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「Platinum Print — 肖像の回廊」展

 

Platinum Print — 肖像の回廊 Platinum Print — 肖像の回廊

開催概要
展覧会名: Platinum Print — 肖像の回廊
会期: 2023年3月18日(土)~5月28日(日)
会場: 清里フォトアートミュージアム
主催: 清里フォトアートミュージアム委員会
特別協賛: 真如苑(社会貢献基金)
開館時間: 10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日: 毎週火曜日、ただし3月21日(火・祝)、5月2日(火)は開館
入館料: 一般800円(600円) 学生600円(400円) 高校生以下無料
( )内は20名様以上の団体料金 家族割引1,200円(2名~6名様まで)
アクセス: 車にて:中央自動車道須玉I.C.または長坂I.C.より車で約20分
J R:中央本線小淵沢駅にて小海線乗り換え 清里駅下車、車で約10分

「Platinum Print — 肖像の回廊」展を2023年3月18日(土)~5月28日(日)まで開催

 
清里フォトアートミュージアム(K・MoPA/ケイモパ、山梨県北杜市)は、2023年3月18日(土)から5月28日(日)まで「Platinum Print – 肖像の回廊」展を開催いたします。
 
プラチナ・プリントとは、19世紀に発明された古典技法のひとつです。多くの写真技法のなかでも、優美な色調と黒から白までの豊かな階調表現は比類なく、写真家を魅了してきました。
当館では、基本理念のひとつとして、プラチナ・プリントによる作品の収集と技法の継承につとめて参りました。
本展では、1878年制作の最古のプラチナ・プリントから2000年代の作品までを展示いたします。100年に及ぶポートレイトの多様な写真表現をご覧いただくとともに、プラチナ・プリントの気品溢れる優美な色調、繊細な光のグラデーション、ディテールの豊かさをお楽しみください。(約100点)

作品紹介

エドワード・S. カーティス(米、1868-1952)《ズニ族の首長》1905年頃

エドワード・S. カーティス(米、1868-1952)
《ズニ族の首長》1905年頃

ジョージ・H. シーリー(米、1880-1955)《乙女とボウル》1907年

ジョージ・H. シーリー(米、1880-1955)
《乙女とボウル》1907年

アルヴィン・ラングドン・コバーン(米/英、1882-1966)《花輪をかぶった乙女》1908年頃

アルヴィン・ラングドン・コバーン(米/英、1882-1966)
《花輪をかぶった乙女》1908年頃

クラレンス・H. ホワイト(米、1871-1925)《チャールズJr.とアリーン・リーブマン》1910年頃

クラレンス・H. ホワイト(米、1871-1925)
《チャールズJr.とアリーン・リーブマン》1910年頃

アントン・ヨーゼフ・トレチカ(オーストリア/チェコ、1893-1940)《画家エゴン・シーレの肖像》1914年 ©Kicken Berlin

アントン・ヨーゼフ・トレチカ(オーストリア/チェコ、1893-1940)
《画家エゴン・シーレの肖像》1914年 ©Kicken Berlin

エドワード・ウエストン(米、1886-1958)《盲目のひと(ラミエル・マクギー)》1922年

エドワード・ウエストン(米、1886-1958)
《盲目のひと(ラミエル・マクギー)》1922年

ドリス・ウルマン(米、1882-1934)《(無題)》1934年頃

ドリス・ウルマン(米、1882-1934)
《(無題)》1934年頃

ジェリー・N. ユルズマン(米、1934-2022)《無題》1976年 ©Jerry N. Uelsmann

ジェリー・N. ユルズマン(米、1934-2022)
《無題》1976年 ©Jerry N. Uelsmann

ルイス・ゴンサレス・パルマ(グアテマラ、1957-)《無題》1998年 ©Luis González Palma

ルイス・ゴンサレス・パルマ(グアテマラ、1957-)
《無題》1998年 ©Luis González Palma

プラチナ・プリントとは

鉄塩の感光性を利用し、プラチナ(塩化白金)と鉄塩を塗布した印画紙に露光する古典技法のひとつです。暖かみのある優美な色調、漆黒の黒と白の濃淡、階調の豊さ、保存性の高さが特徴です。感光性が低いため、ネガと印画紙を版画のように直接重ねて紫外線で焼き付けます。

20世紀初頭、短命に終わり、戦後甦った技法

プラチナ・プリントは、写真が誕生した1839年よりも前から実験が行われていましたが、イギリスの発明家ウイリアム・ウィリスによって特許が取得されたのは30年以上後の1873年でした。
 
