●館長・細江英公、ナショナル・アーツ・クラブより受賞

写真家で当館・館長の細江英公に、ニューヨークのナショナル・アーツ・クラブ(The National Arts Club)より、写真部門の「生涯に渡る業績賞」(Lifetime Achievement)が贈られることになりました。

同クラブは、1898年に芸術を支援するために設立され、「近代写真の父」といわれるアルフレッド・スティーグリッツも創立メンバーとして名を連ねるなど、早期より写真芸術を重視しています。
そのほかの会員には、アメリカの3名の大統領をはじめ、著名なアーティスト、映画監督、俳優、蒐集家なども。
過去の同賞受賞者は、マヌエル・アルバレス・ブラボ、コーネル・キャパ、エリオット・アーウィット、ウィリアム・クライン、セバスチャン・サルガド、ブルース・デイヴィッドソンなど、年間一人ずつ選ばれています。
授賞式は2010年5月に行なわれる予定です。

詳細は、http://www.nationalartsclub.org

文責:広報主任 小川直美

2010年度ヤング・ポートフォリオ選考委員、決定

2010年度ヤング・ポートフォリオの選考委員を写真家の広河隆一氏、三好和義氏、当館・館長の細江英公に決定致しました。
作品募集期間は、2010年4月1日~30日まで。応募の詳細は、2010年1月末よりhttp://yp.kmopa.org/にて発表予定です。

また、清里フォトアートミュージアムにて、本年(2009年度)購入した205枚(38名)の作品を2010年3月13日(土)より公開します。

文責:広報主任 小川直美

●11月7日、自然観察と星をみる会を終えて

2009年11月7日(土)、穏やかな陽光の午後1時~3時、“秋色と木の実”をテーマに「自然写真家・西村豊氏とK・MoPAの森を散歩」を開催しました。


一番小さな種類の柿の実を食べてみる。…ちょっと渋い。

K・MoPAのガーデンを埋めつくしているのは色とりどりの落ち葉。
「さあ、ちがう色の葉をひとり2枚拾ってください」という西村氏の掛け声のもと、皆、思い思いに色づいた葉を拾い集めました。
小学生が手にした一枚の葉を指差し「みなさんはこの色を、何色だと思いますか?」と問いかける西村氏。ほとんどの参加者が「茶色!」と、答えたところで、日本の伝統色のカラーチャート(色見本)を取り出した西村氏は、「では、このチャートの中からよく似た色を選び出してみましょう」と、大人と子どもひとりずつに促します。


この色、何色?

「選びましたね?では、ご自分で読み上げてください」
「黄櫨(こうろ)」。「浅緋(うすあけ)」。

ふだん聞きなれない、美しい名です。カラーチャートには、なぜその色にそうした名がつけられたのかという由来も記されています。
歴史や政(まつりごと)にまつわる深い意味合い、日本人の繊細な美意識が込められた日本の伝統色、その感受性を育んだであろう日本の四季の恵みに、あらためて感謝の思いを深めたひと時でした。


森に囲まれたK・MoPAのガーデン

紅葉を眺めるときに微妙な色合いを意識することは、脳や情操に良い影響を与える、という説もあるそうです。また、清里の澄んだ空気の中で西村氏と向き合って教えていただいたいくつかの体験は、参加されたみなさんの記憶に鮮やかに残ることでしょう。
お母さんの背中でうとうとしながら時折景色を眺める赤ちゃんや、芝生を転げまわって遊びながら、西村氏の問いかけに身体全体で反応する小学生たちとともに、大人たちも深まる秋を満喫、笑顔いっぱいの午後を過ごされていました。


ガーデンのこぶしに降り注ぐ秋の日差し


同日の午後7時には、国立天文台 VSOP-2プロジェクト推進室の梅本智文氏を講師に迎え「K・MoPAで星をみる会」を開催しました。
地元山梨県北杜市はもとより、京都、岐阜、茨城、神奈川、東京など、遠方から18名の方々に参加いただきました。


エントランスホールにてレクチャー

やや曇った空。雲の切れ目を待ちながら始まった会は、秋の星座のお話に続いて、バイオアストロノミー(生命天文学)の話題に移りました。
地球に宿る生命体の根元は、どこからもたらされたのか?宇宙に存在する生命体の可能性は?そんな最新情報を耳にして、心躍った参加者もいたことでしょう。
今年は「NHK高校講座地学」に講師としてTV出演された梅本氏、本レクチャーでも、専門的なニュースをわかりやすい言葉で伝えてくださいました。


4F天文室のMEADE望遠鏡で木星を観測

奇しくもイタリアの科学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡を夜空に向け宇宙への扉を開いた1609年から400年の節目を記念する「世界天文年2009」の本年。なんとしてもK・MoPAで、木星を一目見て帰りたい―という参加者のひたむきな思いが届いたかのように、梅本氏と参加者が4Fの天文室に移動して間もなく、厚い雲が切れ、ガリレオも見たという、木星をめぐる4つの星“ガリレオ衛星”を観望することができたのでした。
参加者の感激もひとしお、そして「もしや自分こそが雨男ではないか?」と懸念されていたリピーターもひと安心。清里から覗いた宇宙を愉しむ会は、午後9時過ぎに無事終了致しました。

K・MoPA恒例の2つのイベント、次回は2010年の新緑シーズンを予定しています。
写真鑑賞はもちろん、K・MoPAで森林浴と星空浴を楽しんでみませんか?

写真:学芸員 田村泰男 / 文責:広報主任 小川直美

●早稲田大学と東京ビジュアルアーツで2010年1月「YP展」同時開催

1995年の開館以来、当館は、3つの基本理念の一つとして「若い力の写真:ヤング・ポートフォリオ」というタイトルで、35歳以下の若い写真家の作品を年一回公募し、優れた作品をパーマネント・コレクションするために、購入する活動を続けております。
これまでヤング・ポートフォリオの購入作品は、すべて当館にて展覧会を開催してまいりましたが、来る2010年、早稲田大学と雑誌『DAYS JAPAN』が共催する「フォトジャーナリズム・フェスティバル」関連企画にK・MoPAが協力し、過去14年間に「ヤング・ポートフォリオ」(YP)にて購入した作品の一部を公開することになりました。
また、早稲田大学にほど近いビジュアルアーツギャラリー・東京(西早稲田)でも、同時期にYP展を開催いたします。
2つの展覧会場を併せ、国内外約130点のYP作品が並びますので、ぜひこの機会に両会場をご高覧ください。

まずはそれらの展覧会に先駆けて、12月に早稲田大学で行なわれるパネルディスカッションに、 当館・館長の細江英公と主任学芸員の山地裕子が、YP卒業作家2名と共に、パネリストとして参加いたします。ご参加をお待ちしております。

「現代若者の眼力(めぢから)」パネルデスカッション 
日時:2009年12月15日(火)15:00~18:00
会場:早稲田大学 27号館小野梓記念館地下2階・小野記念講堂
   http://www.waseda.jp/cac/ono.html
出演:北野謙(写真家/YP卒業生)、会田法行(写真家/YP卒業生)
細江英公(写真家/当館館長)、山地裕子(当館主任学芸員)
司会:石井仁志(20世紀メディア評論)
★入場無料


