NEWS Toggle

ロバート・フランク生誕100周年記念展「もう一度、写真の話をしないか。フランクと同時代の写真家たち」

 

ロバート・フランク Robert Frank《11丁目》1951年 11th Street, 1951 © The June Leaf and Robert Frank Foundation

ロバート・フランク Robert Frank《11丁目》1951年 11th Street, 1951
© The June Leaf and Robert Frank Foundation

 
 

開催概要

展覧会名: ロバート・フランク生誕100周年記念展
「もう一度、写真の話をしないか。フランクと同時代の写真家たち」
会  期: 2024年7月6日(土)~9月29日(日)
会  場: 清里フォトアートミュージアム
主  催: 清里フォトアートミュージアム委員会
特別協賛: 真如苑(社会貢献基金)
開館時間: 10:00~17:00(入館は16:30まで)
休 館 日 : 会期中7, 8月は無休、9月は火曜休館
入 館 料 : 一般800円(600円) 大学生以下無料
( )内は20名様以上の団体料金 *家族割引1,200円(2~6名様まで)
アクセス: 車にて:中央自動車道須玉I.C.または長坂I.C.より車で約20分
J R:中央本線小淵沢駅にて小海線乗り換え 清里駅下車、車で約10分

 
 
 

清里フォトアートミュージアムでは、2024年7月6日(土)から9月29日(日)まで、
ロバート・フランク生誕100周年記念展「もう一度、写真の話をしないか。フランクと同時代の写真家たち」を開催いたします。

 
ロバート・フランクの出現は、1950年代の写真界に衝撃を与えました。
 
1924年に生まれたロバート・フランクは、故郷のスイスで写真の基礎を学び、写真家としてのキャリアをスタートしていましたが、1947年頃から、街中で私的に撮影する、いわゆるストリート・フォトグラフィーを手掛けるようになりました。とりわけ、アメリカ大陸を横断して各地を撮影し、1959年に米国で出版された『アメリカ人』が大きな評判を呼び、写真家としての名前を不動のものにしました。
 
『アメリカ人』、そして当時その他の地で撮影されたものも含め、フランクの作品は詩的です。それまでのドキュメンタリー写真の多くが、プリントの質、コンポジションやフレームといった、物体としての写真の向上を目指したのに対し、フランクは作品に自身の直感的な感情を移入しました。そして私的なつぶやきの層を上重ねして、一見殺風景に見える瞬間を人間味のある情景に変容させました。写真家であると同時に詩人であったことにより、フランクの作品が見る者の心を動かしたのです。その作風は新たな表現手段として、写真史に刻まれることとなりました。
 
1995年の開館当初より、清里フォトアートミュージアムでは、35歳になるまでに撮影された、国内外の写真家による優れた作品を収集してきました。フランクの初期作品も、撮影当時に制作されたヴィンテージプリントを収蔵しており、2019年には氏の信頼のもと大規模な展覧会を開催しましたが、会期中に氏の訃報が入るという巡り合わせがありました。
 
2024年は、ロバート・フランク生誕100周年という節目を迎える年にあたります。今回は、フランクと同時代に国内外の作家20名が撮影した作品とともに、改めて氏の作品を展示いたします。日本、アメリカ、ヨーロッパで当時撮影された作品を並列し、写真史における1950年代を再考察すると同時に、フランクが写真界にもたらした大きなうねりを感じていただき、その生誕100周年を祝福して頂く機会となることを願います。
 
 
 

展示構成

ロバート・フランクが1947~1962年の間に撮影した、アメリカ、ペルー、フランス、スペイン、イギリス、イタリアより、写真集未掲載作品が半数を占めるオリジナルプリント約80点(予定)。
 
 
 

