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<プラチナ・プリント・ワークショップ終了しました!その①>

2日間にわたる恒例のプラチナ・プリントWS、昨日無事終了いたしました。ご参加くださいました6名の方々にはお疲れ様でございました。

感光剤を手塗りした印画紙を現像液に入れ、像が浮かび上がってくると「わあ、感激〜!」と思わず声があがります。しかもその像はご自身のポートレイトですので、そちらもかなり新鮮な体験ではないかと思います。

それもそのはず。1日目の冒頭では、プラチナ・プリント発明者のプリントから現代作品までを2時間たっぷりご覧になっていただき、その記憶の新たなうちに、ご自分の写真をプリントしているわけです。静かにクエン酸洗浄液を揺らしながら「100年前にもこうやっていたんですよね」と1世紀前の写真家へ思いを馳せる参加者も。

2枚のネガを、キャンソン・アルシュをはじめ、3種の洋紙と土佐白金紙(和紙)の計4枚にプリントしました。プラチナ・プリントの特徴である描写力を目の当たりにされたみなさんは、1枚2枚とプリントして行くうちに、「先ほどのプリントより服の質感が良く出ている」などとコメント。写真を見る目もみるみる変わって行くのがわかります。まさに「百聞は一見に如かず」ですね。(つづく)

当館所蔵のプラチナ・プリント発明者のプリントから現代の作品まで、約140年間を2時間で鑑賞。

当館所蔵のプラチナ・プリント発明者のプリントから現代の作品まで、約140年間を2時間たっぷり鑑賞します。

まずはネガを作るために講師の細江賢治先生が参加者を撮影します。大型カメラで撮影してもらうのも特別な機会ですね。

まずはネガを作るために講師の細江賢治先生が参加者を撮影します。大型カメラで撮影してもらうのも特別な機会ですね。

普通のカメラを向けられるよりもなぜか大型カメラの方が緊張しないのです。

普通のカメラを向けられるよりもなぜか大型カメラの方が緊張しないのです。

緊張の一瞬。紙が感光剤を吸い込まないうちに、素早くスポンジ・ハケを動かして塗ります。

緊張の一瞬。紙が感光剤を吸い込まないうちに、素早くスポンジのハケを動かして塗ります。

ムラなく上手く塗れました!

ムラなく上手く塗れました!

紫外線で露光します。

紫外線で露光します。

現像液を流し込むと、すぐに像が現れます。

現像液を流し込むと、すぐに像が現れます。

プリントを見せ合って。

プリントを見せ合って。

なかなかの出来映えに、見入ってしまいますね。

なかなかの出来映えに、見入ってしまいますね。

<KMoPAサイト・トップのスライドショーをアップデート>

開催中の井津建郎「インド — 光のもとへ」展も残すところあと約2週間となりました。本展に寄せられた多くのアンケートの一部をご紹介いたします。「人間の生命力、生と死を一から考えなおさせる作品。すばらしい感動を受けました」「約7年前、はじめて訪れたインド・バラナシをありありと思い出しました。・・・死期をさとるということは、ある意味大切で、自分で幕を下ろせる幸せもあるのだと写真の空気を感じて思いました。サドゥの何ものにもぶれない真っ直ぐなまなざしを私ももてるようになりたいと、日々を大切にすることを改めて思いました。」など数々のコメントを拝見しますと、写真と真摯に向き合ってくださっていることが伝わって来ます。井津の写真が心を引き寄せる力を持っていることをスタッフも再度確信し、多くの方にご覧いただきたいと願っています。

ベナレスにて撮影中の井津建郎 撮影: Baboo

ベナレスにて撮影中の井津建郎 撮影: Baboo

<井津建郎「インド — 光のもとへ」展:ここに注目その③粒子の見えないゼラチン・シルバー・プリント>

モノクロのネガから現像されたプリントを良くご覧いただくと、細かい粒子が見えています。しかし、展示中の井津の作品は粒子が見えない・・・その理由は、井津のモノクロプリントの原板となっているのが、モノクロフィルムではなく、カラーフィルムであり、ネガカラー現像したネガをモノクロ印画紙に焼き付けているからなのです。可能な限り簡単な説明をいたしますと、カラーフィルムは、光の3原色である青、緑、赤の波長を吸収する色素で画像が作られており、見た目には粒子が見えないのです。

井津は、イルフォード社のフィルム「XP2」を使用しており、「C41」(ネガカラー現像液)で現像し、イルフォードのモノクロ印画紙「マルチグレードFBウォームトーン」にプリントしています。

この技法のノウハウと現像液は、写真家リー・フリードランダーとの共通の友人が手配してくれているそうです。フリードランダーは、コントラストの低い、明るいグレーが特徴のモノクロ作品で知られています。ちなみに、リー・フリードランダーの義理の息子である写真家レオ・ルービンファインも同じ現像液を使用しているそうですが、希釈度が異なるとのこと。アメリカでは、写真家が自分の技法をワークショプなどで公開することが特に頻繁に行われています。写真家同士でノウハウをオープンにし、学び合うという寛容な精神が根付いているのです。

インド・ブリンダバンにて撮影中の井津建郎。

インド・ブリンダバンにて撮影中の井津建郎。

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