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2021年度ヤング・ポートフォリオ展

Young Portfolio Acquisitions 2021

会  期: 2022年3月19日(土)~5月30日(月)

会  場: 清里フォトアートミュージアム

主  催: 清里フォトアートミュージアム委員会

特別協賛:真如苑(社会貢献基金)

開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)

休 館 日: 毎週火曜日、但し5月3日は開館、 3月18日(金)までは冬季休館

■2021年度ヤング・ポートフォリオ(第27回)データ

選考委員:アントワン・ダガタ、金村 修、瀬戸正人(副館長)、細江英公(館長)

作品募集期間:2021年2月15日~3月15日

応募者数:278人(世界27カ国より) 応募点数:7,285点

購入者数:21人(国内9人・海外12人 /8カ国)

     日本/アメリカ/中国/タイ/台湾/チェコ/ポーランド/ロシア

購入点数:106点(全作品を展示いたします)

東欧、米、アジアから日本まで、2021年度収蔵作品106点を一堂に展示

コロナ禍を越えて青年の情熱が結集

  清里フォトアートミュージアム(K・MoPA/ケイモパ、山梨県北杜市)は、3月19日(土)から5月30日(月)まで「2021年度ヤング・ポートフォリオ」展を開催いたします。

ヤング・ポートフォリオ(YP)とは、K・MoPAが開館以来27年間毎年開催している、世界の35歳までの青年の作品を公募・購入・展示する文化活動です。本年も世界27カ国、278人、7,285点の応募作品のなかから厳選された、21人による106点を展示します。

2021年度YPの作品募集も、コロナ禍の困難な状況下に実施しました。フランスから選考委員として招聘したアントワン・ダガタは、来日ができませんでしたが、データによるジャッジに切り替え、無事に選考を終了しました。世界的な困難を超えてK・KMoPAに結集した若手写真家の情熱を、本展で感じていただければ幸いです。

2021年度ヤング・ポートフォリオ(以下YP2021)の見どころ

購入者の21名は1986年から1997年に生まれた世代です。その作品の多くが、世界が初めて体験したコロナ禍の最中、2019年から2020年に制作されています。金村修選考委員は「閉塞感や生き辛さを感じる作品が多かった」と全体の印象を語りました。一方で、進化を続けるデジタル技術とは対極の、フィルムでしか表現できない色彩や独特の濁りを作品に取り入れたり、フィルム自体を直接糸で縫い合わせたり、敢えて“手”を加える作品が見られたことも特徴的でした。その変化から新たなコンセプトが生まれ、発展する可能性を感じることができます。本展より5人の作品をご紹介します。

ジェシー・エグナー(アメリカ、1993)

「ぼくの心の裡にはいつもゲイと肉体の葛藤がある」と語るエグナー。不条理、ユーモア、不気味さなどを写真に捉えることが、自身の複雑なアイデンティティの揺らぎから上手く切り抜けるツールとなり、同時に作品の個性となっています。

ジェシー・エグナー Jesse EGNER(アメリカ、1993)無題〈性同一化〉シリーズより 2019
Untitled, from “Disidentifications” series    

 

ピョートル・ズビエルスキ(ポーランド、1987)

YP2012からほぼ毎年収蔵しており、作品の総数は今回のYP2021で61点となります。ポーランド国内での撮影からインド・アジア・アフリカへと目を向け、壮大なオデッセイを展開していましたが、コロナ禍に入り、再びヨーロッパにて撮影。一貫して被写体への好奇心にあふれ、偶然性や普遍性、独特の暗さと謎めいたイメージが毎年選考委員の目を惹き付けています。

ピョートル・ズビエルスキ Piotr ZBIERSKI(ポーランド、1987)無題〈木霊・翳〉シリーズより 2017    Untitled from Echoes Shades series      

 

アレクサンダー・エゴロフ(ロシア、1987)

「消費主義、失敗と欠陥の美学、現代の視覚言語に特に興味を持っている」と語るエゴロフ。今回はYP2017に次ぐ、2度目の収蔵となりました。前回はファッションを強く意識した作品でしたが、今回は、日常に埋もれるモノの魅力を強烈なストロボの光であぶり出しています。

アレクサンドル・エゴ Alexander YEGOROV(ロシア、1987)   NN号室(ビーニー帽をかぶった牛のポスター) 2016
Apt. NN (Cow wearing beanie poster)     

 

野々山裕樹(日本、1991)

入院時に、病室の机の上で、過去に撮影したモノクロフィルムを切断し、さらに透明テープや糸で縫い合わせたものがこの作品の原板となっています。フィルムの物質性を生かしながら、破壊と接合という不可逆的な行為により、複雑な印象をもたらしています。

野々山裕樹 NONOYAMA Hiroki(日本、1991)
ICU 2018

 

Ryu Ika(中国、1994)

複数のイメージをコラージュした作品を展示し、さらにその展示風景を撮影して作品化しています。また、複数の画像をデジタル処理した作品もあり、どちらも、それぞれのイメージが内包する“層”を強烈に露出させています。2021年度で3回目の購入となります。2018年度YPにおいて川田喜久治選考委員が「グロテスクな目を持った写真家」と評したRyu Ika。今回も独自の世界を力強く展開しています。

Ryu Ika(中国, 1994) The Second Seeing_Back Stage2  2020

 

YP2021作品購入作家

=過去のヤング・ポートフォリオでも作品を収蔵した作家

1. ジェシー・エグナー Jesse EGNER(USA, 1993)