ウィリスが販売した印画紙「プラチノタイプ」は高品質で、欧米で人気を博しましたが、第一次世界大戦時、プラチナが軍需産業の重要な金属として使われるようになり、印画紙の生産は停止され、作品も途絶えてしまいました。また、第二次大戦後は、銀塩の感度の高い印画紙、モノクロのゼラチン・シルバー・プリントが大量生産され、安価で引き伸ばしも可能なため、人々の関心は銀塩へ移ってしまいました。
 

ウイリアム・ウィリス・ジュニア(英、1841-1923)《田舎の小屋 (Rustic Cottage)》1878年

ウイリアム・ウィリス・ジュニア(英、1841-1923)
《田舎の小屋 (Rustic Cottage)》1878年

アーヴィング・ペンにより甦った技法

写真史上、遅れて登場し、最も美しいと愛された技法でありながら、あまりにも早く去ったプラチナ・プリント。一方、戦後の均一生産化したモノクロ印画紙に対して、個性的な表現技法を求め、その復活に困難をためらわずに情熱を注いたのが、アメリカの写真家アーヴィング・ペン(1917-2009)でした。1960年代後半より、ペンによって現代的な息吹を与えられたプラチナ・プリント作品が次々と発表されました。
 
ペンは、象徴的な言葉を残しています。「私は何年もの間、黙々と刷毛で感光剤を塗り、印画紙を一枚一枚用意してきた。何千時間と費やしたはずだ。完璧なプリントに到達することを目指して。」現在も既成の印画紙はなく、手塗りの技法が継承されています。本展ではペンによる作品7点を展示いたします。
 

アーヴィング・ペン(米、1917-2009)《マルセル・デュシャン、ニューヨーク》1948年 ©The Irving Penn Foundation

アーヴィング・ペン(米、1917-2009)
《マルセル・デュシャン、ニューヨーク》1948年
©The Irving Penn Foundation

見どころ

プラチナ・プリントは、いったん現像すると経年による変化はありません。私たちは撮影・現像時と全く変わらない写真と対面することができるのです。写真には撮影時の「光」と「時間」、そして写真家と被写体となった人々との「関係性」が封じ込められています。100年前の写真に刻まれた人々との出会い、そして彼らと向き合った写真家の眼差しは、時空を超えて、鑑賞者に濃密な体験をもたらすでしょう。

会期中の特別展

●ヴィヴィッドな発色が特徴のダイトランスファー技法による作品
ハロルド・エジャートン博士(米、1903-1990)の代表作10点(当館蔵)をご覧いただきます。エジャートン博士はストロボの発明者で、世界で初めて静止画像を捉えた“ミルクの王冠”で知られています。ダイトランスファーは、色鮮やかで保存性に優れたカラープリントでありながら、途絶えてしまった技法のひとつです。
 

ハロルド・エジャートン博士《ミルク・クラウン》1957年 © Harold Edgerton/MIT courtesy Palm Press, Inc.

ハロルド・エジャートン博士《ミルク・クラウン》1957年
© Harold Edgerton/MIT courtesy Palm Press, Inc.

ハロルド・エジャートン博士《りんごを突き抜ける30口径(7.62ミリ)の弾丸》1964年 © Harold Edgerton/MIT courtesy Palm Press, Inc.

ハロルド・エジャートン博士《りんごを突き抜ける30口径(7.62ミリ)の弾丸》1964年
© Harold Edgerton/MIT courtesy Palm Press, Inc.

ダイトランスファーとは:
ヴィヴィッドな発色としっとりと濡れたような質感が特徴のカラープリント技法です。
1946年にコダック社が発表したもので、染料転写方式プリントとも呼ばれます。
シアン、マゼンタ、イエロー各色の染料を含ませたマトリックスフィルムを、1枚の乳剤(ゼラチン)層に転染することによって画像を形成します。
安定性に優れ、写真家が最終的な色のバランスをコントロールすることができます。しかし、転染紙に見当を合わせて手作業で塗り重ねる作業は複雑で、熟練を要するものでした。そのため、希少価値の高いものとして、20世紀後半、多くのアーティストやコレクターを魅了しましたが、材料の生産終了にともない、1993年に途絶えてしまいました。

会期中のワークショップ

●瀬戸正人副館長による高校生写真ワークショップ 2023年も開催
高校1~3年生対象。個人、学校単位、どちらのご参加も自由です。
生徒が持参した作品データをプロジェクターに投影し、副館長の瀬戸正人(写真家)が講評をおこなう2時間のWSです。
2022年は全3回開催し、生徒自身が展示作業も経験。10名の作品を当館エントランスホールにて発表しました。
 

瀬戸正人副館長による高校生写真ワークショップ、2023年

 

