7月, 2014 Toggle

ロベール・ドアノーの写真 パリ・アルプス・幸せな時間

Robert Doineau: Paris – les Alps, le temps de bonheur

会 期:2014年7月5日(土)~9月29日(月)
休館日:毎週火曜日(火曜祝日の場合は開館)、7月5日~9月1日まで無休
主 催:清里フォトアートミュージアム
後 援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本

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協 力:アトリエ・ロベール・ドアノー、エールフランス航空
企画協力:コンタクト

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■本展覧会について
このたび清里フォトアートミュージアムは、「ロベール・ドアノーの写真:パリ・アルプス・幸せな時間」を開催いたします。
ロベール・ドアノーは、1994年の没後もなおフランスを代表する写真家の一人として広く愛されている写真家です。市井の人々のかけがえのない一瞬や、心に沁み入る瞬間をとらえる類希な洞察力と、遊び心に満ちた感覚で、フランスでは「イメージの釣り人」と評されています。また、日常のドラマを写真に紡ぎ、独自の世界を築いた写真家として、時代や国境を越えて、人々を魅了し続けています。代表作の中でも《パリ市庁舎前のキス》(1950年)は、世界で最も良く知られた写真の一枚でしょう。
ドアノーは、生涯で約45万点のネガを残しましたが、近年は、その膨大なアーカイヴから、様々な新機軸による展覧会・出版によって再評価の気運が高まっています。

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《パリ市庁舎前のキス》1950 ⒸAtelier Robert Doisneau/Contact

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《ホテル・ユンブロ、ラフレー》1957


ロベール・ドアノー 
Robert Doisneau (1912−1994)
1912年パリ郊外のジャンティイに生まれる。エコール・エスティエンヌで石版を学び、写真家アンドレ・ヴィニョーの助手となる。1932年、初のルポルタージュ「蚤の市」が『エクセルシオール』紙に掲載される。その後、ルノー社のカメラマンなどを経て、1939年フリーとして活動を開始。1949年から51年まで『ヴォーグ』誌の契約カメラマンとして、ファッション写真や社交界を撮影。特にパリの庶民たちの日常をとらえた写真で高い評価を得、1951年にはニューヨーク近代美術館で開催された「5人のフランス人写真家」展に、アンリ・カルティエ=ブレッソン、ブラッサイ、ウィリー・ロニ、イジスとともに出品作家に選ばれる。1974年、アルル国際写真フェスティバルの特別招待作家となる。1982年、オックスフォード近代美術館(英国)で大回顧展「ロベール・ドアノーに捧げる」開催。2000年、「パリ市庁舎前のキス」撮影50周年を記念して、パリ市庁舎前広場に大型プリントが展示される。2012年、生誕100周年を記念して世界各地で多数展覧会が開催される。ニエプス賞(1956年)、仏国内写真大賞(1983年)など受賞多数。1994年逝去(享年82歳)。

2012年、フランス・グルノーブルのギャップ美術館において、同美術館とドアノーの遺族の監修による展覧会「ドアノーのアルプス」(Les Alps de Doisneau)が開催されました。この展覧会は、ドアノーの愛娘アネット・ドアノーとフランシーヌ・ドゥルーディル監修によるもので、膨大なアーカイヴから、ヴァカンスのメッカ・アルプスを主題とした、ドアノー若き日の未発表作品で構成された展覧会でした。
ギャップ美術館には、3ヶ月の会期中に40万人が訪れ、同美術館創立以来の記録だった「ジャコメッティ」展を抜き、大きな話題となりました。

本展覧会は、グルノーブルで行われた「ドアノーのアルプス」展に加え、 日本巡回展のために、清里フォトアートミュージアム所蔵のドアノーの代表作の中から30点、そしてドアノーが愛娘や動物たちを撮影した写真をもとに制作した子どものための写真絵本『1、2、3、4、5 遊びながら数えよう』のヴィンテージ・プリントを加え、全164点で構成した展覧会です。「ドアノーのアルプス」も写真絵本もフランス 国外で展示されるのは日本が初めてとなります。