「占領期雑誌フォトスvs現代若者の眼力(めぢから)」
会期:2010年1月9日(土)~2月27日(土)
   午前10時~午後6時 *日曜、祝日休館
会場:早稲田大学26号館10階「125記念室」
   http://www.waseda.jp/cac/r125.html
共催:早稲田大学文化推進部 清里フォトアートミュージアム
企画・プロデューサー:石井仁志(20世紀メディア評論)
              早稲田大学文化企画課
★入場無料 


◎早稲田大学の展示と同時期に、下記にてYP展を開催!
「現代若者の眼力」
会期:2010年1月12日(火)~2月27日(土)
午前10時~午後6時 *日曜、祝日休館
会場:ビジュアルアーツギャラリー・東京(西早稲田)
   http://tva.weblogs.jp/vagallery/2007/05/2007_c6b8.html
主催:学校法人専門学校東京ビジュアルアーツ
協力:清里フォトアートミュージアム
企画・プロデューサー
:石井仁志(20世紀メディア評論)、岡崎裕美(東京ビジュアルアーツ 写真学科教員)
★入場無料


文責:広報主任 小川直美



●館長・細江英公、イタリアのルッカでマスター写真家賞を受賞

イタリア トスカーナ地方の中世の街・ルッカ市にて毎年行なわれるLucca DigitalPhoto Fest 2009 Master Photographer Awardにて、当館・館長で写真家の細江英公が、2009年度の「マスター写真家賞」を受賞、ミラノにてプレス発表が行なわれました。第5回目を迎えるこのアワードは、写真とビデオアートのアーティストに贈られるものとしては、イタリアで最も権威ある賞の一つと言われています。

主催は、Associazione Toscana Arti Fotografiche 、Comune di Liuaac、Fondazione Cassa di Risparmio di Lucca、スポンサーは、ライカ、ニコン、紙メーカーのキャンソン、ドゥカート、イタリアのファッション・ブランドのロベルト・デル・カルロです。

これまでの受賞者は、ドナルド・カークランド、スティーブ・マッカリー、エリオット・アーウィット、アレックス・ウェブなど。受賞者の作品による展覧会や、試写会、映画館における写真作品の投影も行なわれます。フェスティバルの期間中には、20の展覧会、ワークショップ、ポートフォリオ・セミナーなど、写真に関する様々な催しが賑やかに行なわれます。

「マスター写真家」賞は、生涯にわたる業績を評価された写真家が選ばれるもので、本年は、細江英公、リチャード・アヴェドン他が受賞しました。2009年11月28日に、ルッカのGiglio Theatreにて催される式典では、授賞セレモニーのほか、イタリアで著名な写真史研究家、写真評論家として活躍するジュリアーナ・シーメ氏による細江へのインタビューも行なわれ、細江作品がスクリーンに投影されます。同夜には、ニコン賞を受賞したイタリア人写真家、アレックス・マイヨーリ氏が、イタリア写真界で指導者的な存在のFerdinando Scianna氏から、また、ルッカ賞を受賞したフォトジャーナリストのErnesto Bazan氏が、著名な評論界でキューレーターでもあるElenaCwratti氏より、それぞれインタビューを受ける予定です。そのほか、写真家とビデオアーティストを世界に送り出すことを目的とした、2つの国際写真コンテストの表彰式も行なわれます。

賞の記念催事として、細江英公の作品による展覧会が開催されます。
キュレーターは、Giuliana Scime氏。会場はVilla Bottini、全長120メートルもの壮麗な壁面を誇る、16世紀に建造された貴族の館の5部屋が使用されます。展覧会名は"Ecstasy and memories. Eikoh Hosoe: new 'scrolls', anthology 1960-2005"(「細江英公写真展:記億と恍惚」)。「おとこと女」、「薔薇刑」、「鎌鼬」、「胡蝶の夢」「死の灰」「春本浮世絵うつし」の6作品を展示します。

近年、細江は、11世紀の源氏物語絵巻から着想を得て、古典的な展示技法に取り組んでいます。最新のデジタル技術を駆使して日本古来の和紙にプリントされた「絵巻」の展示スタイルは、国内のギャラリーをはじめ、08年6月にはロサンゼルス・カウンティ・ミュージアムでも発表しています。
本展では、それらの作品に追加制作した「細江英公写真絵巻」六巻、六曲一双の屏風2作品、掛軸6本が展示される予定です。伝統と現代の先端テクノロジーを融合した細江の発想と制作プロセスは、開催地である中世の街ルッカの精神とも響きあい、現地のフェスティバル関係者からは多くの共感の声が寄せられているとのことです。

詳細は、www.ldpf.it をご高覧ください。

文責:広報主任 小川直美

●「アンコール小児病院」サポート・プロジェクト2009とギャラリー・トークを終えて

秋の気配につつまれた9月12日(土)午後2時より、約80名の参加者を迎え、「アンコール小児病院」サポート・プロジェクト2009を開催しました。このチャリティ・イベントは、写真家の井津建郎氏が、カンボジアで地雷の被害や病気に苦しむ子供たちを助けたい、との思いからシェムリアップ市に建設・開院した小児病院を支援するものです。


 病院を運営するNPO日本代表の松島彰雄氏

10回目となる今回のイベントは、当館で「アジアの肖像」展を開催中の久保田博二氏のトークとクロマティック・ハーモニカの演奏というプログラム。
 第1部は、主任学芸員・山地裕子が進行役をつとめ、久保田氏に、写真家としての原点、キャパとの深い親交、アジアの国々の諸事情など、幅広く語っていただきました。





 久保田博ニ氏




本イベントの趣旨に賛同くださった久保田氏より、当日の参加者に向けて貴重な写真集を寄付いただき、抽選で7名に写真集がプレゼントされました。


久保田氏(左)自身による抽選。山地学芸員(右)がサポート


幸運な当選者にサインをする久保田博ニ氏


 第2部はクロマティック・ハーモニカのマツモニカ氏、長澤紀仁氏、仙道さおり氏によるトリオ「音あそび」のメンバーによる演奏と移動プラネタリウムのコラボレーション。


会場に移動プラネタリウムが。


マツモニカ氏


仙道さおり氏(パーカッション)


長澤紀仁氏(ギター)


終演後、「久保田氏の話を聞き、作品を深く見つめることが出来た」「マツモニカ氏の演奏に、海風やおだやかな光を感じた」などの感想が数多く寄せられました。
当日のチケットによる収益はすべてアンコール小児病院に寄付いたしました。


 「アジアの肖像」展会場入口

また、翌13日(日)午後2時より開催した久保田氏によるギャラリー・トークの参加者も40名を越え、好評のうちに終了しました。


 展覧会場の久保田氏(中央)


 ガレリアで作品を解説中の久保田氏(左)