無題〈性同一化〉シリーズより   2019       

Untitled, from “Disidentifications” series

2. 淵上裕太 FUCHIKAMI Yuta(Japan, 1987)

東京・上野公園 2020
Ueno Park (Tokyo)

3. 韓雪 HAN Xue (China, 1997)

They call the year the future was to arrive(未来が到来する年と人は呼ぶ)2020

4. エリザベス・ハウスト Elizabeth HAUST(Russia, 1992)

one, two, three, four…(1、2、3、4…)  2019

5. 林 朋奈 HAYASHI Tomona(Japan, 1986)

フラグメントライト 2019  Fragment light

6. シェリー・ホアン Sherry HUANG(Taiwan, 1986)

The Dark I Cannot Name (Borges)  2018
名付けようのない闇(ボルヘス)

7. 狩野 萌 KANO Megumi(Japan, 1992)

MARIA Y MEGUMI SOUTH AMERICA 2016

8. ダーシャ・カレトニコワ Dasha KARETNIKOVA (Russia, 1996)

Quarantine_E53 2020
検疫_E53

9. クー・ジャーリー KOO Jia Lih (Taiwan, 1998)

Emerging from the wilderness  2019
荒れ地に出現する

10. 久野梨沙 KUNO Lisa (Japan, 1987)

木ートレート  2019
Portrait of the Tree

11. シャクリット・リーラチュポン

Chakrit LEELACHUPONG (Thailand, 1988)

The White Wall  2016

12. 前川光平 MAEKAWA Kohei (Japan, 1993)

Yard(2021) No.4 2020

13. 七海 愛 NANAMI Chica (Japan, 1986)

somewhere, anywhere, nowhere…   2020

14. 野々山裕樹 NONOYAMA Hiroki (Japan, 1991)

ICU  2018

15. Ryu Ika (China, 1994)

A part of u/me_did you see   2019

16. 富樫達也 TOGASHI Tatsuya (Japan, 1989)

像の旅   2018
Traveling Image

17. ヤン・ブラノブセキ Jan VRANOVSKÝ (Czech Republic, 1986)

Untitled (Parallel World series, Nobeoka, 2018)
無題(“パラレル・ワールド”シリーズより、延岡、2018)

18. 山本雅紀 YAMAMOTO Masaki (Japan, 1989)

我が家2 2020
GUTS2

19. アレクサンドル・エゴロフ(ロシア、1987)

Food (white tablecloth with pie and salad)  2018
食べ物(パイとサラダののった白いテーブルクロス)

20. ピョートル・ズビエルスキ Piotr ZBIERSKI (Poland, 1987)

Untitled from Echoes Shades series  2017            

無題〈木霊・翳〉シリーズより

21. アリョーナ・ランダーロワ Alena ZHANDAROVA (Russia, 1988)

“The girl on the cupboard” from the series “The City of Brides”   2011
《戸棚の上の少女》〈花嫁たちの都市〉シリーズより

4人の選考委員の初期作品を展示

アントワン・ダガタ、金村 修、瀬戸正人(副館長)、細江英公(館長)の初期作品、すなわち“選考委員のヤング・ポートフォリオ”作品(各5点、全20点)を、同時に展示いたします。

選考風景(左から)金村修氏、瀬戸正人氏

選考委員略歴

アントワン・ダガタ(Antoine d’Agata, フランス、1961-)

1961年、フランス・マルセイユに生まれる。1980年頃から10年間、ヨーロッパ、中米、アメリカなど世界各地を放浪。1990年、ニューヨークの国際写真センター(ICP)にて写真を学ぶ。2001年、ニエプス賞受賞。2004年、『Insomnia (不眠症)』で第20回東川賞・海外作家賞を受賞。2004年マグナムに参画、2008年より正会員。2020年1月、コロナ禍の現状を撮影した832ページにおよぶ写真集『VIRUS』を出版し、2021年11月には1986年から2021年の間メキシコを撮影した『PRAXIS』を出版した。

金村 修(日本、1964-)

東京綜合写真専門学校在学中、新聞配達のアルバイトをしながら都市の風景を撮り始める。在学中に招待されたロッテルダム写真ビエンナーレを皮切りに内外にて発表活動を行う。1996年、世界の注目される6人の写真家のひとりに選ばれ、ニューヨーク近代美術館の「New Photography 12」に出品。日本写真協会新人賞、土門拳賞など受賞多数。近年は、カラー作品やインスタレーション、映像作品など幅広い展開を見せている。

瀬戸正人(タイ/日本、1953-)

1953年、タイ国ウドーンタニ市に生まれ、1961年、父の故郷、福島県に移り住む。1975年、東京写真専門学校(現・東京ビジュアルアーツ)卒業。在学中、森山大道氏に大きな影響を受ける。森山氏の紹介で岡田正洋事務所に勤務し、コマーシャル撮影を学ぶ。深瀬昌久氏の助手を務めたのち独立。1983年「Bangkok 1983」にて初個展。1987年、自らの発表の場としてギャラリー「PLACE M」を開設し、現在も運営中。『《バンコク、ハノイ》1982-1987』で日本写真協会新人賞、〈Silent Mode〉と〈Living Room Tokyo 1989-1994〉で第21回木村伊兵衛写真賞受賞。自伝エッセイ『トオイと正人』で第12回新潮学芸賞受賞。近作に『binran』、『Cesium/Cs-137』などがある。展覧会「記憶の地図」(東京都写真美術館、2020年)に対して、2021年第37回写真の町東川賞国内作家賞を受賞。2021年4月清里フォトアートミュージアム副館長に就任。

細江英公(日本、1933-)

