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当館初の「高校生写真ワークショップ」を終えて

 
2022年3/20(日)13:00~15:00、清里フォトアートミュージアム(K・MoPA=ケイ・モパ)副館長での写真家の瀬戸正人(せと まさと)による高校生向けワークショップを開催しました。
参加者はカメラを持って日常や旅先のシーンを撮っている生徒たちです。
自身がふだん撮影してきた50枚の写真データをお持ちいただきプロジェクターに投影、瀬戸は講評を行いながら「これ、いいよね」と写真をピックアップしていきました。
 
 

 
 
まず瀬戸は、写真とカメラの歴史から話し始めました。
今はデジタルカメラが主流の時代ですが、ひと昔前はフィルムの時代だったのです。
どうして写真が写るのだろう?その仕組みと現在に至るまでを、生徒たちにわかりやすく説明しました。
 
 
瀬戸 「今は撮ってすぐに確認ができるけど、フィルムは現像するまでちゃんと写っているかわからない。いつもドキドキしていたよ。」
 
 
歴史を知ることで、現在の物事の成り立ちを知ることができると、コミカルな口調で瀬戸は高校生たちに伝えました。
そして、参加者の写真を1枚1枚丁寧に見ながらセレクトし、構図、撮り方、ものの見方などにユニークなアドバイスをしていきます。
 
写真大国の日本。人物、風景、物、様々な写真がある中、そこには重大な問題があるといいます。
それは “型にはまった写真” が多いということ。
型にはまる、ということは「こうして撮ったほうがいい」と教えこまれて、当たり前のように撮ってしまうということなのだと瀬戸は言います。
 
 

 
 
瀬戸 「写真は型にはまってはいけない。型にはまってしまったら、みんな同じ写真になってしまうからね。もっと自由であるべき。ブレていたっていいじゃない。大事なのは、自分がその瞬間に何を見たのか。どう感じたのか、ということ。それを誰かに感じてもらえる写真には価値がある。でも誰にもわからなくたって、いいんですよ!ヤング・ポートフォリオ展には型にはまっていない、世界の若者の作品がある。じっくり見て勉強して、感性を磨いてほしいです。」
 
 
写真を見て「これいいね!面白いね!!」と、感想やアドバイスをうけた高校生(北杜高校)。
「自分が良いと思っていた写真が無意識に型にはまってしまっていたことに気づかされました」という高校生(北杜高校)。
「良い写真を選んでもらって、すこし自信がつきました」という高校生(東京高等工業専門学校)。
短時間の間に多くの学びがあった様子でした。
 
最後に瀬戸は、参加者にこうした想いをぶつけました。
 
 
瀬戸 「大げさかもしれないけれど、自分の写真に哲学を持ってほしいんです。哲学とは自分にとっての神様、御柱(おんばしら)のようなもの。御柱のような芯・軸を持って撮ってほしい。単に綺麗だね。よく撮れたね。で終わらせてはいけない。
 
写真を撮るということは自分の人生を撮っているとも言えるんです。生きるということは自分の御柱を毎日どうやって抱えて生きていこうか?ということだから、写真を撮ったら『今、自分はどう生きているんだろう?』という気持ちで見直してみてください。ほかの芸術だって音楽だって、何でもそう。写真を深めていくと他の芸術のこともわかるようになってくるんですよ。そういう意識をもって日々を過ごせば、自分自身のやりたいことがきっと見つかります」

 
 

 
 
K・MoPAはこのワークショップを今後も行い、高校生のサポートをし、K・MoPAのエントランスなどにも展示していく予定です。
型にはまらない写真、そして未来を担う高校生の今後の成長が楽しみです。
 
次回の高校生写真ワークショップは、5/8(日)13:00~に決定いたしました。
高校生のみなさんのご予約をお待ちしております。

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