念を明確に表現するべく、2018年、再び東京都写真美術館において、「原点を、永遠に。ー2018ー」を開催いたしました。同展は、当館が収蔵する全写真家の青年期(35歳まで)の写真のみを展示したもので、会期前半は<歴史篇>として撮影年代順(1898年~2017年)に展示、後半は<作家篇>として、作家名をABC順に展示しました。ヤング・ポートフォリオの作品だけでなく、写真史における重要な作品を多数含むこの展覧会は、一部再構成のうえ、2018年6月、国立台湾美術館に巡回。同館の開館30周年記念特別展「起始・永遠」として開催され、成功裏に終了いたしました。

YPの見どころ

作品選考は、当館館長のほか、YPの理念にご賛同いただいた現役写真家2名が行います。それぞれの写真家が手がける写真のジャンルは多様ですが、表現意欲の強さ、視点の明確さなどが基準となるため、担当する選考委員によって何らかの“傾向”が生まれるということはありません。若い才能に未来を託す思いで選考し、3名の選考委員全員が合意した作品を収蔵します。特に近年応募の多いロシア、ポーランドなど東欧の国々、アジアでは中国、韓国、台湾、バングラデシュなど、世界のさまざまな地域の持つ特徴、多様な芸術性、そして、世界の若者が捉えた<いま>を俯瞰して見ることができます。

 

■■■■■?2018年度ヤング・ポートフォリオ(第24回)データ■■■■■

選考委員:川田喜久治、上田義彦、細江英公(館長)

作品募集期間:2018年4月15日~5月15日

応募者数:199人(世界21カ国より)

応募点数:4573点

購入者数:18人(国内9人・海外9人 / 8カ国)日本/バングラデシュ/ベラルーシ/中国/韓国/台湾/ポーランド/ロシア

購入点数:131点(全作品を展示いたします)

1995年度から2018年度までに作品を収蔵した作家の総数:785人(45カ国)6105点

 
 

■■■■■ YP2018の見どころ ■■■■■

■YP2018で作品収蔵した最年少は2001年生まれ・17歳・・・親子二代にわたる受賞者が誕生

友長光明《狗(いぬ)》2017(全4点を収蔵)

YPは、ともすると「レベルが高く、応募を踏みとどまってしまう」という声が聞こえてくる一方で、10代からも応募があります。YP2018で作品収蔵した最年少は10代・2001年生まれで17歳(応募当時)の友長光明です。友長氏の作品について、川田喜久治選考委員も「こういう野性のままを伸ばしてほしい」とコメント。重要なのは、技術面だけではなく、写真表現にかける強い意欲、誰も見たことのない、自分ならではのイメージを提示しようと、高みを目指すエネルギー。そこに年齢は関係ないのだということが明らかとなりました。今後も多くの若い才能が集うことを期待しています。

なお、友長光明の父・友長勇介は、YPで2000、2001、2003年の3回にわたり作品を収蔵しています。YPを23年間継続して行って来たなかで、親子での 受賞という嬉しい結果が初めて生まれ、YPが“二世代”にわたった記念すべき年となりました。

 

■ 30年前チェルノブイリにて被爆したフィルムを使用・・・新進フォトジャーナリストの挑戦

小原一真(日本、1985)《Exposure》2015(全8点を収蔵)

小原一真は、従来のフォトジャーナリストとは異なるアプローチによる作品を発表している写真家です。2015年から2年間チェルノブイリ原子力発電所事故の影響を受けた女性の半生を描くプロジェクト「Exposure」に取り組んでいました。小原は、チェルノブイリから1キロ地点で、事故が起こった1986年からずっと放射能に曝されていた未使用の中判フィルムを入手。使用期限も91/92年に切れていたこのフィルムを使って、被爆の後遺症に苦しむ女性を撮影したのがこの作品です。被爆という健常者からは想像しづらい“不過視の障がい”を表現したこのプロジェクトは、世界報道写真大賞(WORLD PRESS PHOTO)2016「人々」の部の一位を受賞し、世界45カ国にて展示されました。本展では8点を展示いたします。

 
 