瀬戸正人副館長による高校生写真ワークショップ、2023年

 
●WSの様子を公開中 → https://www.kmopa.com/category/highschool/
●WS動画はこちら → https://youtu.be/fDGNIB1R2p8(QRコードからもアクセスできます)
 

瀬戸正人副館長による高校生写真ワークショップ、2023年(動画サムネイル)

 

瀬戸正人副館長による高校生写真ワークショップ、2023年(動画のQRコード)

 
2023年のWS開催スケジュールは随時ウェブサイトにアップします。

次回展示のご案内

展覧会:「鉄道愛」
会期:2023年7月7日(金)~9月24日(日)
アメリカ最後の蒸気機関車の姿をとらえたO. ウインストン・リンク(1914-2001)と、日本を代表する鉄道写真家、広田尚敬(1936-)。当館収蔵作品より元祖「撮り鉄」の2人を紹介するほか、元国鉄マン・滝口忠雄が、職員の目線でとらえた70年代の「国鉄」、清里を走る高原列車・小海線など、鉄道愛あふれる写真展。特別編として「ねこ鉄」、また、1920-30年代アメリカ山岳鉄道をテーマとした精巧なジオラマも初公開。
 

O. ウインストン・リンク 《ナチュラル・ブリッジ駅に到着する列車No.2 バージニア州》1956年 Train No.2 Arrives at Natural Bridge Station, Virginia, 1956 © O. Winston Link Image Courtesy of the O. Winston Link Museum

O. ウインストン・リンク
《ナチュラル・ブリッジ駅に到着する列車No.2 バージニア州》1956年
Train No.2 Arrives at Natural Bridge Station, Virginia, 1956
© O. Winston Link Image Courtesy of the O. Winston Link Museum

お問い合わせ

本展の詳細は学芸員・山地裕子 yamaji@kmopa.com
画像データにつきましては、info@kmopa.comTel: 0551-48-5599 までお問い合わせください。
 
ホームページ https://www.kmopa.com
ツイッター https://www.twitter.com/kmopa
フェイスブック https://www.facebook.com/kmopa
インスタグラム https://www.instagram.com/kmopa2023/
 
清里フォトアートミュージアム Kiyosato Museum of Photographic Arts
〒407-0301 山梨県北杜市高根町清里3545-1222
Tel: 0551-48-5599 (代表) Fax: 0551-48-5445 Email: info@kmopa.com

 

2022年度ヤング・ポートフォリオ展

Young Portfolio Acquisitions 2022

2022年度ヤング・ポートフォリオ

 

開催概要
展覧会名: 2022年度ヤング・ポートフォリオ
会期: 2022年10月15日(土)~12月4日(日)
会場: 清里フォトアートミュージアム
主催: 清里フォトアートミュージアム委員会
特別協賛: 真如苑(社会貢献基金)
開館時間: 10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日: 毎週火曜日
入館料: 一般800円(600円) 学生600円(400円) 高校生以下無料
( )内は20名様以上の団体料金 家族割引1,200円(2名~6名様まで)
交通のご案内: 車にて:中央自動車道須玉I.C.または長坂I.C.より車で約20分
J R:中央本線小淵沢駅にて小海線乗り換え 清里駅下車、車で約10分

 
 

2022年度ヤング・ポートフォリオ(第28回)データ
選考委員: アントワン・ダガタ、野口里佳、瀬戸正人(副館長)、細江英公(館長)
作品募集期間: 2022年1月15日~2月15日
応募者数: 522人(世界51カ国より)
応募点数: 11,508点
購入者数: 24人(国内16人・海外8人 /8カ国)
日本/カナダ/中国/デンマーク/韓国/フィリピン/スウェーデン/ウクライナ
購入点数: 133点(全作品を展示いたします)

 
 

4人の選考委員の初期作品を展示

アントワン・ダガタ、野口里佳、瀬戸正人(副館長)、細江英公(館長)の初期作品、すなわち“選考委員のヤング・ポートフォリオ”作品(全18点)を同時に展示いたします。

選考風景

 
 
 

「2022年度ヤング・ポートフォリオ」を2022年10月15日(土)~12月4日(日)まで開催

北欧、ウクライナ、アジアから日本まで、2022年度収蔵作品133点を一堂に展示
コロナ禍を越えて青年の情熱が結集

清里フォトアートミュージアム(K・MoPA/ケイモパ、山梨県北杜市)は、10月15日(土)から12月4日(日)まで「2022年度ヤング・ポートフォリオ」展を開催いたします。
ヤング・ポートフォリオ(YP)とは、K・MoPAが開館以来毎年開催している、世界の35歳までの青年の作品を公募・購入・展示する文化活動です。本展では、世界51カ国、522人、11,508点の応募作品から厳選された、24人による133点を展示します。
コロナ禍の困難な状況下、2021年に引き続きフランスから選考委員として招聘したアントワン・ダガタは、本年ようやく来日が叶いました。世界的な困難を超えてK・MoPAに結集した若手写真家の情熱を、本展で感じていただければ幸いです。