舞踏家・土方巽を被写体とした「鎌鼬」や、三島由紀夫を被写体とした「薔薇刑」(1963)など、特異な被写体との関係性から紡ぎ出された物語性の高い作品により戦後写真の転換期における中心的な存在となる。東京工芸大学名誉教授。1995年より当館初代館長。2003年、「生涯にわたり写真芸術に多大な貢献をした写真家」として英国王立写真協会より創立150周年記念特別勲章を受章したほか、2010年、文化功労者。2017年、写真家として初めて生前に旭日重光章を受章した。

©Jean-Baptiste Huyn

 

関連印刷物&YPデータベース

YP2021小冊子(A5サイズ、32ページ)

各作家の作品数点、選考委員による対談や作品へのコメントを掲載。来館者には無料で配布いたします。

YPデータベースには、過去20年余にわたる世界の若手写真家による収蔵作品画像のほか、作家略歴、アーティスト・ ステートメントを掲載しています。作家名、収蔵年、国籍などで検索することができます。 様々な調査・研究の対象としてもご利用いただければ幸いです。▶︎▶︎▶︎www.kmopa-yp.com

2022年度ヤング・ポートフォリオ作品募集 YP’22

<一次選考・データによる応募> 2022年1月10日〜2月10日(必着)

 *2022年度募集は終了いたしました!内外より多数のご応募、ありがとうございました。

<二次選考(一次選考通過者のみ)・プリントによる応募>

2022年4月30日まで(必着)

[2022年度選考委員]アントワン・ダガタ、野口里佳、瀬戸正人(副館長)

[特別選考委員]細江英公(館長)

・本募集より応募料が無料となりました。

清里フォトアートミュージアムならびに若手写真家を支援する「ヤング・ポートフォリオ」(YP)は、1995年の開館以来、真如苑の社会貢献助成金により活動を行っています。この度の「2022年度ヤング・ポートフォリオ」募集にあたり、より多くの若手写真家に門戸を開くため、応募料を無料とさせていただきます。

・応募対象者は「1987年1月1日以降生まれ」の方です。

・詳細および募集要項

www.kmopa.com/yp_entry

 

細江英公の写真:暗箱のなかの劇場

The Photographs of Eikoh Hosoe: The Theatre Within the Dark Box

 

会期:2021年7月17日(土)~12月5日(日)

休館日:毎週火曜日(7/17~8/31は無休)

開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)

 

細江英公の回顧展「細江英公の写真:暗箱のなかの劇場」を7月17日(土)~12月5日(日)まで開催
半世紀余にわたり、独自の美学を展開し、国際的に高い評価を得て来た細江英公の代表作およびデビュー作から近作、映像作品まで約160点を展示

清里フォトアートミュージアム(K・MoPA/ケイモパ、山梨県北杜市)は、7月17日(土)から12月5日(日)まで「細江英公の写真:暗箱のなかの劇場」展を開催します。
当館・館長である写真家の細江英公(88)は、戦後日本の写真を切り拓く中心的な存在として、長年にわたり活躍し、世界的にも高い評価を受けている写真家です。戦後、記録を重視するリアリズム写真が時代を席巻するなかで、写真家は被写体との関係性によって表現をつくり出していくもの、との認識に立ち、エロスと肉体のテーマに挑んだ『おとこと女』(1961年)、三島由紀夫を被写体とした『薔薇刑』(1963年)、舞踏家・土方巽と幻想世界を創出した『鎌鼬』(1969年)など、物語性の高い作品を次々と発表しました。本展では、これらの代表作を発表時のヴィンテージ・プリントにてご覧いただきます。また、初のデジタル撮影による立体作品〈人間ロダン〉(2008年)、1960年制作の映像作品《へそと原爆》、知られざる写真絵本など約160点を展示します。
「暗箱(あんばこ)」とは大きな箱型のカメラのことをいいます。一人の表現者が暗箱を通して繰り広げてきた半世紀にわたる芳醇な写真世界を振り返ります。

細江英公の歩み
■写真家を目指すきっかけ

《ポーディちゃん》1950年

細江英公は1933年、山形県米沢市に生まれ、すぐに東京へ移ります。写真家を目指すきっかけとなったのは、18歳の時、「富士フォトコンテスト」学生の部最高賞(1951)を受賞したことでした。その受賞作が《ポーディちゃん》。細江は当時、英語を学ぶことに興味を抱き、知人の紹介で米軍居住地を訪れていました。そこで遊ぶ子どもたちを、父親から譲られた英・ソルントン・ピッカード社の中型カメラで撮影したのです。手ブレしないように蛇腹付きの重いカメラを芝生の上に置き、自分も腹這いになり、少女と同じ目線で撮影した写真が、学生の部の一位となったのです。その受賞がきっかけとなり、東京写真短期大学(現・東京工芸大学)へ進学します。

■時代を切り開くアーティストたちとの出会い
東京写真短期大学(現・東京工芸大学)へ入学と同時に、当時の既成の美術団体や権威主義を否定し、自由と独立の精神による制作を目指すデモクラート美術家協会を主催していた前衛美術家・瑛九(えいきゅう、1911-1960)と出会います。また、幅広いジャンルの美術家と交流したことは、細江の作家活動に決定的な影響を与え、原点となりました。記録を重視するリアリズム写真が時代を席巻するなかで、細江は自己の内面的な意識を写真として表現することを模索し続けました。

