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展覧会
Car Culture 「20世紀写真に見る車社会」
Exhibition

 
A.C.F.グランプリレース
A.C.F.(フランス自動車クラブ)
グランプリ・レース
1912年6月26日
ジャック=アンリ・ラルティーグ
Jacques-Henri Lartigue
[禁無断転載]
19世紀ヨーロッパに生まれた車は、それまで想像もつかなかった時間と場所の新しい概念を20世紀の人々に与えました。1930年代すでに、イギリスにおいて「20世紀の恋人」と呼ばれたほど、人々は車を愛し、ライフスタイルは大きく変りました。
 
ラクーンのコートを着たカップルとキャデラック
ラクーンのコートを着たカップルとキャデラック
ジェームズ・ヴァン・ダー・ジー
James Van Der Zee
1932年
coryright:Donna Van Der Zee
Courtesy Donna Van Der Zee and Howard Greenberg Gallery
[禁無断転載]
ピードによる時間と空間の征服 ─ 車によって、人々は早く、遠くへ、自由に移動が可能になったのです。そして、動きを記録する悦びを与えたもうひとつの「機械」がカメラでした。
 
タクシー、ニューヨーク・ナイト
タクシー、ニューヨーク・ナイト
Taxi, New York Night
テッド・クローナー
Ted Croner
1947-48年
copyright:Ted Croner
Courtesy Howard Greenberg Gallery
[禁無断転載]
19世紀に生まれたクルマとカメラは、肉体のレベルとイメージのレベルの両者において、自由と解放を可能にする非常に身近な技術であり、この二つは共に近代化を歩んだ時代の”同士”と言えるかもしれません。フォルムの美学、時代の象徴、スタイルの主張、しかし悦びを与えると同時に何かを奪っていく車……。
 
東京 1957年頃
東京 1957年頃
石元泰博
Yasuhiro ISHIMOTO
1957年頃
copyright:Yasuhiro ISHIMOTO
[禁無断転載]
に変化し続ける車は、写真家の視覚を挑発するオブジェであったと言えるでしょう。多くの20世紀の写真家が、車をイメージのなかに取り込みながら、様々な表現を試みて来ました。
 
ウィンドウの中のこども
ウィンドウの中のこども
長野重一
Shigeichi NAGANO
1964年 copyright:Shigeichi NAGANO
[禁無断転載]
展では、欧米の写真で構成され、アメリカ・カナダを巡回中の展覧会に、日本の作品を加えた150点を展示いたします。20世紀の写真家たちが捉えた作品のなかで、時代はどのように見えてくるのでしょうか。
 
新宿
新宿
森山大道
Daido MORIYAMA
1977年
copyright:Daido MORIYAMA
[禁無断転載]
を生み出した欧米人と、渡来した「クルマ」を受けとめた日本人。その文化の違いもご覧いただけるでしょう。そして、20世紀の終わりにあたって、車と人間の関係を、写真の力を得て、振り返って見ることができるのではないでしょうか。

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