 質疑応答中の久保田氏

文責:佐々木朋子  写真:藤原佳子


●オランダのサイトで、K・MoPAがセレクトしたYP作家を紹介

この度K・MoPAは、オランダの写真専門ウェブマガジン「The Black Snapper」の依頼を受け、「ヤング・ポートフォリオ」(YP)購入作家を下記サイトの“日本人写真家ウィーク”にて、日替わりで紹介することになりました。

http://www.theblacksnapper.com

紹介作家は、エリック、今村拓馬、北野謙、亀山亮、佐藤信太郎、中藤毅彦、百瀬俊哉の7名。
掲載期間は、2009年9月25(金)の日本時間20:00から10月2日(金)です。

この7名の作品を、一人約20枚ご覧いただけるほか、新作を含めた作品や、それぞれのエッセイ、活動も紹介されます。
見逃してしまった方も、過去のアーカイブをご覧いただくことができます。

The Black Snapperとは、アムステルダムを拠点とするフランク・クーロス(デザイナー)とディードリック・メイヤー(写真家)が“写真のオンライン・コミュニティを作り、世界の写真関係者をインスパイアしたい”という意図のもとに、本年創設されたサイトです。コンセプトは、一週間、毎日一人ずつ、新しい写真家を紹介しようというもの。各国のゲスト・キューレーターに「7人の新進写真家をセレクトしてほしい」という依頼をし、それらの作品を世界120カ国にオンライン配信して写真家をサポートします。

ゲスト・キューレーターは、オランダ、アメリカ、イギリス、ウクライナ、ドイツ、スペイン、フランス、ロシア、ベルギー、スロバキア、ギリシャ、マリ、ペルー、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、バングラデシュ、オーストラリア、台湾、韓国、中国、日本などの写真美術館やフォト・フェスティバル、写真雑誌の関係者です。

今回はThe Black Snapperのディードリック・メイヤー氏よりK・MoPAの主任学芸員・山地裕子が依頼をいただきました。

文責:広報主任 小川直美

●11月7日(土)に、K・MoPAで自然観察会と星をみる会

11月7日(土)午後1時~3時
「自然写真家・西村豊氏とK・MoPAの森を散歩」
講師:西村豊(自然写真家)
参加費:入館料800円のみ 小学生は無料
要予約:住所、氏名、参加人数をまで
紅葉したK・MoPAのガーデンを散策して、八ヶ岳南麓の空気をいっぱいに吸い込みながら、ヤマネやホンドギツネの作品で知られる西村豊氏に、野生動物や植物との“付き合い方”をレクチャーいただきます。


★11月7日(土)午後7時~8時半
「K・MoPAで星をみる会」
講師:梅本智文(国立天文台 VSOP-2プロジェクト推進室)
参加費:1000円(入館料を含む /K・MoPA友の会・会員は無料)
     小学生は無料
要予約:住所、氏名、参加人数をまで
宇宙や、秋の星座についてのレクチャーと、口径40cmのMEADE天体望遠鏡で星空観察を行います。初めての方も大歓迎!


このイベントは、八ヶ岳高原に点在する山梨県、長野県のミュージアム31館の集合体、八ヶ岳ミュージアム協議会(愛称:八ヶ岳ミュージアム・リング)による「第2回ART FESTIVAL 2009」の一部として開催します。
このフェスティバルでは、11月1日(日)を皮切りに最終日の“八ヶ岳の日”(=11月8日(日)まで、各館がギャラリー・トーク、ミニコンサート、民話の会、ワークショップなどの様々な催しを行ないます。紅葉の美しい秋の一日、八ヶ岳高原の美術館を巡ってみてはいかがでしょうか。

文責:広報主任 小川直美 

●2009年の学芸員実習生 受け入れを終えて

K・MoPAでは、1995年の開館以来、毎年一度、学芸員の資格を取得する大学生・大学院生のための実習を受け入れています。本年は9月9日~17日の間に信州大学から2名、八洲学園大学より社会人1名、計3名の学生がK・MoPAに通い、様々な実習を行いました。

カリキュラムの概略は、山地主任学芸員による展示企画と運営、収蔵に関するレクチャー、田村学芸員による展示、収蔵に関わる実技指導、当館で開催するチャリティ・イベントとギャラリー・トークの業務補佐の実践、広報小川によるレクチャーなどです。


作品を複写するためにカメラをセットする

実習期間中の学生たちには、各自が一つの展覧会を企画する、という課題が与えられ、その資料としてK・MoPA館内の写真集、図書、コレクション・カードを自由に閲覧することができます。


K・MoPAのガーデンテラスで課題を発表

最終日にはそれぞれが企画した展覧会の発表を行い、K・MoPAスタッフの講評を受けて、8日間の実習を終了しました。

文責:広報主任 小川直美 / 写真:野嵜雄一、藤原佳子

●K・MoPAも出品「やまなしの美術館大全展」

山梨県立美術館の特別展示室にて、山梨県の23の美術館のコレクションが一堂に会する特別展が開催されます。
絵画、立体、工芸作品など各館を代表する名品、活動を紹介するパネルや、会期中に行なわれるギャラリー・トークなどを通し、それぞれの施設をより身近に感じていただける機会となることでしょう。
清里フォトアートミュージアム(K・MoPA)は、コレクションより8枚の写真作品を出品いたします。
甲府方面にお出かけの際にはぜひご高覧ください。

やまなしの美術館大全展
会場:山梨県立美術館 南館 特別展示室
会期:2009年9月12日(土)~27日(日)
開館時間:午前9:00~午後5時(開館は午後4:30まで)
観覧無料

詳細は
http://www.art-museum.pref.yamanashi.jpより
特別展情報をご覧ください。

■K・MoPAの出品作品
1.ユーサフ・カーシュ《ウィンストン・チャーチル》1941年
2.ロバート・キャパ 《スペイン》1936年
3.ロバート・キャパ   
《フランス:連合軍に逮捕された戦時中のナチス協力者の女。
目立つように丸坊主にされ、嘲罵を浴びながらシャルトルの街路を引き立てられてゆく。》 1944年
4.W. ユージン・スミス 《楽園への歩み》1946年
5.ロベール・ドアノー 《パリ市庁舎前のキス》1950年
6.植田正治 《カコ》1949年
7.アーヴィング・ペン 《3人のダオメーの少女 #1》1967年
8.ジェリー・N.ユルズマン  《無題》1991年 
   *7,8はプラチナ・パラジウム・プリント

文責:広報主任 小川直美

●2009年夏のピンホールカメラ・ワークショップを終えて

2009年8月1日(土)、午前10時から午後5時まで、14名の参加者を迎えピンホール・カメラ・ワークショップを開催しました。

すでにK・MoPAでは、夏休み恒例となった本企画。
今回は、ピンホールカメラ・ワークショップに初めて参加されたMさんからいただいた感想をお届けします。

「ワークショップは、期待をはるかに上回る楽しさでした。
たくさんの『!』や『なるほど~』や『わくわく』がありました。
帰りの車中には、一緒に参加された友人と、とても面白かったね、来年も参加したいね、と、エンドレスで言い合ったほどです。」


午前中はカメラを手作り。

ワークショップの参加者には、カメラ用を手造りするためのお菓子の箱と、身近な道具を持参いただきますが、事前の準備はほとんど必要ありません。
Mさんは、「午前中作ったカメラで撮った写真を自分で現像し、プリントし、その日のうちに持って帰る」ことが出来るところに、とても充実感を覚えてくださったそうです。
また、学芸員からピンホールの原理を説明されたあとに講義室全体が大きなピンホールカメラの内部になっていた―という仕掛けにも思いがけない面白さを感じた、と、感激の言葉を寄せてくださいました。

そしていよいよ午後からは、手製のカメラを使って撮影と現像がスタート。
なかなか思うような仕上がりにならず、「はじめてだしこんなものかな・・・」という思いがよぎったMさん。


もう一度、現像に挑戦!

