2023年度ヤング・ポートフォリオ 一次選考通過者 80名を
当館のHPで発表いたしました。
下記のURLでご確認いただけます。
一次通過者 (kmopa.com)
国内外より、沢山のご応募をありがとうございました。
2023年3月24日 清里フォトアートミュージアム
*清里フォトアートミュージアム(K・MoPA/ケイモパ、山梨県北杜市)は、 ヤング・ポートフォリオ(YP)と題し、世界の35歳までの青年の作品を公募・購入・展示する文化活動を行っています。
清里フォトアートミュージアム(K・MoPA/ケイモパ、山梨県北杜市)は、2023年3月18日(土)から5月28日(日)まで「Platinum Print – 肖像の回廊」展を開催いたします。 プラチナ・プリントとは、19世紀に発明された古典技法のひとつです。多くの写真技法のなかでも、優美な色調と黒から白までの豊かな階調表現は比類なく、写真家を魅了してきました。 当館では、基本理念のひとつとして、プラチナ・プリントによる作品の収集と技法の継承につとめて参りました。 本展では、1878年制作の最古のプラチナ・プリントから2000年代の作品までを展示いたします。100年に及ぶポートレイトの多様な写真表現をご覧いただくとともに、プラチナ・プリントの気品溢れる優美な色調、繊細な光のグラデーション、ディテールの豊かさをお楽しみください。(約100点)
■作品紹介
エドワード・S. カーティス(米、1868-1952) 《ズニ族の首長》1905年頃
ジョージ・H. シーリー(米、1880-1955) 《乙女とボウル》1907年
アルヴィン・ラングドン・コバーン(米/英、1882-1966) 《花輪をかぶった乙女》1908年頃
クラレンス・H. ホワイト(米、1871-1925) 《チャールズJr.とアリーン・リーブマン》1910年頃
アントン・ヨーゼフ・トレチカ(オーストリア/チェコ、1893-1940) 《画家エゴン・シーレの肖像》1914年 ©Kicken Berlin
エドワード・ウエストン(米、1886-1958) 《盲目のひと(ラミエル・マクギー)》1922年
ドリス・ウルマン(米、1882-1934) 《(無題)》1934年頃
ジェリー・N. ユルズマン(米、1934-2022) 《無題》1976年 ©Jerry N. Uelsmann
ルイス・ゴンサレス・パルマ(グアテマラ、1957-) 《無題》1998年 ©Luis González Palma
プラチナ・プリントとは
鉄塩の感光性を利用し、プラチナ(塩化白金)と鉄塩を塗布した印画紙に露光する古典技法のひとつです。暖かみのある優美な色調、漆黒の黒と白の濃淡、階調の豊さ、保存性の高さが特徴です。感光性が低いため、ネガと印画紙を版画のように直接重ねて紫外線で焼き付けます。
20世紀初頭、短命に終わり、戦後甦った技法
プラチナ・プリントは、写真が誕生した1839年よりも前から実験が行われていましたが、イギリスの発明家ウイリアム・ウィリスによって特許が取得されたのは30年以上後の1873年でした。 ウィリスが販売した印画紙「プラチノタイプ」は高品質で、欧米で人気を博しましたが、第一次世界大戦時、プラチナが軍需産業の重要な金属として使われるようになり、印画紙の生産は停止され、作品も途絶えてしまいました。また、第二次大戦後は、銀塩の感度の高い印画紙、モノクロのゼラチン・シルバー・プリントが大量生産され、安価で引き伸ばしも可能なため、人々の関心は銀塩へ移ってしまいました。
ウイリアム・ウィリス・ジュニア(英、1841-1923) 《田舎の小屋 (Rustic Cottage)》1878年
アーヴィング・ペンにより甦った技法
写真史上、遅れて登場し、最も美しいと愛された技法でありながら、あまりにも早く去ったプラチナ・プリント。一方、戦後の均一生産化したモノクロ印画紙に対して、個性的な表現技法を求め、その復活に困難をためらわずに情熱を注いたのが、アメリカの写真家アーヴィング・ペン(1917-2009)でした。1960年代後半より、ペンによって現代的な息吹を与えられたプラチナ・プリント作品が次々と発表されました。 ペンは、象徴的な言葉を残しています。「私は何年もの間、黙々と刷毛で感光剤を塗り、印画紙を一枚一枚用意してきた。何千時間と費やしたはずだ。完璧なプリントに到達することを目指して。」現在も既成の印画紙はなく、手塗りの技法が継承されています。本展ではペンによる作品7点を展示いたします。
アーヴィング・ペン(米、1917-2009) 《マルセル・デュシャン、ニューヨーク》1948年 ©The Irving Penn Foundation
見どころ
プラチナ・プリントは、いったん現像すると経年による変化はありません。私たちは撮影・現像時と全く変わらない写真と対面することができるのです。写真には撮影時の「光」と「時間」、そして写真家と被写体となった人々との「関係性」が封じ込められています。100年前の写真に刻まれた人々との出会い、そして彼らと向き合った写真家の眼差しは、時空を超えて、鑑賞者に濃密な体験をもたらすでしょう。
■会期中の特別展
●ヴィヴィッドな発色が特徴のダイトランスファー技法による作品 ハロルド・エジャートン博士(米、1903-1990)の代表作10点(当館蔵)をご覧いただきます。エジャートン博士はストロボの発明者で、世界で初めて静止画像を捉えた“ミルクの王冠”で知られています。ダイトランスファーは、色鮮やかで保存性に優れたカラープリントでありながら、途絶えてしまった技法のひとつです。
ハロルド・エジャートン博士《ミルク・クラウン》1957年 © Harold Edgerton/MIT courtesy Palm Press, Inc.