 
 
 

2022年度ヤング・ポートフォリオ作品紹介

■マリー・ヴェングラー(デンマーク、1992)

ヴェングラーはコンセプチュアル写真家であると同時に、社会規範と私たちの行動との影響について探っている研究者です。〈除け者〉シリーズでは、異常な肉体やタブー視されるものを作家自身で変装・演出し、撮影しています。どこまでが正常で何が異常と見なされるのか?女性の肉体や心理の典型的なイメージを女性の視点から問い直そうとする作品です。

ヴェングラー

マリー・ヴェングラー Marie WENGLER(デンマーク、1992)
《除け者(4)》2021(全6点購入)

 
■イゴール・チョゴール(ウクライナ、2000)、オレクシー・チョイストーツィン(ウクライナ、2000)

ウクライナ・ハルキウ出身の二人は、トゥルーバ・グループ(Truba Group)という名称で活動をしている写真家です。ロシアの侵攻が始まった2022年2月24日、二人はハルキウを離れました。空爆によるパニックと混乱の中、二人の写真作品を入れた箱をキーウの友人のもとへ送りましたが、その友人も近く入隊するため、写真はウクライナ西部のチェルイニウツィーへ、そしてリビウへ送られ、そこからチェコへと移動しました。その間に、YP2022へ応募した作品画像が一次選考を通過したため、作品は最終的に日本に送られたのです。二人が故郷で撮影した写真が失われることのないよう、友人たちの手から手へと渡されてK・MoPAにたどり着いた二人の作品。プリントには過ぎ去った時への思いが込められています。

イゴール

イゴール・チョゴール Igor CHOGOL
《ニュー・ロマンティシズム 1 Truba Group》2021(全4点購入)

オレクシー

オレクシー・チョイストーツィン Oleksii CHYSTOTIN(ウクライナ、2000)
《戦前のハルキウ 2 Truba Group》2021(全4点購入)

 
■クリスチャン・バビスタ(フィリピン、1995)

フィリピン出身の写真家の作品が初購入となりました。短編映画も多数手がけ、映画賞も受賞している写真家。ミステリアスなイメージを展開し、答えのない質問を投げかけられているような魅力を湛えた作品群です。

バビスタ

クリスチャン・バビスタ Christian BABISTA(フィリピン、1995)
《無題》2020(全10点購入)

 
■川口 翼(日本、1999)

作品について作家は「(いずれ)死んでしまう事をぼんやりと意識しながら撮り下ろしたシリーズ」「写真が人間に寄り添うようもののように感じる時もあれば、裏切られたと感じる時もある」と語り、写真とともに生きることの奥深い意味を探求する意欲作です。22歳という若さが選考委員を驚かせ、「独自の世界が〈いま〉出来て行っている」(野口選考委員)と、今後への期待を表しました。

川口

川口 翼 KAWAGUCHI Tsubasa(日本、1999)
《天国の木》2021(全9点購入)

 
■スミン・シン(韓国、1994)

シンの作品では、被写体の顔が、撮影後にコラージュ(切り貼り)されており、写っている人の本当の顔なのかどうかさえわからなくなっています。写真は瞬間の表面的な概念を追求するものでありながら、果たして人間性の真の本質を表現しているのかどうか — 私たちは「写真の表皮を解体しようと試みた」と語るシンの作品に、「写真とは何か」という問いを突きつけられています。

シン・スミン

スミン・シン Sumin SHIN(韓国、1994)
《崇高なポートレイト》2019(全7点購入)

 
 
 

■YP2022作品購入作家

=過去のヤング・ポートフォリオでも作品を収蔵した作家

1)クリスチャン・バビスタ(フィリピン、1995)
2)卞敏(中国、1988)
3)イゴール・チョゴール(ウクライナ、2000)
4)オレクシー・チョイストーツィン(ウクライナ、2000)
5)淵上裕太(日本、1987)
6)石田浩亮(日本、1990)
7)石間秀耶(日本、1997)
8)狩野 萌(日本、1992)
9)川口 翼(日本、1999)
10)ニッコ・キナッシュ(スウェーデン、1992)
11)小松桃子(日本、1997)
12)久々利 涼(日本、1997)
13)久野梨沙(日本、1987)
14)前川光平(日本、1993)
15)中野翔大朗(日本、1989)
16)阪東美音(日本、1999)
17)スミン・シン(韓国、1994)
18)ソンジュ(カナダ、1998)
19)鈴木隼斗(日本、1993)
20)田島朋樹(日本、1988)
21)卯月梨沙(日本、1988)
22)マリー・ヴェングラー(デンマーク、1992)
23)山田 翼(日本、1987)
24)山本雅紀(日本、1989)