「その段階でも十分満足でしたが、スタッフの方が時間ぎりぎりまで妥協せず現像をやらせてくださったこと、ありがたく思いました。
おかげ様で、最後のプリントは見違えました。このプリントには今日の時間がまるごと映っている気がします。」

当館のワークショップを心から楽しんでいただき、ありがとうございました。



最近は、デジタルカメラでの撮影や、パソコン上で画面をみることが多く、撮影から暗室作業まで経験できる場も少なくなったようです。
K・MoPAでは、小学校低学年の子どもたちから大人まで、誰もが楽しんで写真の原理を学び、一日で一通りの体験ができるプラグラムを組んでいます。
リピーターの方、そして初心者の方も、ぜひ来年のワークショプにご参加ください。

ピンホール作品(モノクロ)3点


渡邊恵里那さんの作品


藤井華子さんの作品


佐野璃空さん(10歳)の作品

文責:広報主任 小川直美 / 撮影:藤原佳子

●2009年度ヤング・ポートフォリオ選考会を終えて

2009年7月22日(水)、23日(木)の2日間にわたり、2009年度ヤング・ポートフォリオ(YP)の選考会を東京都内にて行いました。応募人数は41カ国から404名(国内243名、海外161名)。
応募枚数は8345枚と過去最高、一人の作家が意欲作を多数応募するという傾向が見られました。


最終選考の様子 
手前より選考委員・須田一政氏、江成常夫氏、館長・細江英公

YPの大きな特徴は、35歳になるまで何度でも応募できること。
過去に購入された作家も、これまで購入されたことのない作家であっても、毎年平等にチャンスが巡ってくる公募です。もちろん、すでに発表した作品や受賞歴のある作品も自由に応募いただくことができます。
K・MoPAスタッフの願いは、たとえ今年購入に至らなかったとしても、決して諦めることなく、次年度のYPに向けて作品制作に励んでいただくことです。


今年、作品購入に至ったのは、全体の1割に満たない作家たちです。9割の作家の中には、まさに紙一重の差で購入を逃した作品もありました。
ただし「あなたは惜しかった」というお知らせをK・MoPAからはしていません。自分は紙一重だったのか、それとも大きな差があったのか―。
それを自分自身で気づいていくことも、写真家としての勉強の一部なのだと、K・MoPAスタッフは考えています。


たとえば2008年度YPの図録によって、購入者の作品を見ることもよいでしょう。2009年度YPの作品を実際に見に来ることもいいかもしれません。
パソコンのモニター上や印刷物で見る作品と、実物のオリジナル・プリントとは印象が異なるからです。
大切なのは、一つの結果が出た後にどう行動するか。そこに写真家としての成長がかかっていると思います。


K・MoPAは、購入した作家だけを応援している美術館ではありません。
応募くださったすべての青年たちを応援していることを、ぜひお伝えしたいと思います。
美術館に作品が永久コレクションされることは、本当に素晴らしいことですが、むしろ購入されなかった経験をバネに、大きく羽ばたいてほしい―。
K・MoPAは館長もスタッフも、そのように考えています。


主任学芸員の山地裕子は「例えば、今年の選考をお願いした写真家の江成常夫さん(1936-)は、12年間務めた新聞社を退職後、フリーランスとなり渡米、後に発表する『ニューヨークの百家族』を撮影したのは、37歳のときです。突然食えなくなって焦ったとおっしゃっていました。
もちろん背水の陣でそれまでのエネルギーを爆発させたのでしょうが、このシリーズが江成さんのやるべき写真だと、はっきり位置付けることができた。写真家としてのキャリアを、いつ、どのようにスタートするか。そのタイミングは、人それぞれではないかと思います」と語っています。


選考結果の発表と作品の返却は、国内は2009年8月中に応募者に直接通知いたしますのでしばらくお待ちください。
購入が決定した約200枚の作品は、2010年2月末よりK・MoPAにて開催する「2009年度ヤング・ポートフォリオ」展にて公開いたします。

文責:広報主任 小川直美 / 写真:koichi kido

●K・MoPAで星をみる会「七夕に光害を学ぼう」と、久野公昭「田んぼで出会う花・虫・鳥」

世界天文年にあたる2009年7月7日(火)午後6時、「ライトダウン甲府バレー実行委員会」、「山梨星をみる人たちネットワーク」によるご協力を得て、「光害」について学ぶレクチャーを開催しました。
このイベントは、NPO法人清里観光振興会が同日に主催した「清里 星の街宣言」の第一部としても行なわれました。


講師の大友哲(おおとも さとる)氏

星空を見えにくくし、ウミガメの産卵、野生動物や農作物の繁殖、育成などに弊害をもたらす漏れ光。
今回講師としてお迎えしたアマチュア天文家の大友哲氏は、「光害」について早くから講演を行い、パンフレットを作成、環境省がガイドラインを策定するに至った活動をされたことで知られています。


講師の大友哲(おおとも さとる)氏

本レクチャーであらためて知ったことは、商業施設、一般の家庭も含め、私たち日本人がいかに当たり前に、必要以上に明るい照明を点けているかということでした。
昼、そして夜間にも、電力をつくるためには大きなコストがかかっています。
供給されるまま、無意識に電力を消費し続ける、という日本人のライフスタイルが、そもそも光害を生み出している要因のようです。

大友氏は「同じ星座を、撮影スポットを変えて捉えたものを見てみましょう」と、自ら撮影した星の写真を次々とスライドに映し出します。
ネオンや夜間照明が反射した東京や甲府の夜空には、星座が確認できません。
それに比べ、清里の星空には星座がはっきりと写っています。
ところが、そんな清里でさえ、オーストラリアの夜空に比較すると写っている星の数が格段に少なかったのです。
人工衛星が捉えた地球の夜景をを確認すると、日本列島は、諸国に比べてひときわ明るく、白く浮き上がっているように見えます。屋外照明の数、そして上空に漏れている照明の光の量が多いことを顕著にあらわすものです。最近では上方を照らす光を減らすために、下向きになっている照明機具もあるようですが、まだ絶対数は少ないとのこと。
光害は、私たちがこれからも真剣に取り組むべき問題のようです。



このレクチャーには、北杜市役所のスタッフや近隣のミュージアムも含め21名の方々が参加くださいました。行政、商業・観光施設、生活者が一体となり、全国的にも貴重な星見スポット清里の夜空を守っていくために何をすればいいのか。本レクチャーが今後、共通の課題に向き合う機会の一つになればと考えます。