ハロルド・エジャートン博士《りんごを突き抜ける30口径(7.62ミリ)の弾丸》1964年 © Harold Edgerton/MIT courtesy Palm Press, Inc.
ダイトランスファーとは: ヴィヴィッドな発色としっとりと濡れたような質感が特徴のカラープリント技法です。 1946年にコダック社が発表したもので、染料転写方式プリントとも呼ばれます。 シアン、マゼンタ、イエロー各色の染料を含ませたマトリックスフィルムを、1枚の乳剤(ゼラチン)層に転染することによって画像を形成します。 安定性に優れ、写真家が最終的な色のバランスをコントロールすることができます。しかし、転染紙に見当を合わせて手作業で塗り重ねる作業は複雑で、熟練を要するものでした。そのため、希少価値の高いものとして、20世紀後半、多くのアーティストやコレクターを魅了しましたが、材料の生産終了にともない、1993年に途絶えてしまいました。
■会期中のワークショップ
●瀬戸正人副館長による高校生写真ワークショップ 2023年も開催 高校1~3年生対象。個人、学校単位、どちらのご参加も自由です。 生徒が持参した作品データをプロジェクターに投影し、副館長の瀬戸正人(写真家)が講評をおこなう2時間のWSです。 2022年は全3回開催し、生徒自身が展示作業も経験。10名の作品を当館エントランスホールにて発表しました。
●WSの様子を公開中 → https://www.kmopa.com/category/highschool/ ●WS動画はこちら → https://youtu.be/fDGNIB1R2p8(QRコードからもアクセスできます)
*2023年のWS開催スケジュールは随時ウェブサイトにアップします。
■次回展示のご案内
展覧会:「鉄道愛」 会期:2023年7月7日(金)~9月24日(日) アメリカ最後の蒸気機関車の姿をとらえたO. ウインストン・リンク(1914-2001)と、日本を代表する鉄道写真家、広田尚敬(1936-)。当館収蔵作品より元祖「撮り鉄」の2人を紹介するほか、元国鉄マン・滝口忠雄が、職員の目線でとらえた70年代の「国鉄」、清里を走る高原列車・小海線など、鉄道愛あふれる写真展。特別編として「ねこ鉄」、また、1920-30年代アメリカ山岳鉄道をテーマとした精巧なジオラマも初公開。
O. ウインストン・リンク 《ナチュラル・ブリッジ駅に到着する列車No.2 バージニア州》1956年 Train No.2 Arrives at Natural Bridge Station, Virginia, 1956 © O. Winston Link Image Courtesy of the O. Winston Link Museum
■お問い合わせ
本展の詳細は学芸員・山地裕子 yamaji@kmopa.com 、 画像データにつきましては、info@kmopa.com / Tel: 0551-48-5599 までお問い合わせください。 ホームページ https://www.kmopa.com ツイッター https://www.twitter.com/kmopa フェイスブック https://www.facebook.com/kmopa インスタグラム https://www.instagram.com/kmopa2023/ 清里フォトアートミュージアム Kiyosato Museum of Photographic Arts 〒407-0301 山梨県北杜市高根町清里3545-1222 Tel: 0551-48-5599 (代表) Fax: 0551-48-5445 Email: info@kmopa.com