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5月8日(日)、第二回高校生写真ワークショップを終えて

 
 
 
2022年5月8日(日)、当館副館長の写真家・瀬戸正人による「第2回高校生写真ワークショップ」を開催しました。今回参加をされた高校生は7名。
第1回に参加された2名に初参加の5名が加わり、それぞれがUSBに保管した写真を持参、瀬戸が作品講評を行いました。
 
 
 

 

 
 
瀬戸は今回も一枚一枚の写真を見ながら、撮影者に熱心に話しかけ、良いと思う作品をセレクトしていきました。
 
 
 

 
 
 
まず瀬戸は「僕が選んだ写真と、そうでない写真を、あとでよく見くらべてくださいね」と語りかけました。
 
瀬戸「誰でもそうなのですが、写真は『良いな』と思った瞬間を撮るだけではダメなのです。それだけじゃつまらない。作品にはならないのです。」
 
 
 

 
 
 
瀬戸「作品にするためには、自分の中の欲望、面白いことを追及したりする気持ちを持って“ジャンプする力”が必要です。写真に写る現実に、自分自身を重ねることが大事なのですよ。撮った人の目(考え方、生き方など)と、その人の目を通して見た現実(カメラが写すもの)が見えないといけません。」
 
 
 

 

 
 
瀬戸「今のカメラは性能も上がり、現実をものすごくリアルに映し出しますね。
そこにジャンプする力(考え方、生き方など)を重ねていくことには、ものすごく力が必要です。撮った写真にその力が見えてきて、はじめて写真が『作品』となるのです。」

 
講評後、高校生が一人ずつ瀬戸に向けて感想や質問をする時間を設けました。
「選んでいただいた写真、どこが良かったのでしょうか?」「なぜ、あの写真が選ばれなかったのでしょうか?」といったストレートな質問も。
 
 
 

 

 

 

 
 
講評と質疑応答をうけた高校生のみなさんの感想を、一部ご紹介しましょう。
 
「ほかの人が撮った様々な写真を見たり、プロのかたに評していただいたりと、普段とはちがう視点で写真にふれることができたと思いました。」
 
「自分が良いと思っていた写真が、評価されなかったり、逆に自信のない写真のほうが評価されたりと、このワークショップに参加して、そういったちがいを面白く感じました。」
 
「自分の写真にたいして客観的な見方ができるようになりました」

 
 
瀬戸の話は、高校生たちの共感を呼び、写真を撮るときの姿勢や見る時の視点をすこしだけ変えたようでした。
 
瀬戸「いまのお話を聞いて、みなさん、自分の言葉をきちんともっていることがよくわかりました。それはとても良いことだと思います。
写真も、そのほかの表現も、自由であってください。型にはまってはいけない。SNSなどでいろいろな方の写真を身近に見ることができる環境は、じつは型を壊すきっかけにもなっていますよ。
 
そして、写真を撮ったら誰かと見せ合うことも大事。写真は自分のものではなく、見てくれる人のものですからね。」

 
 
 

 
 
 
今回のワークショップで新たな刺激を受け感性を磨いた高校生のみなさん。
今後の成長がとても楽しみです。
「第3回目が初参加」という方も大歓迎ですので、高校生のみなさんは、ぜひ一度参加してみてください。
次回の日程が決まり次第、当サイトで発表いたします。
 
 
 


ワークショップ終了後、YP展を鑑賞

 
 
 
*本記事は、参加者ご本人の許諾を得て顔写真を掲載しています*

5月8日 第ニ回高校生写真ワークショップ開催のお知らせ

 
5月8日(日)、写真家・瀬戸正人が、高校生の作品にアドバイスをします!

写真の未来を担う高校生に向けて、第2回ワークショップ(WS)を開催します。現役の写真家で後進の育成に尽力する瀬戸正人のユニークで刺激的な講評が、第1回WSに参加した高校生に大好評! ご予約をお待ちしております。
 

 

■■■高校生写真ワークショップ(全3回)■■■

  • 第2回 2022年5月8日(日)13:00~15:00

 講師: 瀬戸正人(写真家 / 当館副館長)

 会場: 清里フォトアートミュージアム

・参加費・入館ともに無料

・対象:高校1年生から3年生まで

・実施内容:各自USBに50枚~300枚の写真作品を保存し、当日ご持参ください。講評を行います。

・ご予約方法:1.お名前 2.高校名 3.ご連絡先を下記までメールください
 宛先:info@kmopa.com
 清里フォトアートミュージアム 「高校生写真ワークショップ」係

・定員:先着30名

  • 第3回の開催予定は随時発表いたします。

 

 

【主催・会場】清里フォトアートミュージアム
山梨県北杜市高根町清里3545-1222 
TEL:0551-48-5599 Mail:info@kmopa.com 公式HP:www.kmopa.com