同時展示:過去のYPにて収蔵した作品+3人の選考委員の初期作品各5点

先に申し上げたとおり35歳まで何度でも継続して作品を収蔵するのが、YPの大きな特徴です。実際にYP2018にて収蔵した作家全18人のうち、6人が過去のYPでも作品を収蔵しています。彼らがどのようにシリーズを発展させ、視点を深めているのかをご覧いただくため、約50点を同時に展示いたします。最新作とあわせてご覧ください。また、3人の選考委員の初期作品、すなわち“選考委員のヤング・ポートフォリオ作品”も全15点を同時に展示いたします。

選考風景 / 左から上田義彦氏、川田喜久治氏、細江英公(館長)

 
■川田喜久治(日本、1933)

1955年、新潮社に入社。1959年、フリーランスとなり、細江英公、東松照明らとともに写真家のセルフエージェンシー「VIVO」に参画(1961年解散)。1965年発表の写真集『地図』は、戦中戦後の日本人の記憶と未来を示唆する作品として、全頁が観音開きというデザインとともに大きな話題を呼び、世に衝撃を与えた。その後の作品ではカタストロフィな世界を展開。1990年代以降はいち早くデジタル技術を駆使し、新たなドキュメンタリー・ヴィジョンを構築している。

上田義彦(日本、1957)

日本を代表する広告写真家として内外の広告賞を多数受賞。同時に作家活動を行い、その作品群は国内外から高い評価を得ている。2011年より2018年まで「Gallery 916」を主宰し、企画、展示、出版をトータルでプロデュース。人物、花、家族、標本、原生林など幅広い被写体を撮影してきた35年間の写真家活動の集大成として、2015年に『A Life with Camera』 を上梓した。特に、1989年にネイティブアメリカンの聖なる森・クウィノルトにて“森”に魅了され、以来三つの太古の森の姿を30年にわたり撮影。生命の根源を見つめた『FOREST 印象と記憶 1989-2017』を2018年に上梓した。

細江英公(日本、1933)

舞踏家・土方巽を被写体とした「鎌鼬」や、三島由紀夫を被写体とした「薔薇刑」(1963)など、特異な被写体との関係性から紡ぎ出された物語性の高い作品により戦後写真の転換期における中心的な存在となる。東京工芸大学名誉教授。1995年より当館初代館長。2003年、「生涯にわたり写真芸術に多大な貢献をした写真家」として英国王立写真協会より創立150周年記念特別勲章を受章したほか、2010年、文化功労者。2017年、写真家として初めて生前に旭日重光章を受章した。

 
 

■■■■■ YP2018作品購入作家 ■■■■■

★は過去のYPにおいても作品収蔵した作家を示します。
★indicates photographers whose work has been acquired in previous years.

 
1 ■K.M. アサド(バングラデシュ、1983) ★
K.M. ASAD (Bangladesh, 1983)

Rohingya Exodus(ロヒンギャ難民の大脱出)2017(全9点収蔵)

 
2 ■浅田周麻(日本、1991)
ASADA Shuma (Japan, 1991)

界(Border) 2016
(全6点収蔵)

 
3 ■平野 聡(日本、1983) ★
HIRANO Satoshi (Japan, 1983)

RECONSTRUCTION Shibuya, 2014-2018, 2017(全4点収蔵)

 
4 ■ホアン・ユイシュ(台湾、1994)
HUANG Yu-Hsiu (Taiwan, 1994)

Hoarders(溜め込む人々)2018(全12点収蔵)

 
5 ■アリョーナ・カハノヴィチ(ポーランド/ベラルーシ、1985)
Alena KAKHANOVICH (Poland/Belarus, 1985)

Self-portrait in the garden(ガーデンでのセルフポートレイト)2017(全5点収蔵)

 
6 ■キム・キュンボン(韓国、1992)
KIM Kyung Bong (Korea, 1992)

adjustment mechanism(適応のメカニズム)2011(全10点収蔵)

 
7 ■児玉和也(日本、1993)
KODAMA Kazuya (Japan, 1993)

wrap, 2018(全4点収蔵)

 
8 ■黒石千歳(日本、1985)
KUROISHI Chitose (Japan, 1985)

Silent Dialogue: An apple, 2015(全3点収蔵)

 
9 ■イ・ジョンウン(韓国、1984)
LEE Jonghun (Korea, 1984)

Beyond the Wall(塀の向こう)2014(全10点収蔵)

 
10■中 悠紀(日本、1991) ★
NAKA Yuki (Japan, 1991)