 
 
 

1)クリスチャン・バビスタ(フィリピン、1995)
《無題》2020 (全10点収蔵)

バビスタ

 

2)卞敏(中国、1988)
《普通の恋人》2021 (全4点収蔵)

卞敏

 

3)イゴール・チョゴール(ウクライナ、2000)
《ニュー・ロマンティシズム 1 Truba Group》2021 (全4点収蔵)

イゴール

 

4)オレクシー・チョイストーツィン(ウクライナ、2000)
《時代は本当に過ぎ去った 3 Truba Group》2021 (全4点収蔵)

チョイストーツィン

 

5)淵上裕太(日本、1987)
《東京・上野公園》2021 (全6点収蔵)

淵上

 

6)石田浩亮(日本、1990)
《Untitled from “きみは振動するエネルギー”》2018 (全6点収蔵)

石田

 

7)石間秀耶(日本、1997)
《ONOMICHI》2020 (全6点収蔵)

石間

 

8)狩野 萌(日本、1992)
《Remember me(私のことを忘れないで)》2019 (全8点収蔵)

狩野

 

9)川口 翼(日本、1999)
《天国の木》2021 (全9点収蔵)

川口

 

10)ニッコ・キナッシュ(スウェーデン、1992)
《フォルクンガガータン》2020 (全6点収蔵)

キナッシュ

 

11)小松桃子(日本、1997)
《悪夢と生き、死に触れる》2019 (全5点収蔵)

小松

 

12)久々利 涼(日本, 1997)
《「Chukyo」Nagakute-city, Aichi》2019 (全3点収蔵)

久々利

 

13)久野梨沙(日本、1987)
《木ートレート》2020 (全4点収蔵)

久野

 

14)前川光平(日本、1993)
《Yard 生体廃墟》2021 (全6点収蔵)

前川

 

15)中野翔大朗(日本、1989)
《温泉 / The Onsen(2018 / Tochigi)》2018 (全2点収蔵)

中野

 

16)阪東美音(日本、1999)
《裸々》2021 (全6点収蔵)

阪東

 

17)スミン・シン(韓国、1994)
《崇高なポートレイト #02》2019 (全7点収蔵)

シン・スミン

 

18)ソンジュ(カナダ、1998)
《無題》2021 (全6点収蔵)

ソンジュ

 

19)鈴木隼斗(日本、1993)
《unknown trip》2019 (全4点収蔵)

鈴木

 

20)田島朋樹(日本、1988)
《Planar State》2020 (全4点収蔵)

田島

 

21)卯月梨沙(日本、1988)
《幽明》2021 (全6点収蔵)

卯月

 

22)マリー・ヴェングラー(デンマーク、1992)
《除け者(4)》2021 (全6点収蔵)

ヴェングラー

 

23)山田 翼(日本、1987)
《Songs without Words》2017 (全6点収蔵)

山田

 

24)山本雅紀(日本、1989)
《我が家2》2021 (全5点収蔵)

山本

 
 
 

2022年度ヤング・ポートフォリオ選考委員

本年は、ヤング・ポートフォリオ史上初めて、選考委員に“YPOB(ヤング・ポートフォリオ卒業生)“である野口里佳氏を迎えた、記念すべき年となりました。野口氏は、大学院在学中に「1995年度(第一回)ヤング・ポートフォリオ」に応募し、3点の作品が収蔵となりました。また、フランスから招聘した選考委員アントワン・ダガタ氏は「YPは他のコンテストとは異なるユニークな体験だった」と語りました。
YPの特徴のひとつは、選考にあたるのが評論家やキュレーターではなく、写真家の先輩であり、現役の写真家であることです。選考委員は後進の作家の情熱を受け止めて背中を押し、若い作家たちは、選考委員からのフィードバックとエールを受け止めて、今後の制作活動に生かすことができるという貴重な場となります。

■選考風景は、当館ホームページ内「動画のページ」をご覧ください。(2分28秒)
 https://www.kmopa.com/category/video/

■展示内容の詳細は、当館ホームページ内「今後の展示」をご覧ください。
 https://www.kmopa.com/category/future/

 
 

選考委員略歴

アントワン・ダガタ

■アントワン・ダガタ(Antoine d’Agata, フランス、1961-)