■暗箱のなかの劇場
暗箱(あんばこ)とは、大きな「箱型のカメラ」を指し、また「カメラ」はラテン語で“部屋”を意味する言葉です。18歳の細江のデビュー作となった《ポーディちゃん》を撮影したのは、上から覗き込んで撮るタイプの“暗箱”カメラでした。その世界に魅了された細江は、やがて芸術家の肖像や舞台空間などを捉え始めます。

■20代より次々に話題作を発表

《薔薇刑 作品5》1961年︎

写真家が表現すべきものは、被写体の側にすでにあるものではなく、写真家と被写体との関係性においてつくり出していくものとの認識に立ち、安保闘争に揺れる1961年に発表した『おとこと女』では、肉体を裸体のオブジェにまで解放し、二つの性が対等に拮抗するドラマを鮮烈に描きました。そして、三島由紀夫を被写体にバロック的な耽美空間を構築した『薔薇刑』(1963年)、舞踏家・土方巽を被写体に東北地方の霊気と狂気の幻想世界を創出した『鎌鼬』(1969年)など、物語性の高い作品を次々と発表しました。

■日本から世界へ
1969年にはアメリカで初めて細江の個展が開催されました。日本では未だ写真が印刷原稿の一部と考えられていた時代に、アメリカのギャラリーでは既に作品が販売され、美術館で収蔵されていました。細江は、その事実をきっかけに、写真家自身が製作する“オリジナル・プリント”の重要性に目覚めます。以後、アメリカを中心として海外にも発表の場を広げ、ワークショップを始めとする写真教育、写真のパブリック・コレクションの形成など、社会的な活動にも注力するようになりました。1974年には、肉体を高度に抽象化して生命のエッセンスを抽出した『抱擁』を発表。また、スペインの建築家ガウディに魅せられ、細江が「魂を持つ巨大な肉体」と表現するその建築を撮影し、新たな世界を開示します。1992年からは、世紀末を迎える時代への危機感を背景とし〈ルナ・ロッサ〉を手がけ、また、2010年には初めてデジタルカメラで撮影した〈人間ロダン〉を発表しました。
本展では、1950年撮影の《ポーディちゃん》のヴィンテージ・プリントをはじめ、代表作の数々、また、知られざる写真絵本の世界など約160点を展示し、一人の表現者が繰り広げてきた半世紀以上にわたる芳醇な写真世界を振り返ります。展示作品は一部を除き当館の所蔵作品です。

■清里フォトアートミュージアム館長として
清里フォトアートミュージアムは、1995年に開館し、昨年25周年を迎えました。開館25周年を記念し、初代館長である細江英公の個展を予定しておりましたが、コロナ禍のため、本年の開催となりました。
開館にあたり、細江は、清里フォトアートミュージアムの基本理念のひとつである「若い力の写真:ヤング・ポートフォリオ」を発案しました。ヤング・ポートフォリオとは、35歳までの世界の写真家の作品を公募・選考の後に購入し、永久コレクションすることによって若手写真家を支援・育成する活動です。世界でもユニークなこの活動により写真文化に寄与して来たことが高く評価され、2004年公益社団法人日本写真協会より文化振興賞を受賞いたしました。

細江 英公・略歴
1933年、山形県米沢市に生まれ、東京で育つ。1951年、富士フォトコンテスト・学生の部最高賞受賞をきっかけに、写真家を目指す。1956年「東京のアメリカ娘」で初個展。1959年、東松照明、奈良原一高、川田喜久治らとともに写真家によるセルフ・エージェンシー「VIVO」を結成、戦後写真の転換期における中心的な存在となる。海外でも数多くの展覧会が開催される一方で、国内外でワークショップをはじめとする写真教育やパブリック・コレクションの形成等、社会的な活動にも力を注いだ。2003年「生涯にわたり写真芸術に多大な貢献をした写真家」として、英国王立写真協会より創立150周年記念特別勲章を受章。2007年、写真界のアカデミー賞といわれるルーシー・アワード(米)のビジョナリー賞を日本人として初受賞。2007年、旭日小綬章、2008年、毎日芸術賞を受賞。2010年にはナショナル・アーツ・クラブ(米)より、写真部門の生涯にわたる業績賞を日本人で初めて受賞。同年、文化功労者として顕彰された。2017年、旭日重光章を受章。東京工芸大学名誉教授。1995年より清里フォトアートミュージアム初代館長。

展示作品・シリーズ(制作年順)
《ポーディちゃん》他初期作品 1950-54年
〈おとこと女〉1959-60年
《へそと原爆》(映像作品 脚本・監督・撮影・編集)1960年
〈たかちゃんとぼく〉(写真絵本)1960年
〈おかあさんのばか〉(写真絵本)1964年
〈抱擁〉1960-70年
〈大野一雄〉1960-1997年
〈薔薇刑〉1961-62年
〈鎌鼬〉1965-68年
〈知人の肖像〉1965-72年
〈シモン・私風景〉1970-71年
〈ガウディの宇宙〉1977-84年
〈ルナ・ロッサ〉1992-96年
〈人間ロダン〉2008-10年
特別展示横尾忠則《土方巽と日本人 - 肉体の叛乱》ポスター 1968年
英・ソルントン・ピッカード社カメラ「ジュニア・スペシャル」(1950年、細江が《ポーディちゃん》を撮影したカメラと同型)

 
会期中の入館無料デー(どなたでも無料でご入館いただけます)●11月8日(月)八ヶ岳の日
●11月20日(土)山梨県民の日
 

1. 《おとこと女 作品1》1960年

 

2. 《おとこと女 作品20》1960年

 

3. 《鎌鼬 作品8》1965年

 

4. 《鎌鼬 作品17》1965年

 