50+1 years, 2017(全8点収蔵)

 
11■小原一真(日本、1985)
OBARA Kazuma (Japan, 1985)

Exposure, 2015(全8点収蔵)

 
12■リュウ・イカ(中国、1994)
RYU Ika (China, 1994)

大人になりたい (Sometimes I feel like a child) 2016(全6点収蔵)

 
13■高島空太(日本、1988) ★
TAKASHIMA Kuta (Japan, 1988)

無題、2017(全2点収蔵)

 
14■トミモとあきな(日本、1987)
TOMIMO+AKINA (Japan, 1987)

マモノ(MAMONO) 2017(全6点収蔵)

 
15■友長光明(日本、2001)
TOMONAGA Koumei (Japan, 2001)

狗(いぬ)2017(全4点収蔵)

 
16■宛超凡(中国、1991)
WAN Chaofan (China, 1991)

水辺にて(By the Water) 2012(全9点収蔵)

 
17■ピョートル・ズビエルスキ(ポーランド、1987)★
Piotr ZBIERSKI (Poland, 1987)

Untitled from Echoes Shades series(無題「木霊・翳」シリーズより)2018(全13点収蔵)

 
18■アリョーナ・ランダーロワ(ロシア、1988) ★
Alena ZHANDAROVA (Russia, 1988)

The girl in a net(網をかぶった少)2011(全12点収蔵)

 
 

■■■■■関連印刷物&YPデータベース■■■■■

YP2018小冊子(A5サイズ、32ページ)

各作家の作品数点、選考委員による対談や作品へのコメントを掲載。来館者には無料で配布いたします。

YPデータベースには、過去20年余にわたる世界の若手写真家による収蔵作品画像のほか、作家略歴、アーティスト・ ステートメントを掲載しています。作家名、収蔵年、国籍などで検索することができます。 様々な調査・研究の対象としてもご利用いただければ幸いです。当館のウェブサイトwww.kmopa.com → YOUNG PORTFOLIO → YPデータベース

 
 

■■■■■YP2018公開レセプション & アーティスト・トーク■■■■■

YP2017(昨年)の公開レセプションでの集合写真(前列左からYP2011,12選考委員の鬼海弘雄氏、YP2017選考委員クー・ボンチャン氏、細江館長、YP1995,2014,2015選考委員の森山大道氏)

 
5月25日(土) 午後2時~4時 講評:川田喜久治、上田義彦、細江英公(館長)

入館料のみ / 定員なし / 要予約 / どなたでもご参加いただけます。

会場:清里フォトアートミュージアム・エントランスホール

当日出席する作家には、作品永久保存証書を授与した後、作家自身によるトークと、3人の選考委員による講評を行います。若手写真家にとっては、第一線で活躍する選考委員から直接講評を受けられる貴重な機会となります。

自作についてスピーチするピョートル・ズビエルスキ(ポーランド)

 
 

■■■■■ 作品募集:2019年度ヤング・ポートフォリオ(第25回)■■■■■

 今できる限りのものを見せてほしい。

 今の挑戦が未来のあなたを強くする。

 
2019年度選考委員:川田喜久治、都築響一、細江英公(館長)

●Web登録受付期間 & 応募作品受付期間2019年4月15日~5月15日

●応募要項の概要・応募資格は35歳までを上限とします。(1984年1月1日以降に生まれた方)

●既発表・未発表を問いません。他のコンテストへの応募作品・受賞作品も応募可能です。

●作品の表現、技法は問いませんが、永久コレクションのため、長期保存が可能な技法であること。

●選考された作品は、1点につき3万円以上で購入します。

詳しい応募要項は:www.kmopa.com/yp_entry

 
 

■■■■■2019年の展示■■■■■

ロバート・フランク展 ー もう一度、写真の話をしないか。

Robert Frank – Why Don’t We Talk About Photography Once Again?