フランス・マルセイユに生まれる。1980年頃から10年間、欧米、中米など世界各地を放浪。1990年、ニューヨークの国際写真センター(ICP)にて写真を学ぶ。2001年、ニエプス賞受賞。2004年、『Insomnia(不眠症)』で第20回東川賞・海外作家賞を受賞。2008年よりマグナム正会員。近年出版した写真集に『VIRUS』、『PRAXIS』などがある。
 
コメント「YPは、普通の選考ではありませんでした。選考委員皆で、若い写真家たちの声を聞き、考えていることを理解しようと試み、何をしたいのか助けてあげようという姿勢で臨むことができた。とても美しい経験でした。」

 

野口里佳

■野口里佳(日本、1970-)

埼玉県に生まれる。日本大学藝術学部写真学科大学院在学中に応募した「1995年度(第一回)ヤング・ポートフォリオ」にて〈座標感覚〉(1992)が購入となる。以後、欧米、アジアでも制作・発表を重ね、現代美術の国際展にも多数参加している。東京国立近代美術館、グッゲンハイム美術館など内外のパブリック・コレクション多数。那覇市在住。10月7日より東京都写真美術館にて「野口里佳 不思議な力」展が開催される。
 
コメント「(当時YPの応募要項を見て)作品を買い取るという今までにない公募の仕方に驚きました。自分の作品がきちんとお金になる、それが若い作家にとってどんな励みになることか。自分の作品そのものがお金に置き換わることが勇気になりました。」

 

瀬戸正人

■瀬戸正人(タイ/日本、1953-)

タイ国ウドーンタニ市に生まれ、後に父の故郷、福島県に移り住む。東京写真専門学校(現・東京ビジュアルアーツ)在学中に森山大道氏に大きな影響を受ける。深瀬昌久氏の助手を務めたのち独立。1987年、自らの発表の場としてギャラリー「PLACE M」を開設し、現在も運営中。第21回木村伊兵衛写真賞受賞。2021年4月清里フォトアートミュージアム副館長に就任。

 

細江英公

■細江英公(日本、1933-)

「薔薇刑」(1963)や「鎌鼬」(1968)など、特異な被写体との関係性から紡ぎ出された物語性の高い作品により戦後写真の転換期における中心的な存在となる。2003年、英国王立写真協会より創立150周年記念特別勲章を受章したほか、2010年、文化功労者。2017年、写真家として初めて生前に旭日重光章を受章した。1995年より当館初代館長。

 
 
 

関連印刷物&YPデータベース

YP2022小冊子(A5サイズ、32ページ)
各作家の作品数点、選考委員による対談や作品へのコメントを掲載。来館者には無料で配布いたします。

YPデータベースには、過去20年余にわたる世界の若手写真家による収蔵作品画像のほか、作家略歴、アーティスト・ ステートメントを掲載しています。作家名、収蔵年、国籍などで検索することができます。 様々な調査・研究の対象としてもご利用いただければ幸いです。 ▶︎▶︎▶︎ www.kmopa-yp.com

 
 

会期中のその他の展示

収蔵作品より:古典技法「プラチナ・プリント」による作品
本年開催した「高校生ワークショップ」からの作品

 
 

お問い合わせ

本展の詳細につきましては学芸員・山地裕子 yamaji@kmopa.com
掲載用画像データにつきましては、学芸員・ 綱 info@kmopa.com が承ります。

ホームページ https://www.kmopa.com
ツイッター https://www.twitter.com/kmopa
フェイスブック https://www.facebook.com/kmopa
インスタグラム https://www.instagram.com/kmopa2022/

清里フォトアートミュージアム Kiyosato Museum of Photographic Arts
〒407-0301 山梨県北杜市高根町清里3545-1222
Tel: 0551-48-5599 (代表) Fax: 0551-48-5445 Email: info@kmopa.com

 
 

2023年度ヤング・ポートフォリオ作品募集 YP’23

2023YP作品募集
<一次選考・データによる応募> 2023年1月10日〜2月20日(必着)
<二次選考(一次選考通過者のみ)・プリントによる応募> 2023年5月14日まで(必着)

2023年度選考委員
 今 道子、野口里佳、瀬戸正人(副館長)
[特別選考委員]
 細江英公(館長)

応募対象者は「1988年1月1日以降生まれ」の方です。

詳細および募集要項
 www.kmopa.com/yp_entry
 

清里フォトアートミュージアム収蔵作品より「原点を、永遠に。」

サンディエゴ写真美術館凱旋展
清里フォトアートミュージアム収蔵作品より「原点を、永遠に。」

Beginnings, Forever:From the Collection of the Kiyosato Museum of Photographic Arts

 