5. 《抱擁 作品52》1970年

 

6. 《薔薇刑 作品32》1961年

 

7. 《薔薇刑 作品5》1961年

 

8. 《薔薇刑 作品2》1962年

 

9. 〈ガウディの宇宙〉より《サグラダ・ファミリア I》1977年

 

10. 〈シモン・私風景〉より《隅田川吾妻橋》1971年

 

11. 〈知人の肖像〉より《澁澤龍彦》1965年

 

12. 〈ルナ・ロッサ〉より《ひまわりの歌》1992年

 

13. 《ポーディちゃん》1950年

 

14. 写真絵本『たかちゃんとぼく』より 1960年

 

15. 写真画帖「人間ロダン」より 1998年

 

2020年度ヤング・ポートフォリオ展

Young Portfolio Acquisitions 2020

会期:2021年3月20日(土)〜6月13日(日)

休館日:毎週火曜日、但し5月4日は開館、3月19日(金)までは冬季休館

開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)

■2020年度ヤング・ポートフォリオ(第26回)データ
選考委員:都築響一、金村 修、細江英公(館長)
作品募集期間:2020年4月15日~5月31日
応募者数:161人(世界16カ国より) 応募点数:3,876点
購入者数:18人(国内6人・海外12人 /6カ国)
     日本/マレーシア/中国/韓国/台湾/ポーランド/ロシア
購入点数:143点(全作品を展示いたします)
●1995年度から2020年度までに作品を収蔵した作家の総数:816人(46カ国)

 

「2020年度ヤング・ポートフォリオ」を年3月20日(土) ~ 6月13日(日)まで開催
東欧からアジア、日本まで、2020年度収蔵作品143点を一堂に展示
コロナ禍を越えて青年の情熱が結集

ヤング・ポートフォリオ(YP)とは、当館の理念の一つであり、「写真を通して世界の若者を支援する」ことを目的とする文化貢献活動です。毎年、世界の35歳までの若手写真家の作品を公募し、第一線の写真家による厳正な選考を経て、 若手写真家の「原点」となる貴重な初期作品を購入・収蔵し、後世に残す活動です。 選考された作品を、美術館が永久保存するという、コンテストと異なる性格を持つ本活動は、世界でも他に類をみないものです。(2004年、公益社団法人・日本写真協会より文化振興賞を受賞)
YPは、当館開館の1995年度より継続して行っており、2020年度は第26回となります。これまで世界77カ国からのべ10,681人より約14万点の作品が応募され、そのなかから、46カ国816人による6,000点を超える作品を購入いたしました。

■なぜ35歳なのか ー 芸術における青年期の意義を問う
芸術家は、青年期に強い意志と情熱をもって試行錯誤を重ねることにより、才能・資質が高められ、作品のクオリティが磨かれます。研鑽を積んだ作家の多くは、おのずと30代には自己のスタイルを確立し、代表作となる作品を生みだしています。青年の原点とも言うべき作品が、表現の領域を開拓し、歴史を築いてきました。そこには永遠の輝きがあります。

■YPとコンテストの違いは?
作家の世界観や芸術性を表現するポートフォリオ(作品集)となるように、 1枚だけでなく、複数の作品を収蔵することが特徴です。また、通常コンテストの入賞は1度限りですが、YPは、35歳まで何度でも応募することができます。20代から35歳まで何度も収蔵することができれば、作家の成長を見守り、応援することが可能となるからです。

■写真家の成長とともに世界へ伸展するYP
これまで作品を収蔵してきた写真家のなかには、めざましい成長をとげ、土門拳賞や林忠彦賞、木村伊兵衛賞など内外の様々な賞を受賞する写真家が誕生し、また東京造形大学、大阪芸術大学、九州産業大学などで、後進の育成にあたるなど、多くの優秀な写真家が誕生しています。また、当館の開館20周年を迎えた2014年以降、積極的に巡回展を開催しています。
2014年:東京都写真美術館にて開館20周年記念展「原点を、永遠に。」展を開催。世界34カ国の197人(YPのみ)の作品を展示し、世界を俯瞰しながら、写真表現の多様さを展望する展覧会(約500点)を行いました。
2018年:芸術における青年期の意義を問うという理念を明確に表現するべく、再び東京都写真美術館において、「原点を、永遠に。ー2018ー」を開催いたしました。同展は、当館が収蔵する全写真家の青年期(35歳まで)の写真のみを展示したものです。ヤング・ポートフォリオの作品だけでなく、写真史における重要な作品を多数含むこの展覧会は、一部再構成のうえ、2018年6月、国立台湾美術館に巡回。同館の開館30周年記念特別展「起始・永遠」として開催され、成功裏に終了いたしました。
2021年:2021年4月~11月、米・カリフォルニア州、サンディエゴの写真美術館Museum of Photographic Artsに巡回します。「Beginnings, Forever」と題し、19世紀末の作品から21世紀のYP作品まで153点を展示いたします。

■現役写真家が作品を選考
作品選考は、当館館長のほか、YPの理念にご賛同いただいた現役写真家2名が行います。それぞれの写真家が手がける写真のジャンルは多様ですが、表現意欲の強さ、視点の明確さなどが基準となるため、担当する選考委員によって何らかの“傾向”が生まれるということはありません。若い才能に未来を託す思いで選考し、3名の選考委員全員が合意した作品を収蔵します。特に近年応募の多いロシア、ポーランドなど東欧の国々、アジアでは中国、韓国、台湾などです。世界のさまざまな地域の特徴、多様な芸術性、そして、世界の若者が捉えた<いま>を俯瞰して見ることができます。