ロバート・フランク略歴

1924年、スイス、チューリッヒ生まれ。1947年、23歳で米、ニューヨークに移住。雑誌のファッション写真で生計を立てる一方、南米やヨーロッパへの撮影旅行を重ねる。1955、56年、グッゲンハイム財団の奨励金を得て、約9ヶ月間米国内を車で旅し、28,000枚を撮影。その中から選んだ83枚で、1958年フランスにて写真集『Les Americains』を、翌年アメリカ版『The Americans』を出版。1958年以降は、写真を離れて映画に集中し、これまでに20本を制作。ニューヨークとカナダのノバ・スコシアに美術家のジューン・リーフと暮らしていたが、2019年、清里フォトアートミュージアムで展覧会を開催中に逝去。享年94歳。
 
 
 

広報用画像

ロバート・フランク Robert Frank《パリ》1950年 Paris, 1950 © The June Leaf and Robert Frank Foundation

ロバート・フランク Robert Frank《パリ》1950年 Paris, 1950
© The June Leaf and Robert Frank Foundation

 
 

ロバート・フランク Robert Frank《テネシー州チャタヌーガ》1955年 Chattanooga, Tennessee, 1955 © The June Leaf and Robert Frank Foundation

ロバート・フランク Robert Frank《テネシー州チャタヌーガ》1955年 Chattanooga, Tennessee, 1955
© The June Leaf and Robert Frank Foundation

 
 
ロバート・フランク Robert Frank《リバー・ルージュの自動車工場 デトロイト》1954年 River Rouge Plant, Detroit, 1954 © The June Leaf and Robert Frank Foundation

ロバート・フランク Robert Frank《リバー・ルージュの自動車工場 デトロイト》1954年 River Rouge Plant, Detroit, 1954
© The June Leaf and Robert Frank Foundation

 
 

ロバート・フランク Robert Frank《チューリッヒ》1952年 Zurich, 1952 © The June Leaf and Robert Frank Foundation

ロバート・フランク Robert Frank《チューリッヒ》1952年 Zurich, 1952
© The June Leaf and Robert Frank Foundation

 
 
 

同時開催

フランクと同時代の写真家たち
展示作家数 20名  展示数 約60点
 
今から約190年前に発明された写真という技術は、時代とともに進化し、様々な分野で開花しました。なかでも、写真に備わる、記録・伝達といった機能を活かしたドキュメンタリーは、小型カメラの発展に伴い、20世紀に入って多様な形状で進展を続けました。それまでは客観性や社会性、ヒューマニズムが重要視されていたジャーナリスティックな作風から、次第に個性が尊重される時代となっていきました。同じ1950年代に撮影された様々なドキュメンタリー作品を並列することによって、その変遷を辿ります。
 
 
出品作家一覧:
ワーナー・ビショフ、ロベール・ドアノー、エド・ヴァン・デル・エルスケン、エリオット・アーウィット、細江英公、石元泰博、イジス、アンドレ・ケルテス、川田喜久治、ウィリアム・クライン、O. ウインストン・リンク、三木淳、奈良原一高、長野重一、デイヴィッド・シーモア“シム”、W. ユージン・スミス、田沼武能、東松照明、ウィージー、ダン・ワイナー
 
 
 

見どころと時代背景

【ウィリアム・クラインによる「東京」】
フランクと並びドキュメンタリー写真に新しい風を吹き込んだと言われるウィリアム・クライン。当時アメリカではヨーロッパ人の活躍が多かった中、ニューヨーク生まれのクラインは、パリを拠点に活動していました。1961年撮影の代表作とも言える「東京」から11点を展示します。
 
 
【写真家の活躍の場は、当時ヨーロッパだった】
フランクの代表的な写真集『アメリカ人』は、パリ在住の編集者、ロベール・デルピールにより出版されました。当時デルピールは、アメリカで活動する写真家をほとんど知らず、エルスケン、イジス、ドアノー、ビショフなどの作品を扱っていました。デルピールによるフランクの最初の写真集は、同じスイス人ビショフとの共著でした。
 
 
【アメリカで活躍する海外の写真家たち】
フランクをはじめ、当時アメリカで活躍していた多くの写真家は、ヨーロッパからの移住者でした。警察無線を駆使して報道写真に徹した、ウクライナ生まれのウィージー、近代写真の父と呼ばれる、ハンガリー生まれのアンドレ・ケルテス、フランクと公私に渡る親交があったフランス生まれのエリオット・アーウィット。アウトサイダーの目で捉えた「アメリカ的なもの」が視覚化されてゆきました。
 