午後7:30に終了した本レクチャーの後、NPO法人清里観光振興会が行なった「清里 星の街宣言」の会場となった清泉寮・新館では、北杜市出身のシンガーソング・コンポーザーの清田愛未さんによる星空をテーマにしたコンサートなども行なわれ、清里振興会のメンバーや天体関連施設の方々、地元住民などが賑やかに集い、身近な星空への思いを一層深めていました。


7月12日(日)午後1:30~3:00、久野公昭「田んぼで出会う 花・虫・鳥」には、山梨県内を中心に、22名の参加者が集いました。

渡り鳥やタカ、動植物の調査と撮影に1年の大半という膨大な時間を費やしている久野氏が、田んぼの周辺に生きる小さな生き物、植物たちの写真を披露しながら、声を聴くことが珍しいカエルを追って録音した貴重な音源を聴くことができました。

    
写真家の久野公啓(くの きみひろ)氏

産卵の日にとらえたニホンアカガエルの写真。久野氏が著書のなかで「宇宙人のおしゃべりのよう」と表現した、不思議な鳴き声をもつヤマアカガエルの声。美しい声のシュレーゲルアオガエル、つぶらな瞳のツチガエル―。
録音が難しいカエルの「鳴き交わし」に息を呑んだり。
カエルたちの表現豊かなお喋りに、思わず笑いを誘われます。

田んぼや畦は、私たちが思っている以上に多様な生態系を支えているようです。
そんな田んぼのある風景を絶やさないようにするには、どんなことを心がければいいのでしょうか。
久野氏の持論としては、日本人が米を食べる機会が激減した昨今を鑑み、もっと米を食べる機会と量を増やすこと、地産地消をこころがけることがのぞましいといいます。

私たちが何気なく眼にしている、田んぼの脇にあるコンクリートの側溝。
これもカエルにとっては、小さな川などと田んぼを遮る高い壁となっています。
たとえば、吸盤のちからが強く、比較的手足が長めのアマガエルにとってはさほどの影響はありませんが、手足の短い種類のカエルはコンクリートを登り切ることができずに、結果的に姿を消していきます。
また、ウシガエルが多く生息する場所を、久野氏は「ある意味では心配なサイン」と捉えています。
ウシガエルをはじめ外来種のアメリカザリガニや植物が多いということは、在来種の動植物が淘汰されて多様性を失い、繁殖力の強い外来種だけが単種で生息している証拠だからです。

星空、そして田んぼ。八ヶ岳南麓の清里に立つK・MoPAの周辺には、自然と人とが織成す豊かな恵みが息づいています。
「生命(いのち)あるものへの共感」を基本理念とするK・MoPAでは、これからも自然との共存をテーマにしたイベントを開催いたします。



久野公昭による著書『田んぼで出会う 花・虫・鳥』(築地書館 / 定価2400円)は、
K・MoPAミュージアムショップにて好評販売中です。

文責:広報主任 小川直美 / 写真:koichi kido 、 学芸員補 野嵜雄一

●9月12日、久保田博ニ氏がトーク!
「アンコール小児病院」サポート・プロジェクト2009

アジアの石造遺跡や聖地を撮影する写真家・井津建郎(いずけんろう)氏は、カンボジアのアンコール・ワットを撮影中に、地雷で手足を失った子どもたちを目の当たりにし、「これまで撮る<TAKE>ばかりだった自分に、何かできないだろうか<GIVE>」と、病院建設を決意します。
そして、NPO「Friends Without a Border(国境なき友人)」を創設、99年「アンコール小児病院」を開院しました。
井津氏の活動に支援を続けている当館は、小児病院のためのイベントを毎年開催し、チケットによる収益のすべてを小児病院に寄付しています。

井津氏から寄せられたご報告(2009年7月7日現在)によると、毎日約350名の患者が訪れる同病院にも世界同時不況の影響が及び、開館10年目にして初めて病院運営費が不足、将来の医療の要であり予防教育の充実を図る“地域保健教育プロジェクト”が一時停止状態に陥っているとのことです。
医療活動の縮小、スタッフの減給や人員削減も現実味を帯びる状況下、緊急の支援が必要とされています。

本サポート・プロジェクトを通し、K・MoPAもカンボジアの幼い子供たちの命と笑顔を守る一助となりたいと願っております。一人でも多くの方のご参加をお待ちしております。

文責:広報主任 小川直美

「アンコール小児病院」サポート・プロジェクト2009
主 催:清里フォトアートミュージアム
■協 力:特定非営利活動法人フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN
■日 時:9月12日(土)午後2時~4時(休憩あり)
■会 場:K・MoPA音楽堂
■参加費:一般3,000円 2名様以上はお一人2,500円 小・中・高校生は無料
(友の会・会員は各1,000円引き) ※当日券は各500円増
■定員:150名 / 全席自由
参加申込みは、住所、氏名、参加人数をお知らせください。


第一部:トーク 午後2時~3時15分
◆出 演:久保田博二(くぼたひろじ / 写真家)
1939年生まれの久保田氏は、第二次大戦中、疎開先の千葉県の海岸で、戦争の悲惨さを目の当たりにしています。
長じて、写真の世界に飛び込むために渡米、世界的な写真家集団「マグナム・フォト」唯一の日本人メンバーとして世界各地を撮影していた久保田氏は、1975年、ベトナム戦争の取材で再び激しい惨状に直面します。サイゴン陥落後、久保田氏は「殺戮の現場はもう撮らない」と決意しました。

本格的な「アジア」取材をスタートした久保田氏は、その膨大な撮影の中から、何を見出していったでしょうか。長期にわたるアジア取材から浮かび上がった21世紀最大の問題、「食のサスティナビリティ(持続可能性)」とは―。自身の経験を軸に久保田氏が見据えているものを語っていただきます。


久保田博ニ氏 2009年7月4日 / 撮影:田村泰男

<プロフィール>
1939年東京生まれ。1962年早稲田大学卒業後、渡米。
65年ニューヨークでフリーランスの写真家として活動を始める。
同年に写真家集団「マグナム・フォト」に参加する。
68年に帰国した後、復帰前の沖縄を集中取材。
75年のサイゴン陥落を機にアジア各地の取材を本格的にスタート。
その後も北朝鮮、中国全省、米国全州、東アジア16カ国など、
それぞれ数年間をかけた取材を行っている。
2004年には日本全県を4年かけて撮影した『JAPAN』を発表。
最近作に『MAGNUM KOREA』(08)がある。
主な写真集に『桂林夢幻』(82)『中国万華』(85)
『朝鮮名峰:白頭山・金剛山』(88)『アメリカの肖像』(92)
『Out of the East』(98)『アジアと食料』(99)などがある。小田原市在住。


■第二部:ライブ午後3時30分~4時
◆出 演:マツモニカ(クロマティック・ハーモニカ演奏家)
      長澤紀仁(ギター)
      仙道さおり(パーカッション)

ハーモニカの演奏と移動プラネタリウムの映し出す夜空とのコラボレーション


特定非営利活動法人フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN http://www.fwab.jp/
Friends Without a Border http://www.fwab.org/


展覧会作家、久保田博二による「ギャラリートーク」
K・MoPAで開催中の久保田博ニ「アジアの肖像:ダイトランスファー・コレクション」の作家、久保田博ニ氏が、展覧会の会場で自身の作品を約1時間解説します。
どうぞふるってご参加ください。