 

■2020年度ヤング・ポートフォリオ(以下YP2020)の見どころ
YP2020の作品群が制作されたのは、コロナ禍以前ですが、 ヴァーチャルなモノや世界への距離感や向き合い方が、これまでとは明らかに異なる作品が多く見られます。 私たちは日々、AIによるヴァーチャル技術や、大量の写真や映像を情報源として生活しています。その一方で、目に見えない社会的なプレッシャーのなかに生きる個々の人間の心の拠り所を考察しようとする視点が多く見られます。写真家の身体感覚を通して<いま>を考える機会となれば幸いです。

 

●“ヴァーチャル”と生きる:苅部太郎、アガタ・ヴィオチョレック(ポーランド)

苅部太郎《Saori》
“Saori“がシリコン製のラブドールであることを除けば、被写体の男性は、人間の男女と全く変わらない生活を送っています。男性には家庭がありますが、10年前からSaoriとの生活を始め、今ではSaoriが「人生を豊かにしてくれる理想の女性」となっているとのこと。
「ヴァーチャル」とは「仮想」と思われる場合が多いのですが、本来は「事実上の」「実質的な」という意味を持つ言葉です。被写体の男性は、Saoriから「生きた心」を感じる生活を送っており、Saoriの存在は、男性が生きるうえにおいて、不可欠なものとなっているのです。写真家は、Saoriとのヴァーチャルな関係に“生きる”男性の日々をあくまでも優しく捉えています。

アガタ・ヴィオチョレック《模擬妊娠実験》他
ジェンダーと性的マイノリティに関する変化をテーマとするヴィオチョレク。本シリーズは、近年の医学とハイテク産業の交差を見据えようとするものです。ヴィオチョレクが注目したのは、「人工知能、拡張現実、ハイテク科学を採用することにより、医学の研究や学びは、仮想化され、シュミレーションや仮想経験に依拠して行くのではないか。」という現状です。ヴァーチャルから知識を得ようとする傾向はむしろ強まっているのかもしれません。
人間と非人間の“境界”とは、生命の神秘や真の幸福とは何か?二人の写真家は、いくつもの根源的な問いを投げかけています。

苅部太郎《Saori》2016年(全9点)

アガタ・ヴィオチョレック《模擬妊娠実験》2019年(全7点)

 

●進化する色彩の世界:大竹彩子(日本)

大竹彩子《MITAKA6537 MURAKAMI5572》2019年

2020年度の購入者は1985年から1994年に生まれ、デジタルカメラで育ち、フォトジェニックなモノを捉える感覚が自然に培われた世代です。なかでも高いヴィジュアルセンスと美意識が充満した作品が大竹彩子の《 MITAKA6537 / MURAKAMI5572》などのシリーズでしょう。ZINEの見開きを想定して2枚のイメージをレイアウトした作品10点を収蔵いたしました。
作家の好奇心が触れた色と断片を組み合わせ、軽やかで大胆な表現領域を提示しています。
(ZINE/ジンとは、 リトルプレスとも呼ばれ、小部数で発行する自主制作の出版物。Magazineが語源)

 

●無名の路上芸術 ”ヤードアート“:前川光平(日本)

前川光平《Yard》2019年(全14点)

ピザの配達をしながら、民家の“庭”に関心を抱いた前川光平。東京・埼玉郊外の近隣の人だけが通る裏道で、また庭や畑などの私有地で、住人の独自の趣向で様々な日用品や装飾品をディスプレイした光景を、3年あまり観察して撮影しています。装飾の目的は近隣の子供に喜んでもらうことなど、あくまでも自分の趣味という人が多いとのこと。前川は一見雑然と見えるけれど、実はかなり緻密に造り上げられたこの趣向の庭(ヤード)を“ヤードアート”呼びます。日本人には馴染みの光景でありながら、これまで作品化されることのなかったヤードアートの世界。この背景には日本人の自然観やモノへの観念との関わりがあるのかもしれません。本シリーズは、本展が初公開となります。

 

●社会的意味合いから見る“女性”や“母性”をテーマに:ルー・ユーファン(中国)、アリョーナ・ランダーロワ(ロシア)

中国ではこれまで二千万人が美容整形手術を受けており、その数は増え続けています。ルー・ユーファンは、美容整形外科で「美顔デザイナー」から提案された手術プランを作品化したシリーズ〈美容外科手術診断〉の他に、手術を受けた一般女性の顔写真を、整形前の顔にパソコン内で写真家が復元し、その顔にナイフで写真に切り傷を入れた作品〈ビフォー&アフター〉を制作しています。写真家は、彼女たちへの“思い”を、その“切り傷”によって表現し、ポートレイト化した作品です。

アリョーナ・ランダーロワは、過去のYPにおいて、セルフポートレイトのシリーズを収蔵してきたロシアの作家です。多くは顔を見せないセルフポートレイトでしたが、本展では新シリーズ〈秘められた母性〉を展示いたします。
ランダーロワは、母親の役割について特に教わらず、産後うつになる女性が多いのは、「子供を産んだ途端に女性は情報と感情の真空状態に置かれるため」と言います。
多くの女性が幸せな母親という理想像と現実との間には大きな隔たりがあると感じているのでしょう。写真黎明期の19世紀ヴィクトリア時代には、顔を隠した母親と赤ん坊の写真が多く残されています。長い撮影の間、子供がじっと座っているように、母親の顔はヴェールに隠されているのです。現代においてもなお閉塞感に苦しむ女性たちへ向けたランダーロワの眼差しが、柔らかな空気感とユーモラスな表現によって描かれています。

