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ニュースレターvol.3<特集> 2012度選考委員・鬼海弘雄氏による講評ダイジェスト

毎年世界中から約5000枚もの作品が応募され、第一線で活躍する3名の写真家が購入を決めるヤング・ポートフォリオは、35歳を応募の上限としています。購入となった作家にとって、ゴールではなく、むしろスタートラインです。K・MoPAは情熱に溢れる若手写真家へのエールを込めて、永久コレクション証書授与式にあわせて公開講評会を設定しました。購入作家が自作の前で撮影の経緯や意図を説明し、選考委員が作品について選評する形です。「2012年度YP公開レセプション」での、選考委員・鬼海弘雄氏による、今村拓馬氏、石倉徳弘氏、武田充弘氏への講評を掲載しています。鬼海氏は、写真を撮ることの意味や写真家としての姿勢を踏まえながら、鋭い視点をもって賞賛と激励、アドバイスを送っています。

ニュースレターvol.2<特集> ERIC×大竹昭子 トークセッション

「FLASH! FLASH! FLASH! エジャートン博士、O.ウィンストン・リンク、ERICの写真」
に際して、東京のJCIIフォトサロンにてERICと文筆家の大竹昭子氏によるトークセッションを開催しました。そのダイジェストを掲載しています。

大竹:ERICがスナップショットにこだわる理由は何ですか?
ERIC:単純ですが、人間の生々しくてリアルなところにとても興味を持っていて、それをスナップ写真で表現したい。人間は60億人いるけれど、同じ人は一人もいないという面白さですね。中国から始まって他の処も撮りたいと思っています。
大竹:フラッシュは、スナップショットの速度をさらに上げて時間を瞬間冷凍する手法ですが、それによって何が極まったのでしょう。
ERIC:フラッシュをたくことによって、その時その場所に、撮った相手が居たようにリアルに感じられたら一番良いと思ったのです。フラッシュがないと相手との一体感が感じられない。
大竹:光った瞬間に撮り手と対象が一体となるということですね。その共有感覚はフラッシュをたかない限りは来ないと。
ERIC:そうです。(抜粋)

ニュースレターvol.1<特集> 鬼海弘雄、都築響一、細江英公が語る「2011年度ヤング・ポートフォリオ」

2011年度YPの募集を行った4月は、3月11日に発生した東日本大震災の直後であり、日本中が大混乱の中にありました。そうした状況下、例年通り世界31カ国から310名による7589枚の応募があったことは奇跡的とも言えました。作品選考後、3人の選考委員からは、応募作品のレベルの高さへの驚きと同時に、若い写真家たちを叱咤激励する厳しいご意見もいただきました。その一部を掲載しています。

細江:今年は全体的にやや保守的で実験的な作品は少なかったですね。自分の頭の中の世界を表現するするものをちょっとセーブして現実を見直そうという流れがあったのかもしれません。アジア諸国も今回はちょっとおとなしかったかな。
都築:僕が一番今回驚いたのは、ヤング感覚があまり感じられなかったことですね。老成したヤング、かなりのベテランという感じ。若くないと生まれない発想とか、若くないと撮れない題材とかね、そういうのって不思議にないですよね。
鬼海:撮っている人が、全体が、他者の評価を最初からすごく気にしている。自分をもう少し煮ろ。鍋でぐつぐつ、ぐつぐつとね。自分の作品は自分の評価というか、そのときの自分というのは他者の視点がないと自分にならないですね。自分を見るということは他者をどれだけ理解するかとほとんど同等なので、それがちょっとバランス悪いかなと思います。(抜粋)

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