交通のご案内
車:中央自動車道須玉I.C.または長坂I.C.より車で約20分
JR:中央本線小淵沢駅にて小海線乗り換え 清里駅下車、車で約10分
 
 

瀬戸正人(タイ/日本、1953-) 写真家、清里フォトアートミュージアム副館長

タイに生まれ、父の故郷福島県に移り住む。写真家として活動しながら、自らの発表の場として東京にギャラリー「Place M」を開設、後進の育成のためワークショップを多数行う。おもな受賞歴に日本写真協会新人賞、第21回木村伊兵衛写真賞、第37回写真の町東川賞国内作家賞。当館の公募「ヤング・ポートフォリオ」選考委員長。

清里フォトアートミュージアム(K・MoPA/ケイモパ、山梨県北杜市)は、ヤング・ポートフォリオ(YP)と題し、世界の35歳までの青年の作品を公募・購入・展示する文化活動を行っています。

当館初の「高校生写真ワークショップ」を終えて

 
2022年3/20(日)13:00~15:00、清里フォトアートミュージアム(K・MoPA=ケイ・モパ)副館長での写真家の瀬戸正人(せと まさと)による高校生向けワークショップを開催しました。
参加者はカメラを持って日常や旅先のシーンを撮っている生徒たちです。
自身がふだん撮影してきた50枚の写真データをお持ちいただきプロジェクターに投影、瀬戸は講評を行いながら「これ、いいよね」と写真をピックアップしていきました。
 
 

 
 
まず瀬戸は、写真とカメラの歴史から話し始めました。
今はデジタルカメラが主流の時代ですが、ひと昔前はフィルムの時代だったのです。
どうして写真が写るのだろう?その仕組みと現在に至るまでを、生徒たちにわかりやすく説明しました。
 
 
瀬戸 「今は撮ってすぐに確認ができるけど、フィルムは現像するまでちゃんと写っているかわからない。いつもドキドキしていたよ。」
 
 
歴史を知ることで、現在の物事の成り立ちを知ることができると、コミカルな口調で瀬戸は高校生たちに伝えました。
そして、参加者の写真を1枚1枚丁寧に見ながらセレクトし、構図、撮り方、ものの見方などにユニークなアドバイスをしていきます。
 
写真大国の日本。人物、風景、物、様々な写真がある中、そこには重大な問題があるといいます。
それは “型にはまった写真” が多いということ。
型にはまる、ということは「こうして撮ったほうがいい」と教えこまれて、当たり前のように撮ってしまうということなのだと瀬戸は言います。
 
 

 
 
瀬戸 「写真は型にはまってはいけない。型にはまってしまったら、みんな同じ写真になってしまうからね。もっと自由であるべき。ブレていたっていいじゃない。大事なのは、自分がその瞬間に何を見たのか。どう感じたのか、ということ。それを誰かに感じてもらえる写真には価値がある。でも誰にもわからなくたって、いいんですよ!ヤング・ポートフォリオ展には型にはまっていない、世界の若者の作品がある。じっくり見て勉強して、感性を磨いてほしいです。」
 
 
写真を見て「これいいね!面白いね!!」と、感想やアドバイスをうけた高校生(北杜高校)。
「自分が良いと思っていた写真が無意識に型にはまってしまっていたことに気づかされました」という高校生(北杜高校)。
「良い写真を選んでもらって、すこし自信がつきました」という高校生(東京高等工業専門学校)。
短時間の間に多くの学びがあった様子でした。
 
最後に瀬戸は、参加者にこうした想いをぶつけました。
 
 
瀬戸 「大げさかもしれないけれど、自分の写真に哲学を持ってほしいんです。哲学とは自分にとっての神様、御柱(おんばしら)のようなもの。御柱のような芯・軸を持って撮ってほしい。単に綺麗だね。よく撮れたね。で終わらせてはいけない。
 
写真を撮るということは自分の人生を撮っているとも言えるんです。生きるということは自分の御柱を毎日どうやって抱えて生きていこうか?ということだから、写真を撮ったら『今、自分はどう生きているんだろう?』という気持ちで見直してみてください。ほかの芸術だって音楽だって、何でもそう。写真を深めていくと他の芸術のこともわかるようになってくるんですよ。そういう意識をもって日々を過ごせば、自分自身のやりたいことがきっと見つかります」

 
 

 
 
K・MoPAはこのワークショップを今後も行い、高校生のサポートをし、K・MoPAのエントランスなどにも展示していく予定です。
型にはまらない写真、そして未来を担う高校生の今後の成長が楽しみです。
 
次回の高校生写真ワークショップは、5/8(日)13:00~に決定いたしました。
高校生のみなさんのご予約をお待ちしております。

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