35歳以下の世界の若手写真家にとって原点となるような優れた作品を後世に残す活動として、1995年よりスタートした公募・展示・収蔵プロジェクト、「ヤング・ポートフォリオ(YP)」。
2026年は、河口湖への移転準備として、拠点を甲府オフィスに移しました。
YPは、データによる一次選考や、プリント作品の受け入れ・開梱・ナンバリングなど、目に見えない作業を数多く伴うプロジェクトです。昨年までは、こうした下準備から選考会まですべてを清里で行ってきましたが、今回はスペースの都合により、下準備を甲府オフィスで、選考会を半蔵門ミュージアムで、と初めて会場を分けて実施しました。半蔵門ミュージアムでの選考会開催も、今回が初めてです。

2026年2月10日~3月10日の第31回YP応募期間には、世界25ヶ国・379人から7,529点の作品データが寄せられました。データによる一次選考を通過した13の国と地域の、85人によるプリント作品は、5月に無事、甲府オフィスに届きました。
7月31日、選考会は会場を移し、当館の姉妹館である半蔵門ミュージアム(東京都千代田区)にて初日を迎えました。第31回YPの選考委員は、百瀬俊哉氏、ラファル・ミラフ氏(通訳:小川潤子氏)、古賀絵里子氏、瀬戸正人氏(当館・館長)です。
特筆すべきは、百瀬、ミラフ、古賀の3氏が、いずれも当館がYPで収蔵した写真家だということです。(当館ではそうした作家を“YPOB”と呼び、収蔵作家として交流を続けています。)

それでは、今後の選考委員は、YPOBだけが務めることになるの? と思われる方もおられるかもしれません。もちろんYPOBならではの視点は大切にしていきますが、当館としては、YPに応募されたことのないベテランや、YPを知らなかった方、さまざまな事情で応募がかなわなかった方など、多様な立場の写真家の方に選考委員をお願いしていきたいと考えています。

選考会は、全3日間をかけて行いました。
一日目は、時間をかけてすべてのプリント作品と向き合った選考委員が、収蔵したいと思う写真家を選びました。ここで選ばれた写真家の作品が、収蔵候補として2日目の選考に進みました。
選考の合間には、プリントでご応募くださった一次通過者全員に向けて、選考委員が記念のサインを入れました。*作品の返却時に同梱します。


二日目は、選抜した写真家の「どの作品を購入するか」を決める重要な日でした。
作風も考え方も異なる選考委員が意見を交わし、納得がいくまで議論を重ねました。

最終日となる3日目は、全体講評を対談形式で行い、その様子を動画として収録しました。
今回の対談の司会・進行は、昨年当館の開館30周年記念展を担当されたキュレーターの楠本亜紀氏にお願いしました。選考委員それぞれが、今回の応募作への思いや、同じ写真家として若い写真家に贈るエールを語りました。

収録打合せ風景

全体講評会の収録
最終的には、21人の写真家による94点の収蔵を決定いたしました。
当館スタッフは、写真家一人ひとりと、収蔵にかかわる覚書を交わす準備を進めています。また、来年のYP展の準備、第32回YP選考委員とのコンタクトにとりかかっています。
YPは、一年間をとおしてひたすら準備を重ねるプロジェクト。清里フォトアートミュージアムの基本理念の柱として、今後も若手写真家の成長のために、継続してまいります。
<予告>
●第31回YP選考委員による対談動画は、編集が終わり次第公開し、本ページでお知らせいたします。
●「第31回ヤング・ポートフォリオ展」は、半蔵門ミュージアム(東京都千代田区一番町25)3Fスペースにて、2027年1月末~4月末に開催予定です。
こちらも日程が決まり次第、本ページにてお知らせいたしますので、どうぞお楽しみに。