展覧会名: 清里フォトアートミュージアム収蔵作品より:原点を、永遠に。
会期: 2022年7月2日(土)~9月25日(日)
会場: 清里フォトアートミュージアム
主催: 清里フォトアートミュージアム委員会
特別協賛: 真如苑(社会貢献基金)
開館時間: 10:00~18:00 (入館は17:30まで)
休館日: 会期中7・8月は無休、火曜休館
入館料: 一般800円(600円) 学生600円(400円) 高校生以下無料
( )内は20名様以上の団体料金 家族割引1,200円(2名~6名様まで)
交通のご案内: 車にて:中央自動車道須玉I.C.または長坂I.C.より車で約20分
JR:中央本線小淵沢駅にて小海線乗り換え 清里駅下車、車で約10分

 
 

すべての写真家にスタート地点がある。

サンディエゴ写真美術館からの帰国凱旋展・世界の写真家が35歳までに撮影した名作/近作153点を一挙公開

清里フォトアートミュージアム(K・MoPA/ケイモパ、山梨県北杜市)は、7月2日(土)から9月25日(日)まで「原点を、永遠に。」展を開催します。本展は、2021年4月から9月にかけて、米国カリフォルニア州のサンディエゴ写真美術館において開催され好評を博した展覧会の凱旋帰国展となります。

1995年、“写真と写真家のために生きる美術館”をめざして開館したK・MoPAの基本理念のひとつに「若い力の写真:ヤング・ポートフォリオ」があります。毎年、世界の35歳以下の若手写真家から作品を公募し(2021年度の応募は27ヵ国、278人、7,285点)、第一線の写真家による選考を経て選ばれた作品を購入、展覧会を開催するヤング・ポートフォリオは、現在、第一線で活躍する多くの写真家たちのキャスティングボードとして、大きな役割を果たしてきました。

本展「原点を、永遠に。」は、「すべての写真家にスタート地点がある。」、この理念を背景にK・MoPAの全収蔵作品から、古今東西の106人の写真家たちが35歳までに撮影した作品を厳選し、153点を展示します。写真草創期の19世紀から21世紀の現在まで、写真史に大きな足跡を残した写真家たちから今現在を生きる写真家たちまで、彼らの「原点」ともいえる時代に生み出された作品群は、個々の写真家の軌跡を見る上で興味深いだけにとどまらず、現在では重要な表現メディアとなった写真がたどってきた歴史を見る上でも非常に有意義な展覧会といえます。本展は、2021年、アメリカ・カリフォルニア州のサンディエゴ写真美術館でコロナ禍を乗り越えて開催された展覧会の里帰り展として、日本で初めて公開されるものです。

 

本展の展示構成

第1部:写真草創期から20世紀まで

アルフレッド・スティーグリッツ、ルイス・ハイン、エドワード・ウェストン、アンドレ・ケルテス、ブラッサイ、アンセル・アダムスなど19世紀の写真草創期から20世紀までの写真史に重要な役割を果たした巨匠たちが、写真の表現や役割について試行錯誤を繰り返して生み出され、現在ではそれぞれの写真家の代表作にもなっている作品の数々を素晴らしいプリントによって展示します。(展示作家数:34人)

ルイス・ハイン
《10歳の新聞売り、1909年3月》
1909年
W. ユージン・スミス
《楽園への歩み》
1946年

 

第2部:戦後の日本写真

第二次大戦の終結は、日本の写真にとっても新たな時代を告げるものでした。雨後の筍のようにマスメディアが勃興し、自由な表現が可能になった戦後、若い写真家たちはそれぞれの世代で写真の多様な可能性を追求し、その後の世代に大きな影響力を持つ作品を生み出し続けました。植田正治、田沼武能、細江英公、奈良原一高、東松照明、森山大道、荒木経惟ら、現在、海外でも大きな注目を浴び、高い評価を得る日本の戦後写真の礎となった写真家たちの作品をはじめ、現在も精力的に活動を続ける写真家たちの作品を紹介します。(展示作家数:29人)

森山大道
《青森・三沢》
1971年
岩合光昭
《海からの手紙:ヒゲペンギン》
1977-79年

 

第3部:ヤング・ポートフォリオ

K・MoPA開館以来、毎年開催しているヤング・ポートフォリオは、2021年度までに76ヵ国から約10,000人、約14万点の応募があり、46ヵ国、約800人の6,000点を超える作品が当館に収蔵されています。デジタル時代の到来とともに、留まるところを知らず急速な技術発展を続ける写真の世界において、25年を超えるヤング・ポートフォリオの歴史のなかで選ばれた作家たちの作品を見直すことは、これからの写真を考える上で重要な機会になることは間違いありません。(展示作家数:43人)

