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<井津建郎「インド — 光のもとへ」展:ここに注目その③粒子の見えないゼラチン・シルバー・プリント>

モノクロのネガから現像されたプリントを良くご覧いただくと、細かい粒子が見えています。しかし、展示中の井津の作品は粒子が見えない・・・その理由は、井津のモノクロプリントの原板となっているのが、モノクロフィルムではなく、カラーフィルムであり、ネガカラー現像したネガをモノクロ印画紙に焼き付けているからなのです。可能な限り簡単な説明をいたしますと、カラーフィルムは、光の3原色である青、緑、赤の波長を吸収する色素で画像が作られており、見た目には粒子が見えないのです。

井津は、イルフォード社のフィルム「XP2」を使用しており、「C41」(ネガカラー現像液)で現像し、イルフォードのモノクロ印画紙「マルチグレードFBウォームトーン」にプリントしています。

この技法のノウハウと現像液は、写真家リー・フリードランダーとの共通の友人が手配してくれているそうです。フリードランダーは、コントラストの低い、明るいグレーが特徴のモノクロ作品で知られています。ちなみに、リー・フリードランダーの義理の息子である写真家レオ・ルービンファインも同じ現像液を使用しているそうですが、希釈度が異なるとのこと。アメリカでは、写真家が自分の技法をワークショプなどで公開することが特に頻繁に行われています。写真家同士でノウハウをオープンにし、学び合うという寛容な精神が根付いているのです。

インド・ブリンダバンにて撮影中の井津建郎。

インド・ブリンダバンにて撮影中の井津建郎。

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