 
【一方、アメリカ生まれの写真家たちは―】
アメリカで生まれて写真家を志した、鉄道の写真で知られるO. ウィンストン・リンク、W. ユージン・スミスのスパニッシュ・ヴィレッジやシュバイツァー博士のポートレイトなどの名作も必見です。
 
 
【その頃、日本では―】
1953年、シカゴから石元泰博が帰国したことは、日本の写真界に転機をもたらすきっかけとなったのかもしれません。後に写真家による共同事務所となった「VIVO」を形成するメンバーを含む、戦後日本で頭角を現してきた写真家たちの貴重なオリジナルプリントも、同時に展示します。
 
 
 

会期中のイベントについて

当館公式HP http://www.kmopa.com/のニュースコーナー、または下記SNSをご覧ください。
 
・Facebook https://www.facebook.com/kmopa/
・X https://twitter.com/kmopa
・Instagram https://www.instagram.com/kmopa2024/
 
 
 

K・MoPAとは

清里フォトアートミュージアム / Kiyosato Museum of Photographic Arts = KMoPA(ケイ・モパ)1995年、写真専門の美術館として山梨県北杜市に開館。館長は写真家の細江英公、副館長は写真家の瀬戸正人。
下記3つの基本理念に沿い、活動29年目を迎えます。
 
1. 生命(いのち)あるものへの共感、
2. 永遠のプラチナ・プリント、
3. 若い力の写真:ヤング・ポートフォリオ
*「ヤング・ポートフォリオ」(YP)とは、35歳以下の若手写真家を支援する世界で唯一の文化貢献活動です。
 
 
 

お問い合わせ

取材のお申込み、画像データにつきましては
info@kmopa.comTEL:0551-48-5599 までお問い合わせください。
 

「みさおとふくまる」のエピソード満載! 伊原美代子トークを終えて

 
2024年5/4(土)13:00~13:40、写真家でYPOBでもある伊原美代子さんが、実の祖母とオッドアイの飼いねこをハートフルにとらえ、写真集でも人気の高い「みさおとふくまる」。YPでコレクションした22点の展覧会に併せ、伊原さんをお迎えしてギャラリー・トークを行いました。朝早く遠方から駆け付けたファンもいらっしゃり、展示作品を鑑賞しながら、楽しいエピソードを語っていただきました。
 
 

トーク・イベント中の伊原美代子さん(向かって右側。左側は当館職員)展示期間中のパトリにて開催。自身の作品を背に、撮影中のエピソードなどを語られた

右:伊原美代子さん

 
 
伊原「最初は祖母(みさおさん)一人だけの撮影で、ふくまるが画面に入ってこないようにちょっとどいてよって、つまみだしていたんです(笑)」。
いわゆる記念写真風に、ついポーズをとったりしてかまえてしまうみさおさんが〝自然な″撮影に慣れてくれるまで説得すること、なんと一年半。思いのほか、時間がかかっていたのですね。でも、途中でねこと人間のツーショットがフォトジェニックだと気付き、「みさおとふくまる」の撮影がはじまりました。
 
 

伊原美代子《みさおとふくまる》2011 ⒸMiyoko Ihara 田んぼの間を三輪自転車で走っていくみさおさんを少し離れたところから撮影した写真。ふくまるはリアかごの中でお座り、カメラの方を真っすぐ見つめている。

伊原美代子《みさおとふくまる》2011 ⒸMiyoko Ihara

 
 
カメラ目線の多いようにみえる「ふくまる」ですが、撮られていることを、どう感じていたのでしょう。
伊原「黒い物体をいつも自分に向けてくるな、それで何かしているな、とは感じていたようです。」
青々とした田んぼのあぜ道を、自転車のカゴにふくまるを乗せて走るみさおさんを望遠レンズでとらえたシーン。
伊原「ふくまるは、遠くから、あ、また黒いのを向けているな、と意識してこっちをみていますが、耳の角度で、またかよ、と、ちょっと嫌がっていることがわかるんですよ」
伊原さんの鋭い観察眼がかいまみえた言葉でした。
 