伊原美代子
《みさおとふくまる》
2012年
アル・ラプコフスキー
《もっとレゴがほしい》
2016年

 
 
 
本展出品作家一覧(ABC順):106人
ベレニス・アボット、アンセル・アダムス、アン・ソンスク、G.M.B. アカシュ、荒木経惟、K.M. アサド、ワーナー・ビショフ、ジュリオ・ビッテンクール、ビル・ブラント、ブラッサイ、マヌエル・アルバレス・ブラボ、アンリ・カルティエ=ブレッソン、ロバート・キャパ、張照堂、デイヴィッド・シーモア“シム”、アルヴィン・ラングドン・コバーン、ブルース・デイヴィッドソン、ロベール・ドアノー、ハロルド・E. エジャートン博士、エド・ヴァン・デル・エルスケン、ERIC、エリオット・アーウィット、イスマイル・フェルドゥス、ロバート・フランク、藤原新也、エメット・ゴーウィン、フィリップ・ジョーンズ・グリフィス、ハン・スンピル、英 伸三、ギジェルモ・シュロデック=ハート、林 典子、ロバート・ハイネケン、ルシア・エレロ、ルイス・ハイン、本城直季、細江英公、伊原美代子、今井壽恵、石元泰博、岩合光昭、イ・ジーヨン、トニー・レイ=ジョーンズ、チョン・ミンス、亀山 亮、ユーサフ・カーシュ、川田喜久治、アンドレ・ケルテス、鬼海弘雄、北島敬三、北野 謙、ウイリアム・クライン、ヴィクトル・コーエン、マリヤ・コジャノヴァ、桑原史成、アル・ラプコフスキー、セルゲイ・レベディンスキー、ロドリゴ・マアワド、三木 淳、ラファル・ミラフ、水谷吉法、百瀬俊哉、森山大道、本橋成一、イ・ミョンホ、長野重一、内藤正敏、中藤毅彦、奈良原一高、野町和嘉、大石芳野、小原一真、アダム・パンチュク、アーヴィング・ペン、ジル・ペレス、ダナ・ポパ、坂口真理子、坂田栄一郎、佐藤信太郎、ジョージ・H. シーリー、瀬戸正人、下薗詠子、篠山紀信、ヴォイチェフ・V.スラーマ、W. ユージン・スミス、ハリ・シーカオ、ギジェルモ・シュロデック=ハート、アルフレッド・スティーグリッツ、アン・ソンスク、ルー・ストゥーメン、ハン・スンピル、フランク・メドゥ・サットクリフ、髙木忠智、高島空太、谷井隆太、田沼武能、立木義浩、東松照明、東京るまん℃、富山治夫、都築響一、植田正治、上田義彦、ジェリー・N. ユルズマン、トゥカ・ヴィエイラ、エドワード・ウェストン、ウォン・ウェイ・チョン、ハンネ・ファン・デル・ワウデ、楊 哲一、ピョートル・ズビエルスキ

 

広報用画像
1. ルイス・ハイン《10歳の新聞売り、1909年3月》1909年

 

2. ロベール・ドアノー《兄弟》1934年 ⒸAtelier Robert Doisneau/Contact

 

3. W. ユージン・スミス《楽園への歩み》1946年 Ⓒ2022 The Heirs of W. Eugene Smith/PPS

 

4. 荒木経惟《さっちん》1962-63年 ⒸNobuyoshi Araki Courtesy of the artist and Taka Ishii Gallery

 

5. 森山大道《青森・三沢》1971年 ⒸDaido Moriyama Photo Foundation

 

6. 大石芳野《ニューギニア:タロイモ畑の母子》1973年

 

7. 岩合光昭《海からの手紙:ヒゲペンギン》1977-79年 ⒸMitsuaki Iwago

 

8. 佐藤信太郎〈夜光〉より《東京都大田区西蒲田 1997》1997年 ⒸShintaro Sato

 

9. イ・ジーヨン《失恋》2011年 ⒸJeeyoung Lee

 

10. 伊原美代子《みさおとふくまる》2012年 ⒸMiyoko Ihara

 

11. 水谷吉法《Tokyo Parrots 007》2013年 ⒸYoshinori Mizutani

 

12. アル・ラプコフスキー《もっとレゴがほしい》2016年 ⒸAl Lapkovsky

 
 

■お問い合わせ

本展の詳細につきましては学芸員・山地裕子 yamaji@kmopa.com
掲載用画像データにつきましては、学芸員・ 綱 info@kmopa.comが承ります。

ホームページ https://www.kmopa.com
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清里フォトアートミュージアム Kiyosato Museum of Photographic Arts
〒407-0301 山梨県北杜市高根町清里3545-1222
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