ルー・ユーファン 《ビフォー&アフター4(わたしを綺麗にして)》2020年

《カーチャ》〈秘められた母性〉シリーズより、2019年

 

■YP2020作品購入作家
★は過去にもヤング・ポートフォリオで作品を収蔵した作家

Photographers whose work was acquired for the YP2019 (in alphabetical order)

1. 淵上裕太 FUCHIKAMI Yuta(Japan、1987)

《【池袋・プチ】と検索し出会った、りあさん 池袋2020》2020
‘Ria, who ‘Ikebukuro Puchi’ met through a computer search. Ikebukuro 2020

 

2. 井上麻由美 INOUE Mayumi(Japan、1988)

《癌と髪 -Guy #1》2019
Cancer and Hair -Guy #1, 2019

 

3. 苅部太郎 KARIBE Taro(Japan、1988)

《Saori》2016
Saori, 2016

 

4. キム・ギュンユン KIM Kyoung Yoon(Korea、1989)

《タルドンネ》2017
DALDONGNE, 2017

 

5. キム・ネーヨン KIM Nayoen(Korea、1994)

《肉体の地形図_#09》2019
body topographic map_#09, 2019

 

6. クウォン・ロックァン KWON Rokhwan(Korea、1993)

《サミット、#018、2018》
The Summit, #018, 2018

 

7. リー・イーチェン LEE Yi-Chen(Taiwan、1988)

《拡大》2020
Magnified, 2020

 

8. リ・ユーチー LI Yu-Chi(Taiwan、1986)

Raw #02, 2019

 

9. ルー・イーシン LU Lixing(China、1993)

《外出#3》2020
Outing #3, 2020

 

10. ルー・ユーファン LU Yufan(China、1991)

《ビフォー&アフター4(わたしを綺麗にして)》2020
Before & After 4 (Make Me Beautiful), 2020

 

11. 前川光平 MAEKAWA Kohei(Japan、1993)

《Yard》2019

 

12. 七海 愛 NANAMI Chica(Japan、1986)

《おやすみうた from yellow》2013
Lullaby, 2013

 

13. 大竹彩子 OTAKE Saiko(Japan、1988)

《MITAKA6494 / BASEL8375》2019

 

14. ポン・イーハン PENG Yi-Hang(Taiwan、1992)

Picnic, 2018

 

15. ミハル・シャレク Michal SIAREK(Poland、1991)

《マケドニア闘争博物館に雇われた若者
マケドニア闘争博物館は国家としてのマケドニアが世界史から忘れられている現状を正すことを目的とする。毎年の夏、博物館は若者を雇い、マケドニア史上の様々な時代衣裳を着けさせる。青年たちに少し話を聞いてみたところ、自分の扮装がローマ時代の第五マケドニア軍団の兵士か、ピリッポス 2世の時代の歩兵か、あるいは両者のいりまじる人気の兵隊かはどうでもよく、つまるところ、夏の間のアルバイトにすぎないのだった。スコピエにて》 
〈アレクサンドロス〉シリーズより、2013
A boy hired by The Museum of the Macedonian Struggle: The Museum of the Macedonian Struggle was an institution that sought to redress the historical neglect of the Macedonian nation. Every summer, it hired youngsters who dressed in costumes from different periods of Macedonian history. A brief conversation concludes that the teenagers have no interest in whether they are role- playing the Roman V Legio Macedonica, soldiers in a Macedonian phalanx or a popular mixture of both — after all, it’s a summer job. Skopje, 2013
From series “Alexander”

 

16. アガタ・ヴィオチョレック Agata WIECZOREK(Poland、1992)

《自動人形》2019
Automaton, 2019

 

17.  ピョートル・ズビエルスキ Piotr ZBIERSKI(ポーランド、1987)

《無題》〈木霊・翳〉シリーズより、2018
Untitled from Echoes Shades series, 2018

 

18. アリョーナ・ランダーロワ Alena ZHANDAROVA(Russia、1988)

《小球体のついたセルフ・ポートレート》 〈三角味のピュレー〉シリーズより、2013
“Self-portrait with globules” from the series “Puree with a taste of Triangles”, 2013

 
 

【同時展示】3人の選考委員の初期作品

3人の選考委員の初期作品、すなわち“選考委員のヤング・ポートフォリオ”作品(全14点)を同時に展示いたします。

選考風景。左から2020年度YP選考委員・金村 修氏、都築響一氏、細江英公館長

 

都築響一(日本、1956-)
本展出品作品《TOKYO STYLE》1993年
「POPEYE」「BRUTUS」誌などで雑誌編集者として活躍後、1993年、東京の人々の生活空間捉えた『TOKYO STYLE』を発表。写真家としての活動を始める。日本各地に点在する秘宝館や奇妙な新興名所を撮影した『ROADSIDE JAPAN 珍日本紀行』で第23回木村伊兵衛賞受賞。暴走族、デコトラ、パワフルな高齢者など無名の人々への取材を通して、現代の日本を描く。2012年からは、他のメディアとは全く異なる視点から、好奇心の赴くままに取材し、発信する有料メールマガジン『ROADSIDERS’ Weekly』を刊行中。

 


金村 修(日本、1964-)
本展出品作品《Today’s Japan/本日の日本》1995年
東京綜合写真専門学校在学中、新聞配達のアルバイトをしながら都市の風景を撮り始める。在学中に招待されたロッテルダム写真ビエンナーレを皮切りに内外にて発表活動を行う。1996年、世界の注目される6人の写真家のひとりに選ばれ、ニューヨーク近代美術館の「New Photography 12」に出品。日本写真協会新人賞、土門拳賞など受賞多数。近年は、カラー作品やインスタレーション、映像作品など幅広い展開を見せている。