アルプスは、ドアノーにとって、どのような場だったのでしょうか?
ドアノーは、まだ弱冠24歳だった1936年、新婚の妻とともに、パリっ子たちのヴァカンス場として人気のスキーリゾート・メジェーヴを訪れています。その後、家族旅行や、後にヴォーグ誌のためのファッション撮影や、車(シムカ・アロンド)の広告写真、モーリス・バケ(俳優、登山家でもあり、スキーもプロ級だったチェリスト)のポートレイト撮影のため、また、羊の季節移動を撮影したルポルタージュなど、たびたびアルプスを訪れました。アルプスはパリとは全くことなるフォトジェニックな魅力に満ちた創作の場でした。そして、若き写真家が撮影に熱中し、“写真”と葛藤した大自然のスタジオだったのです。

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《小さいミシェルの夢 メジェーヴ》1936

HP2_4.モーリス・バケ、キノコ岩の上で、シャモニー、1957年

《モーリス・バケ、きのこ岩の上で、シャモニー》1957


清里は
、八ヶ岳南麓の標高1000メートル地点に位置し、八ヶ岳、南アルプス、そして富士山を見渡すことができます。夏はさわやかな高原の風、冬はスキーと、首都圏から近い“ヴァカンス”の地として半世紀にわたり愛されてきました。清里フォトアートミュージアムは、八ヶ岳の豊かな自然に囲まれ、じっくり作品との時間を過ごしていただける環境にございます。
初期作品から代表作まで、ドアノーが愛した数々の“幸せな時間” ― 多くの未発表作品に見る巨匠の新しい一面に再び魅せられることでしょう。

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《母親に返される子羊、移牧》1958

 

■展示構成
第1部:山のヴァカンス  メジェーヴ、チロル、シャモニー(1936-59年)  24点
第2部:ファッションと広告(1950−57年)                 6点
第3部:ラフレーのヴァカンス(1956−64年)               15点
第4部:シャモニーとモーリス・バケ(1957−67年)            17点
第5部:掲載誌、ドアノー家のクリスマスカード  (1936−63年)         8点
第6部:サン・ヴェラン(ケイラス)オート・アルプス(1947年)      18点
第7部:羊たちの移牧(1958−59年)                   12点
第8部:ドアノーのパリ(1932−59年)                  34点
第9部:1、2、3、4、5  遊びながら数えよう(1954年)         14点


本展の見どころ:
ドアノーの展覧会は、これまでも日本国内にて行われてきましたが、本展は、代表作に加え、若き日の未公開作品や、家族を被写体としたプライベートな写真、またフリーランスの写真家として「これから」という時期に夢中になって撮影したアルプスの写真や、愛情溢れる父親としての眼差しを見ることができる点です。
清里フォトアートミュージアムでは「ヤング・ポートフォリオ」と題し、35歳までの世界の若手写真家を支援する企画を行っています。本展では、展示作品の多くが35歳までに撮影されたものであることにぜひご注目いただきたいと思います。代表作のひとつである《牛乳を買いに行く子どもたち》はドアノー20歳の作品であり、またアルプスのスタイリッシュな作品は24歳の時のものです。これらの作品には、写真家の原点となる視点が、20代ですでに確立 《牛乳を買いに行く子ども されていることが見てとれます。

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《牛乳を買いに行く子どもたち》1932

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《ピカソのパン》1952


日本初公開!

ドアノー家のクリスマスカード:ドアノーは、毎年娘たちの写真をクリスマスカードにしていました。本展では、そのオリジナルを展示いたします。

写真絵本『1, 2, 3, 4, 5 遊びながら数えよう』は、愛娘たちをモデルに作った子どものための写真絵本です。(原題Compter en s’amusant、1955年発行)

日本巡回展にあたっては、グルノーブルで展示されたアルプスの作品に加えて、ドアノーの代表作であるパリの日常やピカソやジャコメッティなど芸術家たちのポートレイト(当館所蔵)を展示いたします。さらに、“家族のヴァカンス”という文脈から、ドアノーの愛娘たちや動物たちを撮影した写真をもとに、子ども向けの写真絵本として1956年に出版された『1,2,3,4,5 遊びながら数えよう』のヴィンテージ・プリントを展示いたします。常に深い愛情を持って被写体に接したロベール・ドアノーの愛と思索に満ちた世界をどうぞご堪能ください。

HP11_1,2,3,4,5キャプションHP12_2匹の子猫

HP13_ブティエの教会前のフランシーヌと8個の風船

『1,2,3,4,5 遊びながら数えよう』1954
《プティエの教会前のフランシーヌと8個の風船》

 

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