会期:2019年6月29日(土)~9月23日(月・祝)

山本昌男「手中一滴」(仮題)

Yamamoto Masao: Microcosms Macrocosms

会期:2019年10月5日(土)~12月8日(日)

台湾写真交流展 島の記憶 – 1970~90年代の台湾写真

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Looking Back: Taiwanese Photographers’ Island Gazes 1970s-1990s

会期:2018年7月7日(土) ~ 12月2日(日)

日本と台湾、写真交流100年の結晶 

現代台湾を代表する写真家11人の作品を日本初公開

主催・会場:清里フォトアートミュージアム 

共催:国立台湾美術館、 台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター

後援: 中華民国文化部

助成:真如苑 社会貢献基金 助成事業          

 

    

 

 

 

 

多彩な島々から成る変化に富んだ島 ― 台湾。アジアの中でも、写真文化の発展が著しい台湾を代表する11人の現代写真家による展覧会を開催いたします。台湾の1970~90年代は、戦後38年にわたる戒厳令の時代を経て、民主化へ向かう“湧き上がる時代”と呼ばれています。この間の政治的な変化は、台湾における写真表現にも大きな影響を与えました。11人の写真家は、この時代の人々をどのように凝視したのか。様な民族と社会現象を深く見つめ、郷土愛に貫かれたその眼差しは、台湾の文化的アイデンティティの貴重な記録であると同時に、表層下に潜む熱気と新しい“台湾意識”を伝えています。本展のほぼすべての作品が日本および台湾において初公開の作品です。(152点)

本展キュレーター:張照堂・沈昭良

陳傳興(チェン・チュアンシン)《蘆洲》1973-74年
Cheng Tsun-Shing

張照堂(ジャン・ジャオタン)《歳月の旅》1990年
Chang Chao-Tang

 

 

阮義忠(ルァン・イージョン)《優雅さの喪失》1979年
Juan I-Jong

 

林柏?(リン・ボーリャン)《余温》1987年
Lin Bor-Liang

林國彰(リン・グォジャン)《客家の出会い1995》1995年
Lin Kuo-Chang

 

謝春徳(シェ・チュンダー)《故郷》1985年
Hsieh Chun-Te

 

 

 

 

 

 

 

謝三泰(シェ・サンタイ)《膨湖の印象》1991年
Hsieh San-Tai

何経泰(ホー・ジンタイ)
《都市の底辺》1985年
Ho Ching-Tai

劉振祥(リュウ・ゼンシャン)《民主主義の風景》1986年
Liu Chen-Hsiang

 

 

 

 

 

張詠捷(ジャン・ヨンジェ)《顔に刺青のあるタイヤル族の長老》1992年
Chang Yung-Chieh

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

潘小?(パン・シャオシャー)《ルポルタージュ蘭嶼》1985年
?Pan Hsiao-Hsia

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■会期中のイベント&ワークショップ

■アーティスト・トーク?

本展キュレーター:張照堂・沈昭良ほか

日時: 7月7日(土) 14:00~15:00?  会場:展示室

ピンホールカメラ・ワークショップ

身近にある材料で、レンズが無くても写るピンホールカメラを作ってみませんか?暗室でのモノクロ現像も同時に行います。親子での参加もOK!? 夏休みの宿題にもどうぞ。

ピンホールカメラをセットして

暗室にて初めての現像!

レンズのないピンホールカメラでもこんなにシャープに撮れます!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日時8月12日(日)と8月13日(月) 両日とも 10:00~15:00

参加費:1,000円(入館料を含む)/ 友の会・会員は無料

定員10名/ 要予約

K・MoPAチャリティ・ライブ2018

Afternoon Classic ~ フォルテピアノで聴くハイドンの歌曲

日時:9月16日(日) 14:00~15:00   会場:清里フォトアートミュージアム エントランスホール

出演杉本周介(フォルテピアノ) 原謡子(ソプラノ)

 

 

 

 

 

 

フォルテピアノは昔の時代のピアノです。初期鍵盤楽器奏者の杉本周介が、ハイドン時代の楽器を基に復元されたフォルテピアノで当時の音色を再現します。ソプラノの原謡子による歌とともにお楽しみください。ハイドンや当時の音楽事情にまつわる楽しいトーク付きのコンサートです。

杉本周介プロフィール

 