●日 時:9月13日(日)午後2時~3時
●会 場:K・MoPA展示室
●入場料:入館料のみ/友の会・会員は無料
●定 員:なし(ご予約不要) 


●清里現代彫刻展 feel - 空間と心をつなぐかたち

清里フォトアートミュージアムは、建築家栗生明氏により、自然と建築との調和をテーマに設計されました。
この建築空間に触発された、八ヶ岳南麓エリアに拠点を持つ彫刻家が、美術館内外の空間への意識を強く持った作品展示をコンセプトに、鉄、石、木、ガラス、土という異なる素材から独自の作品空間を作り出します。

作品は常に空間の中に存在し、作者のメッセージを発し続けます。
作品と見る人を空間がつつみ、互いの存在がつながった時に作品からのメッセージが心へと伝わっていく―。
「feel」は2006年から毎年開催しています。

●展示期間:2009年7月25日(土)~9月27日(日) 午前10時~午後6時(入館は午後5時半まで)
●会場:K・MoPA 館内外の各所
●出品作家:イグチトシオ、石田泰道、上田快、上野玄起、
榎本栄子、久保田真代、熊本惠孝、倉橋元治、武田省一、
萩原真輝、村岡由季子、村元崇洋 全12名 約15点(予定)

●出展者による作品解説と交流会:9月5日(土)午後1時~3時


●定員20名。参加募集!
「ピンホールカメラ・ワークショップ」

針穴写真と呼ばれるカメラの原点がピンホールカメラ。お手持ちの箱でカメラを作って撮影してみませんか?
どんな映像が現れるのか、お楽しみに!大人も子どもも、初心者の方も白黒写真の現像を体験できます。


2008年のワークショップより

■日 時: 8月1日(土) 午前10時~午後5時
■講 師: 田村泰男(学芸員)
■会 場: K・MoPA
■受講料:一般1000円(入館料含む)/ 友の会・会員は500円
■定 員: 10名 ★要予約
■持参いただくもの:カメラ用に紙製のお菓子の箱(硬く、しっかりした素材のもの。
タテ12cm×ヨコ20cm×高さ5~20cm)、アルミ缶、カッターナイフ、ハサミ、秒針つき時計、筆記用具、タオル、エプロン、昼食
※参加申込みは、住所、氏名、参加人数をお知らせください。


●KMoPAで星をみる会「七夕に光害(ひかりがい)を学ぼう」

2009年は世界天文年。イタリアの科学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡を夜空に向け、宇宙への扉を開いた1609年から400年の節目の年です。世界天文年のスローガンは、「THE UNIVERSE: YOURS TO DISCOVER宇宙 ・解き明かすのはあなた」。夜空を見上げ、広大な宇宙の中の地球、その地球の上に生きる生命や人間の存在に思いを馳せ・・・たいのですが、その星空を見づらくしている「光害」は年々各地で深刻な問題となっています。KMoPA恒例の「星をみる会」では、今回、多くの小惑星の発見などで著名な清里在住のアマチュア天文家・歯科医、大友哲氏をお招きし「光害」についてお話いただきます。本レクチャーは、同日開催される「清里・星の街宣言」の一部として行われます。


2008年の星をみる会(K・MoPA天文室にて)

●日時:7月7日(火)午後6:00~7:30
●共催:ライトダウン甲府バレー実行委員会
●協力:山梨星をみる人たちネットワーク
●講師:大友 哲
●会場:K・MoPA天文室、エントランスホール
●入場料: 一般1000円(入館料含む)/ KMoPA友の会・会員、高校生以下は無料
●定員:なし 要予約
参加申込みは、住所、氏名、参加人数をお知らせください。

●久野公啓の「田んぼで出会う花・虫・鳥」

八ヶ岳の森に囲まれた当館では、自然写真家とともに、四季折々の自然観察や撮影テクニックなどをお話いただくトーク・イベントを定期的に行っています。今回は、『田んぼで出会う 花・虫・鳥』の著者、久野公啓氏を講師にお迎えします。長野県伊那市在住の久野氏は、田んぼなど、身近に生きる生き物に惹かれ、その魅力を紹介する活動をしています。また、春と秋は全国をフィールドに渡り鳥の生態を長年にわたり定点調査を行っています。久野氏は、タカの仲間であるハチクマが、スズメバチの巣を襲う瞬間の撮影に日本で初めて成公し、その映像はNHK「ダーウィンが来た!」でも紹介されました。若い写真家のすぐれた作品を購入する「ヤング・ポートフォリオ(YP)」を通して、当館が作品を購入した“YP卒業生”でもある久野氏がKMoPAで行う初のレクチャーをどうぞお楽しみに。
今回はスライド上映だけでなく、久野氏が全国各地で録音してきた“カエルの声”を聴きながら、その特徴や習性、様々な田んぼの生き物たちの生態にまで話題が広がります。

●日時:7月12日(日)午後1:30~3:00
●講師:久野公啓 ( くの きみひろ )
●会場:K・MoPA会議室
●入場料: 一般は入館料のみ/ 友の会・会員は無料
●定員:なし 要予約
※参加申込みは、住所、氏名、参加人数をお知らせください。


●2008年度ヤング・ポートフォリオ永久コレクション証書授与式

五月晴れの2009年5月23(土)、選考委員で写真家の本橋成一氏(08年度)、江成常夫氏(09年度)をはじめ多数の来賓を迎え、2008年度ヤング・ポートフォリオ(YP)にて作品購入された国内外の作家(以下、YP作家)全39名のうち、14名(日本人11名、海外3名)の若手写真家に、館長の細江英公より証書が授与されました。



K・MoPAでは、証書を授与する際に、一人1分間のスピーチいただくことが恒例です。今年もそれぞれが作品を購入、展示された喜びや、今後の抱負、最近の活動などを自由に語ってくれました。中でも今年35歳になるYP作家は、応募規定により、YPを「卒業」ということになります。これからは一人の写真家として各方面で活躍をされることでしょう。



歓談の折には、購入作家同士、または来賓と購入者が親しく交流します。自身の作品を選考した大先輩の写真家から作品についてのアドバイスを直接受けたり、国境を越えて良き友人をつくったり。多彩なつながりを見出せることがYPレセプションならではの魅力なのかもしれません。


YP作家と来賓、K・MoPAスタッフ全員で記念撮影

1995年の開館と同時にスタートしたYP、そしてYP永久コレクション証書授与式も今回で14回を数えます。次回の公募は、すでに応募を締め切りましたが、これまでで最も多くの作品が世界各国より集まりました。清里フォトアートミュージアムのYP活動は、これからも常に進化し続けながら、世界中の若者と交流を深めていくことを目指します。

文責:広報主任 小川直美  写真:Koichi Kido

●日本写真芸術専門学校が団体来館



2009年5月9日(土)、日本写真専門学校の34名が「2008年度ヤング・ポートフォリオ」展に来館されました。



ちょうど、「2009年度ヤング・ポートフォリオ」の作品受付期間(5月15日まで)とも重なったため、直接搬入をした学生の方もありました。世界各国より、例年以上の枚数が集まりつつある2009年度のヤング・ポートフォリオ。写真家の江成常夫氏、須田一政氏、館長の細江英公による7月の選考会が、いまから楽しみです。