 

伊原さん

 
 
いつもはおとなしい「ふくまる」でしたが、猛ダッシュで助走しては高い棒のてっぺんによじのぼることがよくありました。そのシーンをとらえたモノクロの展示作品を見ながら
伊原「でもいつも自力で降りられず、私が救出していたんですよ。なんで毎回同じことするのかなって(笑)。かなり晩年になるまで、やってました」
 
 

トークの様子を後列から撮影した写真。アウトドア風のチェアに座っていただいた、参加者たちの後ろ姿が写っている。展示された作品を見ながらそのエピソードが聞けるなど、距離の近いイベントになった

 
 
伊原さん自身が一番好きな作品は秋の日差しがふりそそぐ紅葉の中の一人と一匹。うつろう四季をとらえるのも実はむずかしかったけれど、この一枚には達成感があったといいます。
 
 

伊原美代子《みさおとふくまる》2012 ⒸMiyoko Ihara 伊原さんが最も好きな作品で、秋の日差しがふりそそぐ紅葉の中の一人と一匹。干し草の山のようなところに腰掛けたふたりの背後から温かなオレンジの日差しがふりそそぐ。みさおさんはふくまるの顔を見つめている

伊原美代子《みさおとふくまる》2012 ⒸMiyoko Ihara

 
 
季節の行事やパーティーがもともと大好きだったみさおさん。ご主人を亡くされたあとも、クリスマスや米寿をちゃんとお祝いして、孫の伊原さんとふくまるとの撮影も存分に楽しんでおられたとのこと。米寿の写真のケーキは伊原さんの手作りでした。
 
 

伊原美代子《みさおとふくまる》2012 ⒸMiyoko Ihara 中心にはふくまるの顔の形をしたケーキ。伊原さんが手作りしたもので、みさおさんの米寿をお祝いするもの。「88」の形をしたキャンドル、一字ずつ星の中に書かれた「米」「寿」の文字。ふくまると同じ、右目がイエロー・左目がブルーのオッドアイ。向かって左側には頭巾とちゃんちゃんこを着て笑顔のみさおさん。右側には座卓に両前足をついて身を乗り出すふくまる。首元にはゴールドの蝶ネクタイ

伊原美代子《みさおとふくまる》2012 ⒸMiyoko Ihara

 
 
伊原「年月を重ねるうちに、ああ、このままずっとこの時が続くわけではないんだな、と気づいて、それからは、この一瞬、一日を大切にしようという思いを深めながらの撮影でした。」
写真集の出版とともに、いつしか海外からもSNSで多くのコメントが寄せられるように。ネットで翻訳しながら、ひたすら返信した日々の中、これほど多くの人とコミュニケーションができる写真の力にも驚いたそうです。
 
 

写真集の見返しにサインを書く伊原さん

 
 
今回は初めてKMoPAにご来館くださった方々も多く、持参された写真集にサインをもとめられる方もおらました。伊原さん、そしてご参加くださったみなさま、本当にありがとうございました!本展覧会は、5/26(日)まで開催中です。
 
 

伊原美代子写真展「みさおとふくまる」
会場:清里フォトアートミュージアム内「パトリ」(入場無料)
会期:4/20(土)~5/26(日)10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:火曜日

 

フォトコラージュアートワークショップ 講師:高島空太(写真家・現代作家)

第1回目:5月12日(日)13:00-16:00 ※参加費無料 申込締切5/2(木)17:00まで
定員に達しましたので、受付を終了させていただきます。
 
第2回目:7月21日(日)13:00-16:00
 

展示・講評会:10月20日(日)13:00-16:00
 
会場:清里フォトアートミュージアム
 
主催:清里フォトアートミュージアム、水の山こども情報局

 

 

 

ShutDown