高校卒業後米国東ワシントン大学に留学、ピアノを故ディヴィッド・ロストコスキ博士、作曲をディヴィッド・ジョーンズ博士に師事。1992 年渡欧し、スイスのバーゼルにてチェンバロをヨルク-アンドレアス・ベッティヒャー氏、オルガンをマッシミリアーノ・ラシェッティ氏に、またオランダのデンボス市にてバロック音楽理論をローランド・ディンゲン氏に学ぶ。国内では、チェンバロを故芝崎久美子氏、風間千寿子氏に学ぶ。古楽アンサンブル「コントラポント」「東京古楽団」「山梨バッハアカデミーバロックオーケストラ」等で通奏低音奏者を務める。音楽史に基づく楽しいトークを交えたコンサートを行なっている。現在八ヶ岳の麓に在住し、畑を耕したり森を歩く日々を過ごしながら、国内各地で独奏及び通奏低音奏者としての活動の他、種々の鍵盤楽器の指導も行っている。

原謡子プロフィール

東京学芸大学芸術専攻卒。中世、ルネサンス、バロックから古典派の歌曲を中心に演奏活動を行っている。2013年レオナルド・ダ・ヴィンチ考案の幻の楽器ヴィオラ・オルガニスタの制作発表でデモンストレーション演奏、花井哲郎氏率いる中世アンサンブル「マカロン」、古楽アンサンブル「コンチェルト・ソスピーリ」、「はらむら古楽祭」(2016~2017)にて古楽アンサンブル「コントラポント」と共演、そのほか多数の古楽コンサート、古楽合唱団演奏会などでソリストを務める。そのクリアで澄んだ歌唱には定評があり、イギリス民謡をテーマとしたCD「雪下の水音」、「The Scenery of Old Songs」などを録音。古楽歌唱を花井哲郎氏に学んだほか、波多野睦美氏、クラウディオ・カヴィーナ氏、ドロン・シュライファー氏の指導も受ける。古楽関連の企画運営事務局「Musica Rosetta」代表。

 

 

 

本チャリティの収益は、世界で活躍する写真家・井津建郎が創設し、当館が支援する「ラオ・フレンズ小児病院」(ラオス)、東日本大震災の被災者支援団体「むすびば」(山梨)に寄付します。

参加費:一般2,000円(入館料を含む) 小・中・高校生は無料   友の会会員は無料  要予約 / 定員70名 / 全席自由

■プラチナ・プリント・ワークショップ

プラチナ・プリントは、古典技法のひとつで、優美な色調と高い保存性が特徴です。当館では、<永遠のプラチナ・プリント>を基本理念のひとつに掲げており、作品の収集だけでなく、技法の継承を目指して、毎年プラチナ・プリント・ワークショップを開催しています。フィルムを使用し、手作りの印画紙に写真を焼き付け、現像するという写真の原点を体験することで、写真の新しい見方や、表現世界の広がりを得ることができるでしょう。「暗室作業は初めて」という方も「作品制作に取り入れたい」という方にも、細江賢治講師が丁寧に指導します。

 

館内のスタジオで、大型カメラでポートレイトを撮影します

用紙に置いて、ネガフィルムの位置を決めます

感光乳剤を塗り、印画紙を作ります

現像液を流し込みます

仕上がりをチェック

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日時10月20~21日(土・日、2日間)

*当館収蔵作品鑑賞、スタジオでのポートレイト撮影を含む

師:細江賢治(写真家)

参加費:30,000円(入館料を含む)友の会・会員は27,000円 定員8名

K・MoPAで星をみる会

星が良く見えることでも知られる清里。晩秋の日没時、野辺山宇宙電波観測所・梅本先生のお話を聞きながら、三日月、土星、火星を一緒にご覧になりませんか? 雨天の場合はレクチャーのみとなります。

北斗七星

日時11月11日(日)17:00~19:00

講師:梅本智文(国立天文台? 野辺山宇宙電波観測所 助教)

参加費:1,000円(入館料を含む)高校生以下、友の会・会員は無料 定員15名

 

 

 

 

 

■会期中の無料デー

●7月7日(土) 開館記念日

●7月22日(日) 親子の日

★親子の日とは・・・7月の第4日曜日 年に1度、親と子がともに向かい合う日があったっていい。その日を通じて、すべての親子の絆が強められたらすばらしい。そんな願いを込めて、2003年に、米国人写真家ブルース・オズボーン氏の呼びかけで始まったのが「親子の日」です。

●8月11日(土・祝) 山の日

●11月8日(木)  八ヶ岳の日

●11月20日(火) 山梨県民の日 *開館

 

 

 

 

 

 

 

 

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