文責:広報主任・小川直美 写真:野嵜雄一

●2009年 日本写真協会賞

毎年6月1日「写真の日」を記念して、写真文化の国際交流や振興・発展に寄与した団体・個人及び写真制作で顕著な成果を示した写真家と将来を嘱望される新人写真家を対象に社団法人 日本写真協会より賞が贈られます。

2009年は、当館の運営委員・収集委員で写真家の松本徳彦氏に功労賞が、学芸賞には当館会報にもご執筆いただいた飯沢耕太郎氏、新人賞には「ヤング・ポートフォリオ」購入作家の佐藤信太郎氏が選ばれました。
http://www.psj.or.jp/psjaward/2009.html

受賞者の紹介ならびに、作家賞、新人賞を受賞された3名の写真家の作品展が、東京で開催されます。

日本写真協会受賞作品展
会場:富士フォトサロン/東京
日時:2009年5月29日(金)~6月4日(木)
   午前10時~午後7時(最終日午後2時)
http://www.psj.or.jp/gekkan/schedule/kyoukai/index2009.html

文責:広報主任・小川直美

●西村豊さんと、雨に洗われた新緑の森をひととき愉しみました。

4月25日(土)午後1時より、K・MoPA恒例の自然観察イベント「自然写真家・西村豊氏と新緑の森を散歩」を開催しました。
天気予報通りのあいにくの雨のなか、中学生や幼稚園児を連れたお母さんたちなど28名が集い、賑やかで楽しいレクチャーになりました。



K・MoPAで行なった昨年春の自然観察会で、折れた(あるいは伐採した)木の表面が鮮やかなオレンジ色に染まっている様子を見つけ、疑問に思われていた西村さん。
今回のレクチャーにあわせ、なぜそうした現象が起こるのか調べてくださっていました。
西村さんによると、人間が血液で自らの傷口をふさぐように、木が樹液を流しているとのこと。日々の生活の中で植物を手折ることも多いわたしたちですが、ときには感謝の気持ちをもつことの大切さを語ってくださいました。そして、木が生きていることを実感するために、ヤマザクラの木に聴診器を当て、全員がザーザーという木の“音”を体感しました。


小雨のなか、K・MoPAのガーデンにて


 どんな“音”がするのかな?

少し強くなった雨を逃れて室内に戻り、西村さんが富山県の黒部ダム付近で撮影した“つがいの雷鳥”など最新の作品をはじめ、50枚ものスライドで野生動物の生態や人間との共生についてご紹介いただきました。いつも新しい発見がある自然観察会、次回は11月の開催を予定しています。



文責:広報主任・小川直美
写真:学芸員・田村泰男

●自然写真家・牛山俊男さんを迎えて
「K・MoPAで星をみる会」

 今年は世界天文年。世界天文年2009日本委員会公認イベントの一つとして、4月25日(土)午後6時より「K・MoPAで星をみる会」を開催しました。低緯度オーロラや星空の写真で知られる写真家・牛山俊男さんを講師に迎え、スライド上映「春の夜空を訪ねて」およびK・MoPA天文室での観望会を行う予定でしたが、当日の天気はあいにくの雨。スライド上映のみを行うこととなりました。

 「青空の中にも星は輝いている。昼間の風景もまた星空なんです」と、牛山さん。スライド上映の冒頭、スクリーンに映し出されたのは星空の写真ではなく、桃の花、山桜、小鳥、昆虫といった身近な自然の中で生きる動物や植物たちの姿でした。羽をいっぱいに広げて日の光を浴びて、成虫のまま冬を越す蝶・ルリタテハの生命の力強さ。静止した花の表情を狙って、風が止む一瞬を待ち続けた話。突如としてファインダーのむこうに現れたツグミを、まるで会話を交わすかのように撮影した時の気持ち…。撮影時のエピソードを次々と語りながら、「彼らは、地球という星の生きとし生けるものの一員。それを写真で表現することは、地球という星の風景を表現することだと思っています」とコメント。"星空の写真家"の意外な一面と、生命あるものをやさしく見つめるまなざしが感じられました。


スクリーンに写し出された、夜の桃畑とそのむこうに広がる星空の写真

 休憩をはさんでの後半部は、星空の写真解説を中心に進められました。牛山さんが撮影した、春の星座、山梨で撮影された低緯度オーロラ、とても遠くにあるために一つの星のように見える銀河などの写真を紹介しました。「やはり甘利山からのオーロラの写真が印象に残っています。オーロラがなかったとしても、あんなにきれいな景色があるんだと感激しました」と、参加者のMさん。赤紫のオーロラの上に輝くカシオペア座や北斗七星、そして八ヶ岳や浅間山も写し出された一枚の写真の美しさに感銘を受けたようです。「星とむき合いながら写真を撮っているうちに、いつの間にか生きものたちの生命の大切さや、自分がこの世に存在していることのありがたみを感じるようになってきました。だから今、そんな私の思いを人に伝えることも楽しい。そのライブ感にハマっているんです」と牛山さん。彼自身も今回のイベントを心から楽しんでいるようでした。


参加者からの質問に答える牛山俊男さん

 身近な草花から、何千万光年も彼方の星まで。たくさんの写真と言葉が11名の参加者に披露され、スライド上映は終わりました。清里の空には雲がかかっていましたが、曇り空もまた星空であると、参加者のみなさんもあるいはそんなふうに思っておられたのかもしれません。今年は世界天文年。K・MoPAでも光害をテーマンした7月7日開催予定の「星をみる会」などの関連イベントを企画しています。一人でも多くの人が星空を見上げてくれることを願いながら。

文責・写真:加々美吉憲

●東京ヴィジュアルアーツ、YP展を鑑賞

2009年4月17日(金)、専門学校・東京ビジュアルアーツより127名が来館、授業の一環として「2008年度ヤング・ポートフォリオ」(YP)展を鑑賞されました。



本日は、本年度のYP応募期間中ということもあり、この来館を機に作品を応募してくださる学生もいるかもしれません。美術館内に展示されている作品は、すべて彼らと同じ時代を生きる若手写真家たちによるもの。日本だけでなく、世界の同世代の若者が、どんな目で現代を感じとっているのか。良い意味で刺激になったのではないでしょうか。



20代、30代の間に幅広いジャンルの作品に触れ、自分自身の創作に活かしていただきたいと期待しています。

文責:広報主任・小川直美  写真:野嵜雄一

●2008年度ヤング・ポートフォリオ展・開催中

2009年2月21日(土)より、昨年(2008年)の公募「ヤング・ポートフォリオ」にて当館がパーマネント・コレクションした作品286点を展示中です。

 

39名の購入作家のうち、メキシコ人のフラド・カルロス氏、ロシア人のティム・ギャロ氏が、相次いで来館されました。

本展では、2008年度選考委員の写真家・本橋成一氏の作品「サーカスの時間」(1974年)、十文字美信氏の「ピクニック」(1977年)、当館の館長・細江英公の「おとこと女」(1960年)を、各5点展示しています。選考委員の20代、30代の作品も、同時にお楽しみください。