 


細江英公(日本、1933-)
本展出品作品《おとこと女》1960年
舞踏家・土方巽を被写体とした「鎌鼬」や、三島由紀夫を被写体とした「薔薇刑」(1963)など、特異な被写体との関係性から紡ぎ出された物語性の高い作品により戦後写真の転換期における中心的な存在となる。東京工芸大学名誉教授。1995年より当館初代館長。2003年、「生涯にわたり写真芸術に多大な貢献をした写真家」として英国王立写真協会より創立150周年記念特別勲章を受章したほか、2010年、文化功労者。2017年、写真家として初めて生前に旭日重光章を受章した。

 
 
 

2021年度ヤング・ポートフォリオ(第27回)

2021年度選考委員:瀬戸正人、アントワン・ダガタ、金村 修、細江英公(館長)

【重要なお知らせ】応募方法が大きく変わります!
★一次はデータ選考、二次はプリント選考
★応募時期が例年より早まります。2月15日から3月15日必着

①一次選考「画像データ・エントリー」:2月15日~3月15日必着

②一次選考の結果発表:4月10日頃
・一次選考通過者名の作品1点と作家名を、当館ウエブサイト内YPサイトにて公開します。

③二次選考「プリント・エントリー」:5月31日必着
●Web登録受付期間 & 応募作品受付期間:2021年2月15日~3月15日

応募要項の概要
・応募資格は35歳までを上限とします。(1986年1月1日以降に生まれた方)
・既発表・未発表を問いません。他のコンテストへの応募作品・受賞作品も応募可能です。
・作品の表現、技法は問いませんが、永久コレクションのため、長期保存が可能な技法であること。
・ご応募は最大50点まで受け付けます。
・選考された作品は、1点につき3万円以上で購入します。

*詳細および募集要項は www.kmopa.com/yp_entry

 

【2021年度選考委員】 金村 修氏、細江英公(館長) の略歴は【同時展示】をご覧ください


瀬戸正人(タイ/日本、1953-)
1953年、タイ国ウドーンタニ市に生まれ、1961年、父の故郷、福島県に移り住む。1975年、東京写真専門学校(現・東京ビジュアルアーツ)卒業。在学中、森山大道氏に大きな影響を受ける。森山氏の紹介で岡田正洋事務所に勤務し、コマーシャル撮影を学ぶ。深瀬昌久氏の助手を務めたのち独立。1983年、「Bangkok 1983」にて初個展。1987年、自らの発表の場としてギャラリー「PLACE M」を開設し、現在も運営中。「夜のワークショップ」を開催し、後進の指導にあたっている。『《バンコク、ハノイ》1982-1987』で日本写真協会新人賞、〈Silent Mode〉と〈Living Room Tokyo 1989-1994〉で第21回木村伊兵衛写真賞受賞。自伝エッセイ『トオイと正人』で第12回新潮学芸賞受賞。近作に『binran』、『Cesium/Cs-137』などがある。

 

ⒸGilles Pandel

アントワン・ダガタ(Antoine d’Agata, フランス、1961-)
1961年、フランス・マルセイユに生まれる。1980年頃から10年間、ヨーロッパ、中米、アメリカなど世界各地を放浪。1990年、ニューヨークの国際写真センター(ICP)にて写真を学び、ラリー・クラークやナン・ゴールディンのワークショップに参加。1991年、マグナムのニューヨークオフィスにて久保田博二らのアシスタントを務める。1993年、フランスに帰国後、家庭を持ち、生活のため4年程写真を離れるが、その後活動を再開し、展覧会、写真集の出版など活発に作家活動を行っている。2001年、ニエプス賞受賞。2004年、『Insomnia (不眠症)』で第20回東川賞・海外作家賞を受賞。2004年マグナムに参画、2008年より正会員。現在は、コロナ禍の現状をフランス、スペイン、メキシコ、トルコ、オーストリアなどで撮影中。

 
当館ウエブサイト内「動画のページ」にてダガタ氏がYP応募を呼びかける動画がご覧いただけます。
https://www.kmopa.com/?cat=23

 
 
 

【関連印刷物&YPデータベース】

❶YP2020小冊子(A5サイズ、32ページ)
各作家の作品数点、選考委員による対談や作品へのコメントを掲載。来館者には無料で配布いたします。

❷YPデータベースには、過去20年余にわたる世界の若手写真家による収蔵作品画像のほか、作家略歴、アーティスト・ ステートメントを掲載しています。作家名、収蔵年、国籍などで検索することができます。 様々な調査・研究の対象としてもご利用いただければ幸いです。
https://kmopa-yp.com

 

【会期中のイベント】

YP2019+YP2020公開レセプション &  アーティスト・トーク
講評:川田喜久治、都築響一、金村 修、細江英公(館長)

YP2018(一昨年)の公開レセプションでの集合写真

自作についてスピーチするトミモとあきな(日本)

 
日程・詳細は当館ウエブサイトにて発表いたします。
参加料:入館料のみ / 定員なし / 要予約 / どなたでもご参加いただけます
会場:清里フォトアートミュージアム・エントランスホール

 

【2021年の展示】

「細江英公の写真:暗箱のなかの劇場」
会期:2021年7月17日(土)〜12月5日(日)(予定)

開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)

入館料:一般800円 学生600円
高校生以下無料 障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料
友の会会員は無料

 

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