文:広報主任・小川直美 写真:Koichi KIDO

●4月25日(土)、K・MoPAで星をみる会
―世界天文年2009日本委員会公認イベント―

2009年春の「星をみる会」は、地元山梨県韮崎市在住の自然写真家・牛山俊男さんを講師にお迎えして開催します。

牛山さんは、環境やまちづくりに関わる仕事から自然写真家に転身されて以来、アラスカやフィンランドでのオーロラ撮影はもちろん、2003年には国内でも非常に珍しい“低緯度オーロラ”が、明るくなっていく様子を撮影することに成功しました。
天文少年だった頃からの夢をかなえ、星やオーロラを追い求める牛山さんの楽しいレクチャーと天体観測の会。どうぞ、ふるってご参加ください。

「K・MoPAで星をみる会」
●後援:世界天文年2009日本委員会
●4月25日(土)午後6:00~8:00
    15分前にK・MoPAチケット・カウンター前にご集合ください。
●講師:牛山俊男(自然写真家)
●参加費:1000円(友の会会員は無料)、小学生は無料
*晴天の場合は終了時間を延長することもあります
*雨天、曇天の場合はレクチャーのみ
●ご予約:参加人数を
      または TEL:0551-48-5598までご連絡ください。当日も受付ます。


●プラチナ・プリント・ワークショップ参加者募集!

歴史的な作品から現代の作品まで、当館の収蔵するプラチナ・プリント作品を見ながらの技法解説をはじめ、大型カメラでの撮影、ネガ作り、プリントの仕上げまでのプロセスを2日間にわたって体験していただきます。モノクロ現像が初めての方でも、どうぞお気軽にご参加ください。
本ワークショップでは、イギリスで1878年に撮影、プリントされたウィリアム・ウィリス・ジュニアによる貴重なヴィンテージ・プラチナ・プリント作品「田舎の小屋」(当館所蔵)もご覧いただけます。

日時:09年3月28日(土)・29日(日)
講師:細江賢治(写真家)
受講料:一般は30,000円(友の会・会員は27,000円)
定員:12名
申し込み・お問い合わせ:学芸員・田村泰男
TEL:0551-48-5598

●「自然写真家・西村豊と新緑の森を散歩」参加募集!

ヤマネやホンドギツネの撮影で知られる八ヶ岳南麓在住の自然写真家・西村豊氏と、新緑の美しいK・MoPAのガーデンを散歩しませんか?
身近な自然を楽しく観察する方法や、野生動物を撮影するためのテクニックなども、丁寧に教えていただけます。

シーズンごとに開催しご好評をいただいている本イベントのうち、今回は、地元の山梨県北杜市の泉中学校美術部員が日本の伝統色を学んだ、秋の観察会をご紹介しましょう。


:K・MoPAガーデンにて

2008年11月8日(土)、美術部のクラブ活動の一環として参加された約15名の中学生は、まず西村氏から野生動物に関するレクチャーを受け、少し肌寒いK・MoPAのガーデンへと移動しました。晩秋の澄んだ空気に満ちたガーデンには、コハウチワカエデ、イタヤカエデ、ナナカマド、ヤマザクラなどの紅葉した樹木が茂り、空気中には、砂糖を焦がしたような、天然の甘い香りが漂っていました。
西村氏は、まず一人一枚ずつ、ガーデンの落ち葉を拾ってみましょう、と提案し、生徒たちが思い思いの落ち葉を手にしたところで質問をしました。

「みんなが拾ったこの落ち葉、色は何色かな?」


落ち葉の色は?西村氏(右)と地元中学生

ほとんどの生徒が「赤」「黄色」「茶」と応えたことを確認した西村氏は、「じゃあ、このカラー・チャート(色の名称が記載されている色見本)の中から、一番近いと思う色を探してごらん」と、促しました。

単なる「赤」と思いきや、カラー・チャートをめくると紅樺、茜、朱、臙脂、小豆、雀茶・・・。数え切れないほどの「赤」の中から、一枚の色を選び出した生徒は「深緋色(こきひいろ)」と、読み上げました。
生徒たちにとっては、初めて聴く「色の名前」だったようです。


一番近い色はどれ?カラー・チャートより探す

一つひとつの色がまったくちがう名前を持っていることに感心した一同は、それらの名前の多くが、“自然”に由来していること、古来より日本人が色に対して鋭敏な感覚を身に付けていたことを西村氏のレクチャーから学び、目を見張りました。

「これが日本の伝統色です。君たちは、こんなに繊細に色を見分け、名づけている日本の文化に、もっと誇りをもっていいと思いますよ。そして、こんなに素敵な名前をつけてくれた昔の人々ような細やかな心をもって、自然に親しんでください」

とてもシンプルなワークショップでしたが、後日、顧問の先生から嬉しいご報告をいただきました。「生徒も私もとても興味をもったので、美術部でカラー・チャートを購入することにしました。日本の伝統色をもっと学びたいと思いますので」



次回の「新緑の森を散歩」、西村氏は、どんな自然の愉しみ方を教えてくださることでしょう。
散歩や身近な自然観察に興味をおもちの方、風景の撮影が好きだけれどコツがわからないという方、野生動物の生態を知りたい方。
鮮やかな緑きらめく午後のひととき、西村豊氏とK・MoPAで過ごしてみませんか?

「自然写真家・西村豊と新緑の森を散歩」 
●日時:2009年4月25日(土)午後1時~3時
   15分前にK・MoPAチケット・カウンター前にご集合ください。
●講師:西村豊(自然写真家)
●参加費:入館料のみ(友の会・会員は無料)
*小学生か中学生5名以上を引率される先生、または父兄の方は、お申し込みの際にお申し出ください。
教育の一環として全員が無料で参加いただけます。
●ご予約:まで。(当日も受付けます)

文責:広報主任・小川直美  写真:藤原佳子

■ヤング・ポートフォリオ(YP)専用のサイトをオープンしました

2009年2月21(土)より、昨年度のヤング・ポートフォリオ・コレクションの 全作品を発表する「2008年度ヤング・ポートフォリオ」(YP)展を開催いたします。
同時に、早くも次回YP応募シーズンの始まりです。
そこで、今年作品を応募したいと考えている方 (YPの規定により1974年1月1日以降生まれの方に限ります)に 大切なお知らせです。
K・MoPAでは、2009年度より応募システムを大幅に変更し、 可能な方は、Web登録を行なっていただくことになりました。
新しく立ち上げた応募用のサイトはhttp://yp.kmopa.org/ です。
応募の場合は、必ずこのサイトをご確認ください。
また、このサイトでは、1995年度以来、ヤング・ポートフォリオ(YP)にて 作品を購入した作家名や、人数、選考委員などが年度ごとに閲覧できるほか、 YP購入作家の現在の活動状況などがすぐにわかるコーナーを設けています。
お気に入りのYP作家の個展を見たい、作家とコンタクトをとりたい方などは必見で す。
どうぞ、新しいサイトhttp://yp.kmopa.org/に、これからもご注目ください。

文責:広報主任・小川直美